2月15日に発売されたBang & Olufsenのワイヤレススピーカー「Beosound Level」の試聴機をお借りできたので、今回はそのインプレッションを紹介したいと思います。

 コロナ禍がなかなか終息せず、一都三県では緊急事態宣言が延長になってしまいました。StereoSound ONLINEでもリモートワークがやっと導入され、自宅で原稿を書く事も増えています。まぁそもそも編集部の仕事は(視聴などの取材を除けば)、基本ひとりで進める作業が中心なわけで、その意味では自宅でもまったく問題ありません。

●ワイヤレススピーカー
Bang & Olufsen Beosound Level
¥152,728(税別、ナチュラル)、¥180,000(税別、ゴールドトーン)

画像1: リモートワークも、いい音と一緒なら快適。Bang & Olufsenのワイヤレススピーカー「Beosound Level」は、真剣な音楽鑑賞もBGMも十全に楽しめる魅惑のアイテムだ

●使用ユニット:4インチウーファー×2、2インチフルレンジ×1、0.8インチツトゥイーター×2
●内蔵アンプ:ウーファー用30WクラスD×2、フルレンジ用30WクラスD×1、トゥイーター用15WクラスD×2
●再生周波数帯域:50Hz〜22kHz
●接続端子:LANポート、光デジタル/ステレオミニジャック、充電・サービス用USB Type-C
●対応ストリーミング:AirPlay 2、Chromecast、Bluetooth、Spotify Connect
●連続再生時間:中程度のボリュウムで最大約16時間(充電時間約3時間)
●寸法/質量:W348×H56×D230mm/3.3kg

 なんだけど、自宅でひとりぼっちで原稿を書いていると、やっぱり音楽が欲しくなる。気分が集中するのを邪魔しないけど、でもいい音で、さらに控えめの音量でもしっかり聴き取れるもの……なんて贅沢をいいたくなります。リビングで仕事をするならホームシアター用のスピーカーを使う手もあるけど、家族の手前常時リビングを占領するわけにもいかないので、もう少し手軽なセカンドシステムがあればなぁと思ったわけです。

 実はBeosound Levelはそんな用途にぴったり。A4よりひとまわり大きいくらいのサイズで、高さは5cmほど。バッテリー内蔵で取っ手もついているので持ち運びも簡単にできる(重さも3.3kg)。これならリビングでもDENでも、仕事をする場所に持っていけばいい。今回の試聴機貸し出しをお願いしたのは、そんな個人的な関心もあった次第。

 さてBeosound Levelの本体には4インチウーファー×2、2インチフルレンジ×1、0.8インチトゥイーター×2の合計5つのドライバーとアンプ、それにBluetoothやネットワーク再生機能が搭載されています。スマホ等とBluetoothでつないで音楽を再生できる他(コーデックは未公開)、B&Oのアプリからインターネットラジオ等も再生可能。さらに3.5mmの光デジタル/アナログ入力端子もついているので、外部プレーヤーをつないでもいい。

画像: サランネットを外してみると、5つのユニットが並んでいた。入力信号に何からの処理を加えた後、最適化して再生しているようだ

サランネットを外してみると、5つのユニットが並んでいた。入力信号に何からの処理を加えた後、最適化して再生しているようだ

 まずはBeosound LevelとiPhoneをAirPlayでつないで女性ヴォーカルやロック、クラシック曲をランダムに再生。iPhoneの音量バーで4割くらいの位置に設定すると、ボディ感のある声が再現されます。情報を細かく描き出すというよりは、もっとおおらかに、優しいニュアンスで音楽を聴かせる音を志向しているのでしょう。ステレオ再生のフォーカス感云々よりも、さりげなく生活に寄り添う音、空気のようにそこにあるいい音とでも呼べばいいのかな。

 メイヤの『Meija』から「My Best Friend」を再生すると、彼女の硬質な声と控えめな楽器の再現が絶妙なバランスで楽しめます。ELOの『Time』もキーボードが伸びやかだし、ジョン・ウィリアムスとムターの『ACROSS THE STARS』でもヴァイオリンの響きが美しい。

 ちなみにBeosound Levelはユニットを5基搭載しているとのことなので、サランネットを外して確認してみることに。すると、L/Rにトゥイーターとウーファーが各1基、真ん中に2インチフルレンジが1基という配置です。これで2ch音声をどんな風に再生しているかは公表されていませんが、ユニットに近づいてみると中央のフルレンジからヴォーカルが再生されているのが確認できたので、何らかの処理を加えることで3ch的な再生を行っているのでしょう。

