リンジャパンから、同社の人気モデル「LP12」に関連した新製品が発表された。いずれも11月の発売を予定している。
●LP12専用モーター&モーターコントロール電源ユニット
「RADIKAL/2」 ¥1,265,000(税込)
「RADIKAL-AK/2」 ¥715,000(税込)
●MCカートリッジ:「EKSTATIK」 ¥1,045,000(税込)
※KANDID、AKIVA、ARKIVからの針交換価格¥748,000(税込)
RADIKAL/2は、2009年に登場した初代 RADIKALから12年、DCモーター、モーターハウジング、モーターコントロール方式、電源供給といったすべてのパートを一新した最新機種となる。
モーターは、従来モデルでは CPLD(コア・プログラマブル・ロジック・デバイス)で制御を行い、アナログ基準電圧+デジタルポテンショメーター(ステップボリューム)による電圧調整を行っていた。この方式は、他のターンテーブルに比べて高い正確性を実現しているものの、乱れのないモーターコントロールに改善の余地を残していた。
新製品ではFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)と DACを組み合わせ、ドリフトの影響を受けず安定してクリーン、そしてモニタリングされるセンサーの計測結果に応じた高速応答でのモーターコントロールを可能にしている。一度設定された回転速度は、フラッシュメモリーに保存され、次の起動時に即時適用される。FPGAによって描かれるコントロールシグナルは精密で「囁く様に静かな」駆動力となるのという。
モーターは、従来よりも静かな音響特性を持つ新型DCブラシモーターが使われている。モーターハウジングそしてアイソレーション(緩衝)の素材には従来と同じアセタルとポロンを採用し、モーターの形状に合わせて新設計。より確実な LP12本体との取り付けを可能にする金属製のインサートを追加している。
なお、LINGOとRADIKAL-AK(年代・コンディション問わず)をお使いの方が、RADIKAL(KLIMAXシャーシ)を購入する場合は、それぞれ¥150,000、¥200,000(どちらも税別)のトレードインサポートも行われる(RADIKAL-AKの購入に対しては対象外)。
MCカートリッジの「EKSTATIK」は、3点支持、ヌードボディという リンの伝統を守りつつ、あらゆるパーツの素材と構成を吟味し直した最新型となる。
2013年から リンカートリッジの最上機種としてラインナップしている「KANDID」のパフォーマンスを大きく超えるために、ボディ、インサート、カンチレバー、サスペンション、巻線、リードなどの素材と構成を広範囲にテスト、実験を実施して完成した製品だ。
本体ボディは、高剛性と軽量性を両立するためアルミ合金7075をハニカム構造に切削加工。KANDIDから継承されるスケルトンボディでオープンなサウンドと理想的な重量を実現。アルミ・ブロンズ(青銅)合金をネジ留めインサートに採用することで、カートリッジ全体の共振を効果的にキャンセルし、繊細な音楽を漏れなく確実に捕らてくれる。
さらにサファイヤ製カンチレバーは、ボロンやアルミより遥かに硬くスタイラスとジェネレーター間の損失を極小化。マイクロリッジ・スタイラスによって反応速度が早く低歪な再生が可能だ。
なお、これまで継続的に復活を望まれ、一時的な生産を行われてきたスリット入り仕上げを採用した「LP12 mechanics Fluted」がラインナップに正式に復活することになった。価格は¥363,000(税込)、木枠のみの「Fluted Plinth」は¥165,000(税込)。現在標準仕上げとしてラインナップされている 5つの仕上げのすべてに対応する。こちらは12月の発売予定。
この他のニュースとして、「MAJIK DSM/4」に RCAライン入力が1系統追加されるという。これはユーザーからの要望により採用されたスペックとのことだ。
もうひとつ、「520EXAKT」スピーカーの生産終了が決定した。シリーズ5スピーカーシリーズは、今後はアッパーモデルの「530」に絞って生産を行うそうで、520は在庫限りで販売終了となるそうだ。
さらに先日発表されたB&Wのフラッグシップシリーズ「800 D4」について、Space Optimisationが対応したことも発表されている。シリーズ5機種とも対応済みとのことだ。