オーディオテクニカから、Hi-Fiの真髄を、心ゆくまで楽しむことを目指した新製品として、ヘッドホンアンプの「AT-BHA100」（市場想定価格12万円）とD/Aコンバーター「AT-DAC100」（市場想定価格8万5000円）が発表された。発売はどちらも10月23日を予定している。
ハイレゾをはじめとしたデジタル音源の普及により、バランス接続のヘッドホンで高音質を楽しみたいというニーズが高まっている。オーディオテクニカでもバランス接続対応の「ATH-ADX5000」や「ATH-AW」シリーズ、「ATH-MSR7b」といったヘッドホンを発売しており、それらと最高のマッチングで使える製品として、AT-BHA100とAT-DAC100をリリースしたという。
ヘッドホンアンプ「AT-BHA100」
AT-BHA100は、真空管とパワートランジスターのハイブリッドシステムを採用したヘッドホンアンプで、同社の「AT-HA5050H」「AT-HA22TUBE」で培った回路・音質設計を発展させ、美しく温かい音調にさらに磨きをかけている。ハイレゾ音源のリアルな空間表現と高い没入感を創出するという。その主な特長は以下の通りだ。
●プリ段に4本の独立した真空管
真空管は音質の良さと信頼性に定評あるJJ ELECTRONIC社スロバキア製「ECC83S」を採用。アンプ回路の独立性にこだわり、回路ごとに計4本の真空管を使っている。
●4つの各パワー段には駆動力のあるパワートランジスター
コンパクトなサイズながら、強い駆動力を持つパワートランジスターを採用。ハイサンプリング音源をワイドレンジに、空気感までも表現する。
●真空管らしさを引き出すオペアンプ
オーディオグレードで定評のあるNJR（新日本無線）社製高級オペアンプ「MUSES8820」を採用。音の厚みや温かさにマッチする音調で、真空管らしさを引き出す。
●4つの独立アンプ回路構造
音のセパレーションや解像感を最大限に引き出すため、左右のアンプ回路およびバランスのホット/コールドのアンプ回路をそれぞれ分離させ、4つの独立アンプ回路構造を実現。クロストークを抑え、音場豊かに表現する。
●4層基板構造
信号ライン・パワーライン・パワーグランドを独立層とした構造を採用。信号経路を厚くし、電流を充分に確保することで、信号の安定性と豊かな低域再生を実現。
●オーディオグレードの高音質パーツを採用
ケミカルコンデンサーにはニチコン社製コンデンサーを採用。オーディオ低域特性に寄与し、力強い低音再生を導きます。また、電源には大容量（10,000μF）のケミカルコンデンサーを、各チャンネルのパワー段にも独立構成で搭載。フィルムコンデンサーには、WIMA社製と神栄キャパシタ社製を採用。滑らかで歪みの少ない音響特性を持ち、自然で抜けのいい音質を実現する。
●バランス端子2系統
φ4.4mmとXLR-4pinの2系統を備え、幅広いバランス接続ヘッドホンに対応。独立アンプ回路により駆動回路もバランスで駆動するため、ノイズを極限まで抑えた高音質を獲得した。
●φ6.3mmアンバランス端子2系統
φ6.3mm出力を2系統備え、異なるインピーダンスのヘッドホンを2台同時に接続可能。個別のボリュウムノブを備え、音量も別々に調整できる。
D/Aコンバーター「AT-DAC100」
AT-DAC100は、幅21cm、奥行13.5cmというコンパクトサイズながら、最大768kHz/32ビットのリニアPCMや22.4MHz DSDに対応した本格DACだ。ハイレゾの再生にはUSB2.0対応ポートを装備したパソコンを使い、対応OSはWindows 8.1、Windows 10、Mac OS X以降。
その他のAT-DAC100の特長は以下の通り。
●高S/Nと低歪D/Aコンバーターを採用
DACチップには、AKM社製「AK4452VN」を採用し、高S/Nと低歪みを実現。
●高品位な電源
歪み特性に優れたアナログデバイス社製の電源を搭載。電源供給を安定化させることでD/Aコンバーター本来の性能を引き出し、幅広いフォーマットの高品位音源を正確に再生する。
●低歪フィルター回路
ローパスフィルター部には、低歪で立ち上がりのいい、オーディオグレードのTI社製「LME49860」オペアンプを採用。解像感や低域表現をバランスよく再現する。さらに、低歪かつローノイズな薄膜金属皮膜抵抗と組み合わせ、高品位なフィルター回路を実現。
●真空管アンプにマッチしたチューニング
真空管アンプは、組み合わせたD/Aコンバーターの高周波ノイズが真空管に影響を与え、アンプのノイズ性能が劣化しやすい特性がある。AT-DAC100では独自のチューニングにより、D/Aコンバーターの高周波ノイズ流出を抑え、ハイレゾ音源が本来持つ高品位な再生を実現している。
●オーディオグレードの高音質パーツを採用
ケミカルコンデンサーにはニチコン製コンデンサーを採用。フィルムコンデンサーには、滑らかで歪みの少ない音響特性を持ち、自然で抜けのいい音質を実現するWIMA社製を採用した。
「AT-BHA100」の主なスペック
●対応ヘッドホンインピーダンス：16Ω〜600Ω
●接続端子：アナログ音声入力4系統（RCA×2、XLR×2）、φ6.3mmヘッドホン出力2系統、XLR4ピンバランスヘッドホン出力、φ4.4mmバランスヘッドホン出力、ライン出力2系統（RCA）
●周波数特性
ライン入力：10Hz〜100kHz（0、-3dB at 32Ω10mW出力時）
バランス入力：10Hz〜100kHz（＋0.5、-3dB at 32Ω10mW出力時）
●全高調波歪率：0.25％以下（20Hz〜20kHz＠32Ω1mW出力時）
●ゲイン
φ6.3mmヘッドホン出力：10dB（ハイゲイン）、1.5dB（ローゲイン）
バランス出力：16dB（ハイゲイン）、7dB（ローゲイン）
●消費電力：最大25W
●寸法/質量：W210×H44×D266mm（突起部除く）/約1.8kg
「AT-DAC100」の主なスペック
●対応OS：Windows 8.1、Windows 10、Mac OS X以降
●入力端子と対応周波数
USB Type-B（44.1kHz〜768kHz、16〜32ビットDSD64、DSD128、DSD256、DSD512）
USB Type-C（44.1kHz〜768kHz、16〜32ビットDSD64、DSD128、DSD256、DSD512）
同軸デジタル（32kHz〜192kHz、16〜24ビット ）
光デジタル（32kHz〜192kHz、16〜24ビット）
●出力端子：アナログ出力2系統 （RCA）
●周波数特性：5Hz〜90kHz（0、-3dB）
●全高調波歪率：0.005%以下（20Hz〜20kHz）
●S/N：105dB（A Weighted、1Vrms出力時）
●チャンネルセパレーション：105dB（20Hz〜20kHz）
●消費電力：最大3W
●寸法/質量：W210×H44×D135mm（突起部除く）/約1.0kg
