画像: オーロラサウンド VIDA MkⅡ ¥372,000(税別) ●入力端子:2系統(MM/MC、RCAアンバランス) ●入力インピーダンス:Low・15Ω以下/High・15Ω以上(MC)、47kΩ(MM) ●利得:65dB(MC)、40dB(MM) ●出力端子:1系統(RCAアンバランス) ●寸法/重量:W260×H100×D250mm/2.8kg(本体)、W114×H70×D200 mm/1.4kg(電源部) ●備考:カートリッジ消磁機能あり ●問合せ先:オーロラサウンド(株)☎045(953)6708

オーロラサウンド VIDA MkⅡ
¥372,000(税別)

●入力端子:2系統(MM/MC、RCAアンバランス)
●入力インピーダンス:Low・15Ω以下/High・15Ω以上(MC)、47kΩ(MM)
●利得:65dB(MC)、40dB(MM)
●出力端子:1系統(RCAアンバランス)
●寸法/重量:W260×H100×D250mm/2.8kg(本体)、W114×H70×D200
mm/1.4kg(電源部)
●備考:カートリッジ消磁機能あり
●問合せ先:オーロラサウンド(株)☎045(953)6708

 オーロラサウンドの製品は日本国内はもとより、海外(特に欧州方面)でも人気が高い。ここで紹介するヴィーダ・マーク2は、オーロラサウンドではエントリー機となるヴィーダ・プリマの上位機、型名にMkⅡが付くようにヴィーダの改良ヴァージョンだ。LCR型RIAAイコライザー回路はオリジナルを継承しながら、最上位モデルのヴィーダ・スープリームと同じ増幅回路を奢ることで、確かな音質向上を実現している。

内部。最上位モデルVIDA Supremeと同じモジュールを採用。1枚基板として各回路の配置や配線もシンプル化。イコライザー部にはルンダールのカスタムメイドのインダクタをL/Rと高域/低域を独立で採用。直流抵抗値が厳密に管理選別された高精度品にグレードアップしている。

 LCR型イコライザーでは、スウェーデンのルンダール・トランスフォーマーズ社が製造する1.9Hと0.18Hのインダクタ(L=コイル)を左右独立で採用。これらはオーロラサウンドのロゴが印刷されたカスタムメイドで、等価直流抵抗値を厳密に管理した選別品ということだ。新たなパナソニック製の大きなコンデンサーも音質で選んだ素子。LCRイコライザー回路の前段ではリニアテクノロジー製の高性能オペアンプでゲインを稼いでいる。それらを含めたLCR方式のRIAAイコライザー回路は、基板上のレイアウトが別物のように改められている。

 RIAA回路を経てからの増幅部は、DCサーボをかけて安定性を高めた半導体構成のモジュールが担当。これも左右独立で、本機の音質を高めている重要な部分と思われる。オリジナルのヴィーダもモジュール形式だったが、回路規模はかなり異なっていた。S/N感を高めるのに役立っている別筐体の電源部は、容量は変わらないが部品配置やプリント基板の見直しなどが行われているとのこと。

 MC/MMの選択だった2系統の入力はフォノ1/フォノ2となり、それぞれMC/MMを選べるよう使い勝手が良くなった。アナログ盤を架け換えるときに便利な前面の大きなミュートスイッチは、オムロン製に変更されて操作感が向上している。

画像: 動作時に点灯する左上の角形ミュートスイッチが特徴のフロントパネル。5つのレバースイッチは左からステレオ/モノ、サブソニックフィルターON/OFF、MCカートリッジ負荷インピーダンスのLow/High、MC/MM動作、入力1/2の切替え。

動作時に点灯する左上の角形ミュートスイッチが特徴のフロントパネル。5つのレバースイッチは左からステレオ/モノ、サブソニックフィルターON/OFF、MCカートリッジ負荷インピーダンスのLow/High、MC/MM動作、入力1/2の切替え。

画像: リアパネル。前モデルではMMとMCで分けられていた入力は合計2系統となり、フロントのスイッチで切替・選択をするようになった。フロントにあったデガウス(消磁)スイッチは、リアパネルに移動。右端は独立電源部と接続するコネクター。

リアパネル。前モデルではMMとMCで分けられていた入力は合計2系統となり、フロントのスイッチで切替・選択をするようになった。フロントにあったデガウス(消磁)スイッチは、リアパネルに移動。右端は独立電源部と接続するコネクター。

 ヴィーダ・マーク2は本誌試聴室で音を聴いている。フェーズメーションPP2000と組み合わせたMC入力は、音に勢いがあって静寂さも際立つ高品位な音質。ドナルド・フェイゲン「ザ・ナイトフライ」の「マキシン」はピアノの前奏から始まるのだが、滲みがなく力強い打鍵と和音の響きが印象的。解像感の高さも申し分なく、腰の据わった堂々たる音である。ビル・エヴァンス「ビハインド・ザ・ダイクス」は、1969年に行われたオランダでの実況録音盤。最近になりマスターテープが発掘された3枚組であるが、感情が込められたピアノの音色を中心に躍動的なトリオ演奏が展開される。半導体増幅らしいストレートな音の語り口を基調にしており、ローパスフィルターとして使われる2基のインダクター(L)を備えたLCR方式のRIAA回路が、音に暖かみを与えている。音場空間も広くS/N感の高さも特筆できよう。

 MM型にオーディオテクニカVM760SLCを使った音は、表情の豊かさを伴う質感の高さが好ましかった。ビル・エヴァンスで聴くマーティー・モレルが刻むシンバルレガートは、こちらのほうが自然な響きに思えた。

VIDA MkⅡを操作する三浦氏。

試聴に使用したカートリッジ

MC型:フェーズメーション PP 2000

¥440,000

VM型:オーディオテクニカ VM760SLC
¥80,000

https://www.aurorasound.jp/9-uncategorized/398-vida-mk2.html

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