本日と明日の2日間、東京・学芸大学のオーディオショップ、ホーム商会で「オールYAMAHAフェスタ2days」が開催されている。
このイベントは、ヤマハのハイファイ機器を揃えてその実力を体験してもらおうというもので、11月に発売されたばかりの「GT-5000」を主役に、プリアンプ「C-5000」、パワーアンプ「M-5000」、スピーカー「NS-5000」という現在のフラッグシップのパフォーマンスを披露してくれた。
会場には上記のシステムが、GTラック(ヤマハの重量級オーディオラック。ピアノの本体と同じ木材で組み上げられている)に乗せられている。これについてナビゲーターの(株)ヤマハミュージックジャパンAV流通営業部マーケティング課 井上誠治さんに聴いてみたところ、思いがけない返事が返ってきた。
井上さん曰く、「イベントではいろいろな会場にお邪魔することがあります。中にはラックなどの設備がないこともあり、機器の実力を体験いただけなくなってしまいます。そんな時でも大丈夫なように、われわれはラックやスピーカー用のサウドボードなども準備しています。ホーム商会さんはそんな心配はありませんが、せっかくなので持参した機材を使っています」という。
ヤマハではそれくらいイベントでの再生品質に配慮しているわけで、その真摯な姿勢には本当に頭が下がる思いだった。そんな井上さんのデモは、当然ながらアナログレコード三昧。しかも本人が聴き比べて選んだ名盤を次から次に再生してくれるのだから、面白くないはずがない。
ちなみに今回デモで使ったGT-5000は、量産ラインで作られた製品版を200時間エージングしたセットだそうだ。GT-5000は内部配線にPCトリプルCを使っているが、この導線はある程度通電した方が本来の情報量を再現できるようになるからだという。
そんな説明を交えながらまず再生されたのはカーメン・マクレエの『THE GREAT AMERICAN SONGBOOK』とスリー・ブラインド・マイスの『山本剛トリオ-MISTY』だった。
それぞれの録音の状態やマイク配置の狙いまで解説しながら音を聴かせてもらうと、演奏の現場にタイムスリップしたようなイリュージョンまで感じることができた。「レコードでしか聴けない音もあると思います」(井上さん)という言葉にも素直に納得できる。
その後もGT-5000の設計の狙い(音離れがよく、開放感のある音。さらに低音もしっかり再現する)を紹介し、そのためにどんな工夫が施されているかも紹介された。
素晴らしいのは、そのテーマごとに効果が実感できるレコードを選んで再生し、音で確認させてくれたことだろう。カール・ベーム指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団『モーツァルト:レクイエム』や一転して中島みゆき『私の声が聞こえますか』から「時代」などバラエティに富んだ選曲も興味深かった。
その他にもGT-5000の特長であるピュアストレート・トーンアームや新搭載の脚部の効果など、わかりやすく、ていねいに解説してくれている。
そして最後のレコードとしてマイルス・デイビス『Live Around the World』を再生するときに井上さんは「ヤマハは演奏者の想いを出せる音を目指しています。このマイルスの演奏は、CDよりもレコードの方が彼の想いが再現できている気がしています。それを感じてもらえればと思います」と話して、イベントを締めくくった。
今回と同じ5000シリーズのサウンドは、来週国際フォーラムで開催される「東京インターナショナルオーディオショウ」でも体験できるそうだ。しかしインターナショナルショウは混雑することは間違いない。ホーム商会のイベントは明日(16日14:00〜16:00)も開催されるので、お近くの方は足を運んでみていただきたい。
<主な試聴機器>
●ターンテーブル:GT-5000 ¥600,000(税別)
●プリアンプ:C-5000 ¥900,000(税別)
●パワーアンプ:M-5000 ¥900,000(税別)
●CDプレーヤー:CD-S3000 ¥430,000(税別)
●スピーカー:NS-5000 ¥1,500,000(ペア、税別)
●スピーカースタンド:SPS-5000 ¥150,000(ペア、税別)
●調音パネル:ACP-2N ¥45,000(税別)
「オールYAMAHAフェスタ2days」の概要
●日時:11月15日(金)15:00~17:00、16日(土)14:00~16:00
●会場:ホーム紹介 試聴室 東京都目黒区鷹番3-21-21 Tel:03(3711)0600
Eメール:info@homeshokai.jp
●ナビゲーター:株式会社ヤマハミュージックジャパン AV流通営業部マーケティング課 井上 誠治さん