シャープは、有機ELテレビ「CQ1ライン」と、液晶テレビ「CN1/CL1ライン」の4Kテレビ3ライン11機種を発表した。まずは同社初となる有機ELテレビついて紹介したい。
4K有機ELテレビ「CQ1ライン」
4T-C65CQ1(市場想定価格42万円前後、税別、5月23日発売)
4T-C55CQ1(市場想定価格28万円前後、税別、5月23日発売)
これまで同社は8Kチューナー内蔵の「CX1ライン」を筆頭に、液晶テレビで充実したラインナップを揃えていた。しかし最近の大画面テレビの普及・市場拡大を受け、ユーザーからシャープの有機ELテレビが欲しいという声も寄せられるようになったという。
今回のCQ1ラインはそんな声に応えたもので、同社が8Kテレビで培ってきた映像技術を有機ELパネルに盛り込んだ製品となっている。
その映像技術として、新開発の4K画像処理エンジン「Medalist S1」を搭載した。ここでは「4K Masterアップコンバートプロ」「リッチカラーテクノロジープロ」「スマートアクティブコントラスト」といった高画質化処理を行っている。
まず4K Masterアップコンバートプロは、解像度や映像フォーマットを判別し、高精細処理を施すことで、地上デジタルやネット動画を細部まで美しく、臨場感豊かに表現するもの。
続いてリッチカラーテクノロジープロは、8Kテレビのカラーマッピングを応用した色彩表現技術と有機ELパネルの広色域性能の組み合わせにより、4K放送で使用されるBT.2020の色域まで豊かに表現。赤・緑・青色の階調を描き分け、10億色以上の色を表示する。
スマートアクティブコントラストは、コントラストを緻密に表現する独自アルゴリズムで、SDR映像や4K/HDR映像(HDR10/HLG/ドルビービジョン)などの映像フォーマットと、映像シーンごとの輝度情報に基づいて明暗を描きわけ、白飛びや黒潰れを抑えたクリアーな映像を映し出すという。
加えてCQ1ラインでは、有機ELテレビの輝度性能を最大限に引き出す独自制御技術「Sparkling Drive」を搭載。スマートアクティブコントラストによって処理した映像をベースに、有機ELパネルの特性に合わせて画素ごとに輝度を制御している。画面全体が暗く一部だけが明るい場面では、漆黒からきらめきまで緻密にコントラストを表現し、自然な立体感を生み出してくれる。さらに、画面全体が明るい場面では、ハイライトでも白飛びを抑えた色表現により、明るく色鮮やかな映像を表示可能だ。
音質面では、「FRONT OPEN SOUND SYSTEM PLUS」を採用。これは、音を画面前方に導くリフレクター構造と、独自の「FRONT OPEN SOUND SYSTEM」設計をベースに、トゥイーターなどを搭載することで、さらなる高音質を追求したもの。
大容量で薄型のミッドレンジスピーカーボックスも新たに開発され、ツインスピーカーユニットによる高音圧化とバスレフ構造の工夫により、豊かな音域を獲得している。スピーカー構成は2.1ch/7ユニットという仕様だ。
4Kチューナーを2基、地デジ/BS/110度CSデジタルチューナーを3基内蔵しており、外付けUSB HDDをつなげば4K放送を観ながら、4Kの裏番組と地デジなどを1チャンネル同時録画できる。これなら家族で観たい番組が重なった場合でも心配ない。
この他、視聴位置に合わせて画面の角度を左右に調整できる「回転式スタンド」を採用。画面をお好みの角度(左右計30度)に調整できるので、離れた場所からの視聴やお掃除の際にも便利だろう。
また同社が5月下旬から提供している「COCORO HOME VIEWER」アプリにも対応済みだ。スマートフォンアプリ「COCORO HOME」と連携した同社製AIoT対応家電の情報をCQ1シリーズの画面で確認可能で、洗濯機の運転状況や料理の出来上がり時間などの情報に加え、子供部屋の温度などが一度に確認できるとのことだ。