映画評論家 久保田明さんが注目する、きらりと光る名作を毎月、公開に合わせてタイムリーに紹介する映画コラム【コレミヨ映画館】の第19回をお送りします。今回取り上げる『アクアマン』はもう、久保田さん大絶賛の1作。文章も踊ってます!! 説明不要、その面白さをとくとご賞味ください。(Stereo Sound ONLINE 編集部)

【PICK UP MOVIE】
『アクアマン』
2月8日(金) 全国ロードショー

画像1: 【コレミヨ映画館vol.19】『アクアマン』 面白すぎて、唖然、呆然。『ワンダーウーマン』につづくDCコミックス映画の大注目作!

 この数年でいちばんのホラー映画は『死霊館 エンフィールド事件』! と単勝一点張りをするくらい好きな監督なので、仲間(脚本のデイヴィッド・レスリー・ジョンソン=マクゴールドリックや製作のウォルター・ハマダ、編集のカーク・モッリ)を率いてのコミックス映画挑戦に期待はしていたが、これほど面白いとは思わなかった。最高だよ、ジェームズ・ワン! 『ジャスティス・リーグ』(2017年)にも顔を出していたスーパーヒーロー、海神アクアマンの単独主演作。

 サメだ、タコだ、タツノオトシゴだ。海ガメが荷物を運んでいる。海底王国のお話なので、さまざまな水棲クリーチャーが登場し、それに助演のウィレム・デフォーやドルフ・ラングレンが跨っている! そんな珍景に胸が高鳴るのだから、これは本物だ。

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 馴染みの薄いヒーローの、ユーモアさえまとった成長物語。父と子、母と子、兄弟の相克。ロマンスに英雄論、観光映画まで全部盛り。これらのバランスが絶妙で、伝説の武具である三つ叉のヤリを探すアクアマン(ジェイソン・モモア)と王女メラ(アンバー・ハード)の冒険行は、いつか見た“インディアナ・ジョーンズ”から吹く風だ。こりゃ、すごい!

 「子ども時代に熱中したスピルバーグやルーカス映画への夢に近づきたかった」というワン監督の言葉に偽りなし。エンターテインメントの王道を行きながら、ピノキオや60年代の特撮TV「海底大戦争スティングレイ」、幻想ホラー作家H・P・ラヴクラフトなどの小ネタを散らす。海溝の底で武具を守る大海竜は、あれ『海底軍艦』マンタの翻案じゃないかしら。

 公開1ヵ月半で、『バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生』『ワンダーウーマン』を抜いて、DCエクステンデッド・ユニヴァース初の世界興収10億ドル越えを果たした作品。水中シーンの迫力、奥行き、幻想感がすばらしいので、IMAXシアター用(画角1.9×1)にフォーマットされたIMAX3Dでの鑑賞をオススメしたい。ミスト(霧、水)、バブル(泡)、風(嵐)、モーション(座席駆動)の4D上映もあるけれど、そちらはどうなってしまうか想像もつきません(笑)。『パディントン』などでここんとこ助演で冴えるニコール・キッドマンの扱いも上手い。ちゅるんしますか、そこで!

画像3: 【コレミヨ映画館vol.19】『アクアマン』 面白すぎて、唖然、呆然。『ワンダーウーマン』につづくDCコミックス映画の大注目作!

『アクアマン』
2月8日(金)より全国ロードショー
監督:ジェームズ・ワン
原題:AQUAMAN
配給:ワーナー・ブラザース映画
2018年/アメリカ映画/2時間23分/シネマスコープ
(C) 2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved “TM & cDC Comics”
公式サイト http://wwws.warnerbros.co.jp/aquaman/

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