クリエイティブメディアのサウンドバー「Creative Stage V2」は、コンパクト&スリムなデザインが特徴のオーディオ製品。どこにでもスッと設置できるサイズなため、デスクトップやプライベートルームといったパーソナル用途で重宝しそうだが、その実力は高く、リビングで使っても大迫力のサウンドを実現できる注目のアイテム。インプレッションの後編となる今回は、ホームシアターシステムに組み込んで、薄型テレビやプロジェクターと組み合わせて、テレビ番組や映画ソフト、VOD、ゲームなどを迫力たっぷりに楽しんでみた。

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お手頃価格ながら、サブウーファーが別体の本格派

 「サウンドブラスター」シリーズなど、パソコン用のオーディオ周辺機器で知られるクリエイティブメディアから、昨年末に発売されたサウンドバー「Stage V2」。このクラスのサウンドバーは、使い勝手のよいワンボディタイプが多いが、本機はサブウーファーが別体の本格派。サブウーファーはAVラックにも収まるスリムなボディに、大口径のウーファーを内蔵しており、迫力たっぷりの重低音が楽しめる。そして、「サウンドブラスター」のオーディオ技術を投入することで、豊かなサラウンド音場やクリアな声を楽しめるなど、映画やゲームなどにぴったりの機能・性能が盛り込まれている。

サウンドバー
クリエイティブメディア
Creative Stage V2
オープン価格(直販価格¥11,800+税)

画像: 【鳥居一豊の名品探訪】クリエイティブメディアのコンパクトなサウンドバー「Creative Stage V2」は、ホームシアターで大画面テレビやプロジェクターと組み合わせても、迫力のサウンドが満喫できる!

Creative Stage V2の主な仕様
●スピーカー構成:2.1チャンネル スピーカー●ユニット:2.25インチミッドレンジ×2、5.25インチウーファー×1●スピーカー出力:総合80W(20W×2+40W×1)●周波数特性:55Hz~20kHz●SN比:75dB●入力端子:デジタル音声(光角型)、USB Type-C、3.5mmステレオミニ●Bluetoothバージョン:Bluetooth5.0●プロファイル:A2DP、AVRCP●コーデック:SBC●電源:AC100V / 50-60Hz●寸法:サウンドバー 約W680×H78×D100mm、サブウーファー 約W116×H423×D250mm●質量:サウンドバー 約2.0kg、サブウーファー 約3.3kg●付属品:リモコン(別途単4乾電池×2本必要)、電源ケーブル(約1.5m)、USB-C to USB-Aケーブル(約1.2m)、3.5mmステレオケーブル(約1.2m)、クイックススタート ガイド

 さっそく自宅の有機ELテレビ、TOSHIBA「55X910」と組み合わせてみた。薄型テレビとの接続は光デジタル音声ケーブルを使用。「Stage V2」にはこのほかに、アナログ音声入力やUSB、Bluetoothといった接続もできるので、テレビやパソコン、ゲーム機はもちろん、スマホや携帯プレーヤーなどとの組み合わせも可能だ。サブウーファーは電源不要なパッシブ型なため、バー本体と付属のケーブルで接続するだけでOK。配線そのものはとても簡単だ。

画像: ▲TOSHIBAの有機ELテレビ「55X910」と組み合わせたところ。「Stage V2」はかなり小ぶりに見えるが、画面サイズに負けないサウンドを奏でてくれた

▲TOSHIBAの有機ELテレビ「55X910」と組み合わせたところ。「Stage V2」はかなり小ぶりに見えるが、画面サイズに負けないサウンドを奏でてくれた

 そして、サウンドバー本体、サブウーファーともにコンパクトなサイズなので、一般的なAVラックにも手軽に設置できる。サブウーファーはなるべく中央付近に置きたかったので、視聴ではAVラック内に横置きで収納。見た目もすっきりと設置できた。なお、サブウーファーはタテ置きでも使えるので、プライベートルームなどではパソコンやテレビを載せたデスクの下に置いたり、部屋の壁際に寄せるなど、レイアウトフリー(自由)なところは便利。

 まずはテレビ放送を視聴した。ニュースやドキュメンタリー番組では、音声が聞き取りやすく、クリアに楽しめる。ステレオ音声でも音の広がりは良好で、55V型という画面サイズよりもワイドに音場が広がった。これならば、より大きな画面サイズのテレビと組み合わせても、不満は出ないだろう。そして、テレビ放送に便利な「ダイアローグ」機能も搭載されている。これは、人の声をさらに聞き取りやすくするもの。もともと明瞭で聴きやすいが、深夜などに音量を控えて再生するときなどは、セリフが聞き取りにくくなることがある。そんなときに使用する。付属のリモコンで手軽にオン/オフできるので、操作も簡単だ。実際に試してみると、話し声(セリフ)だけでなく音楽のボーカルも強調され、よりはっきりとした音になる。映画やドラマではセリフがぐっと立ち、BGMや効果音に埋もれることなく明瞭に聞き取れるようになった。深夜に小音量で映画を見るときには役立つだろう。

