デノンから、同社ミドルクラスのSACD/CDプレーヤーとなる「DCD-1700NE」(¥198,000、税込)が発表された。発売は1月27日を予定している。

 新製品のDCD-1700NEは、2016年に発売された「DCD-1600NE」を超えるSACD/CDプレーヤーとして開発されている。「1700NE」シリーズはプリメインアンプの「PMA-1700NE」が2022年5月に発売されていたが、ディスクプレーヤーはラインナップされていなかった。しかしデノン社内でもこのクラスのプレーヤーは必要だという声があり、DCD-1700NEが企画されたそうだ。まさにパッケージを愛する音楽ファンのためのモデル、ということになる。

画像: DCD-1700NE

DCD-1700NE

 基本仕様やスペックはDCD-1600NEをベースにしており、音質に関わる箇所のパーツ変更は80箇所、全体では160箇所以上に及んだそうだ。とはいえ、そもそもDCD−1600NE自体が同社サウンドマスターの山内慎一氏がいちから手を入れ、思い切った開発を行ったモデルであり、それをどこまで高めることができるかも課題だったという。

 そこで苦労したのはパーツの選定だった。同社が提唱する「Vivid & Specious」を実現するために、主要パーツを改めて検証、オペアンプについては安定供給できる部品を探して15種類を試聴、最終的にはTI製に落ち着いた。しかもDCD−1600NEよりグレードもコストも大幅に上がったものになったという。

 コンデンサーはSX1 LIMITEDシリーズで開発した部品を採用。供給メーカーからは難色を示されたが、粘り強い交渉と、多くの箇所に使うことで解決している。他にもカスタムコンデンサーを数種類、要所要所に採用しており、結果としてそれらの配置はLIMITEDシリーズに近いものになっているそうだ。

 さらにデジタル系のノイズ対策部品としても25個を追加し、FFCケーブル(フィルム状のケーブルでデジタル系の信号を通す)の長さやワイヤーの引き回しの最適化も図るといった細かな追い込みが行われている。トランス固定ネジも銅メッキ仕様に統一された。

画像: リアパネルのアナログ出力端子はRCAアンバランスを1系統備える。デジタル出力は光と同軸が各1系統

リアパネルのアナログ出力端子はRCAアンバランスを1系統備える。デジタル出力は光と同軸が各1系統

 ディスクドライブは、自社開発の「Advanced S.V.H. Mechanism」の最新世代を採用、DCD-1700NE用にブラッシュアップしている。具体的には基板上から使っていない部品を取り外し、クロックの信号がデジタル回路にいかないようにするといった変更が加えられている。

 オーディオ用基板と電源基板は上位モデルのDCD-2500NEと共通化された部品を搭載しているが、こちらについても使用しない部分を省いてDCD-1700NE用にパターンを書き直している。信号経路の最短化のため、デジタル基板は4層、アナログ基板は2層仕様を採用する。

 D/Aコンバーターは32ビット対応のチップで、差動電流出力タイプ。ノイズに強く、I/V変換回路での独自の音作りができる点もメリットという。デノンのアナログ波形再現技術「Advanced AL32 Processing Plus」も搭載され、CD音源は705.6kHz/32ビットにアップサンプリング&ビット拡張して処理を行っている。

画像: ドライブメカは「Advanced S.V.H. Mechanism」の最新世代を採用。本機用に改良が加えられている

ドライブメカは「Advanced S.V.H. Mechanism」の最新世代を採用。本機用に改良が加えられている

 なおDCD-1700NEではSACD/CDに加え、DVD-R/RWやDVD+R/RWに記録したDSD2.8/5.6MHzや最大192kHz/24ビットのリニアPCMなどのハイレゾ音源を再生できる。対応フォーマットはDSD、WAV、FLAC、AIFF、ALAC、MP3、WMA、AACだ。

 トップカバーの取り付け方法も変更され、DCD-1600NEでは左右とトップの4箇所でネジ止めしていたが、DCD-1700NEでは「DCD−A110」と同様に左右からの固定のみになった。なおDCD-1700NEはW434×H135×D384mmというサイズで、内部スペースにゆとりがある。これも開放的な音の再生に寄与しているそうだ。

 接続端子はアナログ音声出力(RCA)が1系統と、同軸/光デジタル出力が各1系統。同軸/光デジタル出力は44.1kHz〜192kHzの信号が出力可能。

 さて今回、DCD-1700NEの音をいちはやく体験できる機会があった。同社の試聴室で、PMA−1700NEとの組み合わせでB&Wスピーカーを鳴らしている。

画像: デノン試聴室にて、PMA-1700NEと組み合わせたデモを聴かせてもらった

デノン試聴室にて、PMA-1700NEと組み合わせたデモを聴かせてもらった

 旧モデルDCD-1600NEと同じディスクを聴き比べさせてもらうと、フュージョン系の楽曲では音のエッジがクリアーで透明感もアップする印象。ドラムやギターの音の立ち上がりが鋭くなったように感じられ、ダイナミックレンジも広い。DCD-1600NEもキレのいいサウンドで、心地よく音が響いてくるが、DCD-1700NEでは、いっそうビビッドで見通しのいい音場に進化している。

 オペラでもステージ感の再現が明瞭で、空間の響きもクリアーに感じられる。歌手がステージ奥から手前に出てくるシーンでは、その動き、声の発音位置がわかるくらいだ。

 他にも1980年代から最新の楽曲まで録音年代の違うCDを再生してもらったが、いずれもS/Nのいいクリーンな音場という印象で、こんな情報も入っていたのかという新たな発見もあった。ヴォーカルや楽器の再現性、分離感などもしっかり描き分けてくれる。

 DCD-1700NEは聴き慣れたCDから新しい表情を引き出してくれる、そんな魅力を持った製品だ。多くのCDコレクションをお持ちの方にぴったりのプレーヤーといえるだろう。

DCD-1700NE発売記念!1700シリーズの購入者に、
もれなくオーディオクエストのケーブルをプレゼント

 デノンでは、「DCD-1700NE」の発売を記念して、期間中にDCD-1700NEまたはPMA-1700NEのいずれかを購入、応募してくれた方全員に、オーディオクエスト製のケーブルをプレゼントするキャンペーンを実施する。オーディオクエストはアメリカ、カリフォルニアに本拠を置く高級ケーブルブランドで、デノンの製品開発用試聴室でリファレンスケーブルとして使われているブランドだ。

●キャンペーン対象製品:
 SACD/CDプレーヤー DCD-1700NE 
 プリメインアンプ PMA-1700NE
●対象購入期間:2023年1月10日(火)〜3月1日(水)
●応募期間:2023年3月6日(月)23時59分 締切
●プレゼント賞品:
 1)インターコネクトケーブルGolden Gate/1.5m/RCA ¥11,000(税込)
 2)USBケーブルUSB Cinnamon 2/1.5m ¥13,200(税込)
  ※1か2、いずれか一つを選択して応募

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