JBLシネマSB190は、サウンドバーとワイヤレスサブウーファーの2ユニットで構成される2.1chパッケージ。同社にはBar5.0マルチビームというワンバータイプのサウンドバーもラインナップされていて、月刊『HiVi』2021年5月号でレビューを担当させてもらったが、価格的にはこちらのほうが安価になっている。Bar5.0マルチビームは、音の反射を利用してサラウンド/イマーシブ感を得る「JBL MultiBeam」およびそれに紐づいた自動音場補正機能「AMC(Automatic Multibeam Calibration)」いう独自技術が実装されていたが、シネマSB190には未搭載。ただし、ユニット構成が48×90mmのレーストラック形(楕円形)ウーファー2基と30mm径トゥイーター2基の2ウェイとなり、ワイヤレスサブウーファーと最大380Wのデジタルアンプの組合せでワイドレンジかつ力強い再生を図る。ドルビーアトモスのデコーダーを搭載するほか、バーチャル再生にも対応。リモコンにあるドルビーのロゴのボタンを押せば、非アトモスのコンテンツでもドルビーアトモスのような包囲感、没入感が得られるという。JBLがサウンドバーで力を入れている「Voice」モードは、本機にも引き続き搭載されており、人の声やヴォーカルを明瞭に聴かせるための配慮がなされている。

 2021年5月号のBar5.0マルチビームと同様、視聴は自宅の6畳間に32インチの液晶テレビとBDプレーヤー、シネマSB190を持ち込み、部屋の長辺側(約3.5m)の中央にテレビを設置して視聴した。まずBD『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(ドルビーアトモス音声収録)を再生してみると、冒頭から低音がしっかり効いている。この時点で「Bass Boost」モードは使用していないが、それでも充分に厚い。Bar5.0マルチビームに比べると包囲感は薄めながら、再生帯域がワイドになり、一聴して娯楽性の高いサウンドだということが分かる。ひとりでスイートスポットに座って作品に没入するスタイルよりも、リビングで複数人で楽しむスタイルに適したキャラクターだ。

 続いて5.1ch音声収録のBD『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』をリモコンのドルビーボタンを押し、バーチャルモードで再生すると、同作品をBar5.0マルチビームで聴いた印象ほどの立体的な移動感ではないものの、それを補うアタック音や爆発音の押し出し感とワイドレンジ感のインパクトが強く、その傾向はバーチャルモードをオフにしたほうがよりソリッドに感じられる。『メイキング・オブ・モータウン』(5.1ch収録)などの音楽作品でもそれは同様だ。

 近年のサウンドバーの音質的な傾向は、ステレオ志向とサラウンド志向に大きく分かれているが、シネマSB190はステレオ志向のユーザーにおすすめしたい製品。ストレートデコードで、サブウーファーを控えめに鳴らせば、テレビのエクステンションスピーカーとしての役割は実直に果たしてくれると思う。

画像: JBL Cinema SB190はステレオ志向のユーザーにお薦め。テレビの音声強化が簡単に

SOUND BAR
JBL
Cinema SB190
オープン価格 (直販価格3万3,000円 税込)

●使用ユニット:[サウンドバー]30mm高音域ユニット×2、48×90mm楕円型ドライバー×2、[サブウーファー]165㎜コーン型ウーファー
●出力:[サウンドバー]90W×2、[サブウーファー]200W
●接続端子:HDMI入力1系統、HDMI出力1系統(eARC対応)、デジタル音声入力1系統(光)
●寸法/質量:[サウンドバー]W900×H62×D67mm/1.9kg(本体)、[サブウーファー]W200×H409×D280mm/5.6kg
●問合せ先:ハーマンインターナショナル(株) TEL. 0570(550)465

画像: 接続端子はeARC対応のHDMI出力、HDMI入力、デジタル音声出力(光)を備えている

接続端子はeARC対応のHDMI出力、HDMI入力、デジタル音声出力(光)を備えている

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