IMAX Enhancedの新展開が分かった。IMAX EnhancedとDTSを有するXperiは、CES2023にタイミングを会わせ、Park MGMホテル内にてプライベートブースを開設。ここでIMAX Enhancedの最新情報が得られたので、報告しよう。

 IMAXは世界80を超える国、地域に1,500以上のIMAXシアターを展開。IMAX上映作品はこれまで300~350タイトルに登っている。一般のシネマスコープのアスペクト比が横2.35:縦1に対し、IMAXは1.43:1というかなり縦に長い。その分、画面のマッシブ感が半端でない。 

画像: ディズニー・プラスとソニー・ピクチャーズの今年のリリース予定タイトル

ディズニー・プラスとソニー・ピクチャーズの今年のリリース予定タイトル

 その家庭用のイマーシブ・フォーマットがIMAX Enhancedだ。IMAXとDTSが手を組み、2018年に立ち上げた。Auro-3D、Dolby Atmosは音声用フォーマットだが、IMAX Enhancedは「画質、音質、アスペクト比」に責任を持つ初の家庭用イマーシブ・フォーマットだ。

 画質は基本的に4K/HDR。アスペクト比はシネスコ作品が2.35:1のレターボックスであるのに対し、IMAX Enhancedは1.90:1(ほぼ家庭のテレビの16:9と同じ、正確には1.77:1)。音はDTS:X。IMAX劇場の6.0ch、12.0chはサブウーファーがないので、「.1」(LFE)を生成して付加する。このベースマネジメントにDTSの技術が活用されている。AVセンターなどでの再生時には、低域を強調する「IMAXモード」を有効にする。

 私は昨年のOTOTENで、IMAX Enhancedのイベントを行ったが、そこで再生した、SPE(ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント)のUHDブルーレイ『BAD BOYS FOR LIFE』は凄かった。黒光りするハイコントラストで、ディテイルまでしっかりと描かれた現代的な爽快な画調と、雄大で鮮明で剛毅なサウンドとの協演は、IMAX Enhancedならではの感動だった。

画像: マランツのAVセンターで、IMAX Enhancedをデモ再生

マランツのAVセンターで、IMAX Enhancedをデモ再生

 2023年のIMAX Enhancedは、カタログの充実がテーマだ。Disney+(ディズニープラス)とSPEのBRAVIA Coreが従来から配信していたが、それぞれ2023CESでは、新しいニュースが明らかになった。

 Disney+は、これまで映像のアスペクト比のみIMAX Enhanced方式だったが、今年から音声にDTS:Xを採用する。15タイトルの配信を予定している。SPEでは、『Spider-Man: Across the Spider-Verse』『GranTurismo』『The Equalizer 3』などの新作に加え、カタログ作品から最大40タイトルがリマスターされ、配信される。UHDブルーレイでのリリースも、ボックスセットとして2タイトルが契約されているという。

 大いに楽しみではないか。

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