麻倉怜士さんと潮晴男さんのレーベル、UA(ウルトラアート)レコードでは、昨年1月にリリースした第一弾アルバム『エトレーヌ/情家みえ』のDSD11.2MHz、DXD(リニアPCM)384kHz/24ビットのハイレゾ音源の販売をスタートした。それぞれ¥5,000(税抜)で、e-onkyo musicで購入できる。
今回の音源について特徴的なのは、すべてオリジナルのアナログテープから専用にデジタル化されていることだ。そもそも『エトレーヌ』は、録音時に2インチ幅のテープに76cm/秒、24トラックで収録していたそうで、今回はそこから2チャンネルにミックスダウンしたアナログマスターを使い、DAWのPyramixで、DSD11.2MHzとDXD 384kHz/24ビットに変換している。この時代にあえてアナログで録音した理由は、アナログならではの色香の絢爛なる音楽性を、最終のデジタルファイルに濃密に反映させたかったからだという。
ハイレゾ音源の中には、DSDで録音した後にDXDに変換してから編集を加え、再度DSDに戻している楽曲もある(DSDファイルの編集が原則不可能なため)。しかし今回のDSD11.2MHzとDXD 384kHz/24ビット音源は同じアナログマスターから作成しているので、純粋にフォーマットによる音色の差を聴き比べることもできる。その意味では貴重な素材ともいえるだろう。
リリース資料では、「DXD 384KHz/24ビットはきわめて透明度が高く、スケール雄大で切れ味がシャープです。一方のDSD11.2MHzは空気感が濃密で、声が消えゆく際のニュアンスの微細さが、信じられないほどリアルに表現されます。ピアノのスタインウェイのフルコンサート・モデルならではの音の深み、音の胆力、音の華麗さが堪能できます」と説明されている。
あなたも愛用のオーディオシステムでその違いをチェックしてみてはいかがだろう。
『エトレーヌ/情家みえ』ハイレゾ配信
●配信フォーマット:DSD11.2MHz、DXD 384kHz/24ビット
●価格:それぞれ¥5,000(税別)
●販売方法:e-onkyo musicでダウンロード配信