ソニーは、現地時間1月5日(水)からアメリカ、ラスベガスで開催される「CES2022」に出展すると発表した。現地ブース、ならびにオンラインでの参加となる。
ソニーは、自社のPurpose(存在意義)は、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」こととし、「人に近づく」という経営の方向性の下、クリエイターやユーザーに近づき人々に感動をもたらす、新たな価値の創出に取り組んでいる。
現地時間1月4日(火)に行なわれた記者会見では、ソニーグループ株式会社 会長 兼 社長CEOの吉田憲一郎氏が登壇し、アデルの新アルバム『30』や、「バーチャルプロダクション」、プロフェッショナル向けドローン「Airpeak」、最新スマートフォン「Xperia PRO-I」などの技術や取り組みを紹介した。
さらに、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(SPE) モーションピクチャーグループ 会長 兼CEOのトム・ロスマン氏は、SPEとソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が協業して、「プレイステーション」向けゲームタイトルのIPを活用した映画やテレビ作品を制作することを目的としたPlayStation Productionsの取り組みについて紹介。PlayStation Productions初の作品となる『アンチャーテッド』主演のトム・ホランドと、ゲーム開発スタジオ ノーティードッグ 共同プレジデントのニール・ドラックマンが協業の意義について紹介した。
続いて、SIE社長 兼CEOのジム・ライアン氏が、PlayStation5(PS5)対応の次世代バーチャルリアリティシステム「PlayStation VR2」と専用コントローラー「PlayStation VR2 Sense」の商品名称を初公開。さらに、『Horizon』シリーズの最新作『Horizon Call of the Mountain』をPlayStation VR2専用タイトルとして発表した。
さらに吉田氏から、スポーツ領域におけるコミュニティ形成のための取り組みとして、グループ会社 ホークアイ(Hawk-Eye Innovations)のトラッキング技術と、仮想空間上の次世代ファンコミュニティの実現に向けたマンチェスター・シティ・フットボール・クラブ(Manchester City Football Club)とのパートナーシップについても紹介しされている。
最後に吉田氏は、モビリティに向けた取り組みである「VISION-S」の進捗と今後の方向性について、「ソニーはモビリティを再定義する『クリエイティブエンタテインメントカンパニー』になれると考えている」と述べ、2022年春に事業会社「ソニーモビリティ株式会社」を設立し、EVの市場投入を本格的に検討していくと語った。
ソニーのCES2022ブースでの主な出展内容は以下の通り。
VISION-S
公道走行試験などを展開しているプロトタイプ(VISION-S 01)と新たなフォームファクターであるSUVタイプの試作車両(VISION-S 02)を展示。
Airpeak S1
フルサイズミラーレス一眼カメラαが搭載可能機種で世界最小クラスを実現し、米国でも発売を開始したプロフェッショナル向けドローン「Airpeak S1」を展示。独自開発のモーターやプロペラ、制御システム、センシング技術などにより、高い敏捷性を有しダイナミックかつ緻密な飛行が可能。
PlayStation 5
PS5の外観をカスタマイズできる「PlayStation 5用カバー」および「PlayStation 5デジタル・エディション用カバー」のカラーバリエーション全5種を同色のDualSenseワイヤレスコントローラーとともに展示。
Crystal LED Theater
ブース正面に大型のCrystal LEDを設置し、「バーチャルプロダクション」や「スポーツエンタテインメントの未来」をはじめとするコンテンツを放映。背景映像と実物をリアリタイムで合成する制作環境を実現することで、場所や天気、時間など撮影時の様々な制約からクリエイターを解放する。
ホークアイのトラッキングシステムとバーチャルファンエンゲージメント
審判判定補助サービスや放送映像にビジュアル効果を追加するサービスでスポーツ界のイノベーションを推進するホークアイは、昨今、新たなトラッキング&データビジュアライゼーションシステムの導入を進めている。このシステムは、迅速かつ正確に試合のライブ映像から選手やボールなどの物体の動きを捉え、骨格情報やプレーデータを収集、プレー内容のバーチャルリクリエーションも実現できる。
一方、ファンエンゲージメントの取り組みとして、マンチェスター・シティ・フットボール・クラブと、実世界と仮想空間を融合した次世代のオンラインファンコミュニティ実現に向けた実証実験も行う。
宇宙感動体験の創出を目指すSTARSPHERE(スタースフィア)
東京大学、JAXAとともに宇宙感動体験の創出を目指すプロジェクト「STARSPHERE」を推進している。このプロジェクトの下、2022年度の打ち上げを目指す、ソニーのカメラ機器を搭載した超小型人工衛星のモックアップを初展示。操作シミュレータを活用し、ユーザーが意図したカメラワークで地球や星々を撮影できる。
この他、オンラインプラットフォームの「ソニースクエア」では以下のような出展も行われている。
Mini LEDバックライトを採用したBRAVIA XR搭載8K・4Kテレビ
認知特性プロセッサー「XR」を搭載したBRAVIA XRテレビに、Mini LEDバックライトを採用した新機種を追加。独自の信号処理技術が実現する精密なバックライト制御により、大画面の隅々まで深い黒と輝く光を繊細に映し出す。
360 Reality Audio(サンロクマル・リアリティオーディオ)によるライブパフォーマンス配信
David Bowie(デヴィッド・ボウイ)による360 Reality Audioのライブパフォーマンス「A Reality Tour in 360 Reality Audio」を、現地時間1月6日16時(日本時間1月7日9時)に配信。今回の配信は手持ちのヘッドホンで体験できるコンテンツとのこと。