 続いては、録画しておいた4K放送のコンサート番組などを見た。ライブハウスでのパフォーマンスから、もっと広いコンサートホールの演奏まで、充実した音で楽しめた。感心したのはやはりサブウーファーによる豊かな低音再現。ワンボディタイプのモデルとは格の違う本格的な低音が出ていて、コンサートホールの豊かな響きやライブの迫力をしっかりと伝えてくれる。トレブル(高音)/バス(低音)の音量を調整することもでき、バスを上げていくとサブウーファーの音量が上がる。バスを「+3」くらいまで上げると、リズムに力強さが増してよりパワフルな演奏になる。このあたりは好みで調整するといいだろう。オーケストラのコンサートでも、コントラバスなどの低音楽器の響きは豊かで、さらに部屋全体に広がることもあり、コンパクトなサウンドバーとは思えない、スケール感豊かな再生音を味わうことができた。

プロジェクターによる120インチ画面と組み合わせても、迫力は充分!

画像: ▲鳥居宅のホームシアターシステムに「Stage V2」を組み込んで実際に視聴した。手前のAVラックに設置されているのが「Stage V2」で、少し頼りなさそうにも見えるが、その実力は……。本文を参照してほしい。

▲鳥居宅のホームシアターシステムに「Stage V2」を組み込んで実際に視聴した。手前のAVラックに設置されているのが「Stage V2」で、少し頼りなさそうにも見えるが、その実力は……。本文を参照してほしい。

 「Stage V2」の広がりのある音は、55V型の有機ELテレビでは画面サイズが小さいと感じてしまうほど。さらに音場を拡大してくれる「サラウンド」機能も持つので、より豊かでワイドな再現も可能になる。そこで、自宅のプロジェクター(JVC「DLA-V9R」)と120インチスクリーンの映像と組み合わせてみた。プロジェクターと組み合わせる場合、BDプレーヤーやBDレコーダーの光デジタル音声出力を「Stage V2」に接続すればいい。さすがに120インチのスクリーンと組み合わせると、コンパクトな「Stage V2」ではちょっと頼りない感じがしないでもないが、そのサウンドはスケール感が豊かで、なかなか健闘。ふだん使っているシステムよりはスケールは小ぶりになるものの、音の広がりの豊かさやしっかりした力強い低音は充分に満足できるレベルだ。

 続けて、IMAX撮影の迫真の映像と重低音たっぷりの音が詰まった『TENET』を見たが、冒頭のコンサートホールの広々とした空間感と、そこに鳴り響く銃撃の重みのある音をなかなかパワフルに再現。「サラウンド」機能をオンにすると、後方の音もしっかりと再現し、銃撃音が前後左右に飛び交うようになる。カーチェイスの場面でも、車の脇をすり抜けて走って行くときの風切り音や走行音が周囲を取り囲むように鳴り、臨場感豊かな音になる。

画像: ▲鳥居宅の120インチスクリーンと組み合わせても、「Stage V2」は充分に広いサウンドステージを創り出してくれた

▲鳥居宅の120インチスクリーンと組み合わせても、「Stage V2」は充分に広いサウンドステージを創り出してくれた

 映画自体が低音たっぷりの作品だが、「Stage V2」はそんなパワフルな低音をしっかりと鳴らしつつ、ダイアローグをはじめとする細かな音もクリアに再現してくれた。自然で聴きやすい音で、迫力は満点。そんな映画の醍醐味をしっかりと味わうことができた。

ゲームでも効果は充分! 方向感豊かなサラウンドでプレイがしやすい!

 そのほか、サラウンド対応のゲームソフトもいくつか試してみたが、斜め後ろの音もそれらしく再現してくれて、画面では見えない背後の敵の存在に気付かせてくれるなど、快適にプレイできた。映画同様に低音の量感が優れているので、迫力と臨場感にあふれたゲーム体験ができる。1万円ちょっとのサウンドバーで、ここまで楽しめるのは立派だ。なんといっても別体型のサブウーファーの威力が大きい。低音がしっかりとしているので、音量を小さく絞った再生でも、迫力が失われないのだ。音量を絞ったときに迫力不足を感じたら、それに合わせてバスの音量を少し上げてやるといい。サイズ的にはプライベートルームでコンパクトに使うこともできるし、リビングで大画面を楽しむこともできるなど、生活スタイルに合わせて使いやすいのもありがたい。

画像: ▲ゲームプレイで、もう一歩上のサラウンド体験がしたい場合は、クリエイティブメディアから発売されているSuper X-Fi対応のワイヤレスヘッドホン「SXFI THEATER」(¥21,637+税)を使うといいだろう。ユーザー個人にパーソナライズされたサウンドで、7.1chのサラウンド音声を楽しむことができる。

▲ゲームプレイで、もう一歩上のサラウンド体験がしたい場合は、クリエイティブメディアから発売されているSuper X-Fi対応のワイヤレスヘッドホン「SXFI THEATER」(¥21,637+税)を使うといいだろう。ユーザー個人にパーソナライズされたサウンドで、7.1chのサラウンド音声を楽しむことができる。

 前回紹介したように、パソコンやスマホ/タブレットと組み合わせて使えるのも便利で、「Stage V2」の活用範囲はとても広い。映画や音楽はもちろんだが、ゲームも大迫力で楽しみたいという人にぴったりなサウンドバーだ。

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