オーディオやオーディオビジュアルの世界は日進月歩。次々に新しい技術やそれを搭載した新製品が登場し、入れ替わりも早い。だが同時にそれらは、常に時代の最先端を走っているモデル達でもあり、思い出に残る製品ともいえる。このシリーズでは、弊社出版物で紹介してきた名機や名作ソフトに関連した記事を振り返ってみたい。

画像: 以下の記事はHiVi2011年6月号に掲載されています https://www.stereosound-store.jp/fs/ssstore/bss_reg_hv/413

以下の記事はHiVi2011年6月号に掲載されています

自社開発ユニット搭載の意欲作。
女性ヴォーカルの透明感を見事に鳴らす

<PROFILE>
 ライドーアコースティックは2004年、デンマークで創立された新進気鋭のブランドだ。ユニットに使われている素材やエンクロージャー、そしてスタンドを見ていると、おぼろげながらに彼らの音づくりの姿勢が見えてくる。ユニットを自社で開発・製造することは、オーディオに、そして音楽に対する深い情熱がなければなかなかできることではない。

 Xモニターは、上位機の「アイラC1」にサイズもユニット構成も相似している。ウーファーにはC1と同様、独自のセラミックス振動板が採用されているが、マグネットはネオジウムではなく、フェライトだ。リボン型トゥイーターは質量が0.02gという、きわめて軽い振動板を持つ。

<IMPRESSION>
 同社推奨の「C1スタンド」に載せ、最初にエミリー・クレア・バーロウのCD、「ビート・ゴーズ・オン」から『にくい貴方』を聴く。ヴォーカルを明快に描き出すし、ベースラインも輪郭がはっきりしているが、もう少し豊かさがほしい。SHANTIのCD「ロマンス・ウィズ・ミー」でも、ヴォーカルがしっかりと定位して、彼女の澄んだ歌声をていねいに描き出す。声につけられたリバーブの余韻も綺麗に広がるが、バスドラはいくぶん細身な感じだ。

 続いて映画BD「ソルト」のチャプター8、副大統領の葬儀シーンを視聴する。教会内でのスピーチやざわめきの響きと空間の広さはそれなりに再現するが、SEや爆発音はややひかえめだ。

 音楽作品はジェフ・ベックの米国盤ライヴBD「ロックンロール・パーティ」から『ハウ・ハイ・ザ・ムーン』を視聴したが、ジェフの弾くギターのキレもそれほどないし、イメルダ・メイのヴォーカルも映像の情報量に追いつかない感じである。

 C1スタンドは特殊な造りで、脚部にはあえて柔軟性をもたせてある。おそらく空間情報を引き出すための工夫なのだろう。試しにフォステクスの木製スタンド「SG600」(4万8300円、ペア)と、アコースティックリバイブの金属製スタンド(特注品)に入れ替えて試聴してみる。

 フォステクスではスピーカーの位置が下がったことも手伝って、音に厚みが出てくる。一方アコースティックリバイブのスタンドに替えると、本来のニュアンスを残しつつ、中域の厚みが増してヴォーカルや楽器の音色もなじみのあるサウンドに変化した。幅広いソースへの対応を考えて、パフォーマンスを充分に引き出せるスタンドを探すのも本機を使いこなす楽しみだろう。

画像: 自社開発ユニット搭載の意欲作。 女性ヴォーカルの透明感を見事に鳴らす

SPEAKER SYSTEM
Raidho Acoustics X Monitor
¥546,000(ペア、スタンド別売)※価格は当時のもの
●型式:2ウェイ2スピーカー・バスレフ型
●使用ユニット:110㎜コーン型ウーファー、リボン型トゥイーター
●クロスオーバー周波数:3.5kHz
●出力音圧レベル:87dB/2.83V/m
●寸法/質量:W180×H345×D300㎜/9.5kg

This article is a sponsored article by
''.