
Step Up Transformer
CMT1
¥160,000
●入力端子:ステレオ1系統(RCAアンバランス/XLRバランス)●出力端子:1系統(RCAアンバランス)●昇圧比:20dB●入力インピーダンス:1.5Ω~40Ω●負荷インピーダンス:47kΩ●寸法/重量W200×H77×D120mm(突起部除く)/2.1kg
バランス接続することにより、さらにダイナミック感が増す
無帰還の管球式アンプやエアーフロート方式の重厚なアナログプレーヤーを製造しているCSポートの新製品CMT1は、バランス入力も装備している昇圧トランスである。
同社のC3EQM2(フォノイコライザーアンプ)もバランス対応の昇圧トランスを内蔵しているわけだが、そちらは適合インピーダンスが3Ω〜20Ωで、CMT1は1.5Ω〜40Ωと広めの設定。コア材は共に透磁率に優れたスーパーパーマロイ。同社によると、CMT1はファインチューニング的な範疇で巻数を増やして対応力を広げているという。背面はオーソドックスな端子群で、グラウンドのフロートスイッチなどは装備しない。
本機は管球王国本誌のリファレンス環境で聴いている。フォノカートリッジをフェーズメーションPP-2000にして、私は最初にRCA端子のフォノケーブルを繋いで音を聴いてみた。元マンハッタントランスファーのシェリル・ベンティーンが歌うジャズアルバム「ワルツ・フォー・デビー」は、質感が高く声の上品な柔らかさが心地いい。続いて聴いたビッグバンドの「ビッグ・ファット・バンド」は、音数が多く切れ込みの鋭い迫力満点の演奏である。これは良いぞと、今度は同じ線材のXLR端子バランス型フォノケーブルに交換。オッと驚いたのは、ノイズフロアーが下がったことである。灰汁を抜いたように音楽が鮮やかに聴こえて、ダイナミック感がアップした。本機はバランス接続で聴くべき製品だ。

←本機の内部。L/R独立で搭載する昇圧トランスは、コア材料、線材、巻き厚、巻線比を詳細に配慮した独自開発品。高透磁率スーパーパーマロイ・コアを使用して高リニアリティを得ている。

↑試聴時の三浦氏
・テクニクスSL-1000R
¥1,600,000
試聴に使用したカートリッジ
・フェーズメーションPP-2000
¥440,000