Cartridge
テデスカ
DST201us TORRESmodel
¥1,010,000(税別)

●発電方式:MC型●出力電圧:0.3mV(1kHz、5cm/sec)●インピーダンス:8Ω●適正針圧:1.7g~1.9g●自重:7g●問合せ先:アイレックス(株)TEL.042(312)2887

 高級MC型フォノカートリッジとして知名度を高めているテデスカ(TEDESKA)は、クラシックギターを学ぶためにドイツに留学したヒュン・リー氏が主宰するブランドで、ベルリンにある彼の工房で製作されるカートリッジは、いずれも楽器に使われる木材(トーンウッド)を筐体にしている。

 DST201usは、試作を重ねて吟味してきた、純銀線を巻いて仕上げている初めての作品。カンチレバーはボロン製で針先形状は独自のテデスカMulti-Cutという。

 管球王国誌リファレンスのグランツ製MH1000Sトーンアームと組み合わせた音は、上質な音色感を伴う品位の高さを披露した。アンセルメ指揮「三角帽子」では、金属筐体のフォノカートリッジとは異なる静寂さを持ち合わせた、陰影表現に長けた実直な音という印象。微小領域の音を巧みに拾いあげる現代的な性能を実感させるいっぽう、細部を強調することなく自然に音を語りかけてくるという具合だ。ダイレクト盤のデイヴ・グルーシンでは、音溝に刻まれた音楽のエネルギーを損なわずに丁寧に一音一音を描いて聴かせる。硬く密度の高い木製ボディの特質が反映されている音だと納得した次第である。

 ギター奏者でもあるブランド主宰者の、音楽に対する感性が顕われている音に共感するオーディオファイルは少なくないだろう。純銀線を巻いてインピーダンスは8Ωである。私は発電機構の構造を知りたくなった。

ボディは楽器などにも使われる硬質の木材を採用。発電回路は、純銀巻線コイルとネオジム磁石で構成。極細のボロンカンチレバーにマルチカットと呼ぶ独自形状の針先を取り付けている。

試聴に使用した
フォノイコライザー
ウエスギ U・BROS220R 
¥650,000(税別)

グランツMH1000Sトーンアームを取り付けたテクニクスSL1000Rで試聴。

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