画像2: リモートワークも、いい音と一緒なら快適。Bang & Olufsenのワイヤレススピーカー「Beosound Level」は、真剣な音楽鑑賞もBGMも十全に楽しめる魅惑のアイテムだ
画像: AVラックの天板に縦置きした場合(写真上)と、横置きにした状態(写真下)。このふたつでも、低音の量感などに明らかな違いがあった

AVラックの天板に縦置きした場合(写真上)と、横置きにした状態(写真下)。このふたつでも、低音の量感などに明らかな違いがあった

 さてここまではBeosound LevelをAVラックの天板に載せ、壁側に立てた状態で聴いていました。Beosound Levelはこの置き方の他に、ユニット面を上にして使ってもいいということです。なおBeosound Levelは音響補正機能を搭載しており、置き方によって最適な再生を自動的に切り替えてくれるとのこと。

 ユニット面を上に向けてみると、確かに音の印象が変化します。縦置きの時よりも低音が増え、ピラミッドバランスが安定することで音場も広くなったように感じる。クラシックなどはこちらの方が好ましいかも。

 しかしその状態でいくつか楽曲をかけていると、エリカ・バドゥ『バドゥイズム』の1曲目「Rimshot」でラックの天板が共振し始めたのです。この曲にはかなり強烈な低音が入っており、そのためにBeosound Level本体がけっこう振動して、それがラックの天板にダイレクトに伝わった模様。というか、それくらいBeosound Levelのウーファーが強力ということかと。

画像: Beosound Levelの背面には充電用のコネクターが用意されている。その部分のカバーを外すと、光/アナログ入力端子や有線接続用のLANコネクターが隠されていた

Beosound Levelの背面には充電用のコネクターが用意されている。その部分のカバーを外すと、光/アナログ入力端子や有線接続用のLANコネクターが隠されていた

 試しにBeosound Levelをダイニングテーブル(天板は3cm厚の無垢集成材)に横置きで載せてみると、低音感は豊かなままで共振も気にならない。というか、共振はしているけどAVラックよりも天板の厚みがあるぶん余計な鳴きがないのでしょう。Beosound Levelを使いこなすには、どんな形でどこに置くかにも注意が必要のようです。

 個人的にはヴォーカル曲はユニット面を自分に向けて縦置きに、クラシックやサントラをBGM的に聴くのならユニットを上に向けて使いたいと思います。もちろんどちらの場合でもしっかりした置き台は必須かと。

 さてBeosound Levelには光デジタル入力もついているので、試しにCDプレーヤーをつないでみることに。プレーヤーの光デジタル出力から変換ケーブルで入力すると、女性ヴォーカルが一段とクリアーで、ヴァイオリンの弦もよりつややかに。情報もわずかながら増えて、楽器の響きが豊かに変化した気がします。ワイヤレスも便利だけど、こちらの音も捨てがたい。じっくり聴く時は有線接続もアリかと。

画像: 付属のアダプターにUSB Type-Cケーブルを取り付けて充電が可能。ケーブルが360度どの向きにも調整できるなど、B&Oらしい配慮だ

付属のアダプターにUSB Type-Cケーブルを取り付けて充電が可能。ケーブルが360度どの向きにも調整できるなど、B&Oらしい配慮だ

 この他、B&Oのアプリをつないでインターネットラジオも再生してみたところ、こちらは音がより柔らかく、リモートワークのお供にもいい案配。音量を控えめにして1日ならしてみたけれど、とても快適に編集作業が進みました。

 実は今、弊社から4月8日発売の別冊『モンキー・パンチさんが教えてくれた』を製作中で(詳細は近日発表予定)、絶賛入稿&ゲラチェック中です。Beosound Levelはそういった作業のお供にもちょうどいいし、置き場所や使い方を追い込むことで、真剣な音楽鑑賞にも応えてくれるでしょう(その際は有線接続がお薦め)。

 Beosound Levelはライフスタイルを志向しつつ、B&Oのクォリティを楽しみたいという向きにはぜひ体験して欲しいアイテムでした。(取材・文:泉 哲也)

画像: B&OのアプリからBeosound Levelをセットアップした。このアプリメニューからはインターネットラジオの選局や、再生モードの切り替えが可能

B&OのアプリからBeosound Levelをセットアップした。このアプリメニューからはインターネットラジオの選局や、再生モードの切り替えが可能

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