サムスンエレクトロニクスのブースでは、マイクロLEDの219型超大画面ディスプレイ(6K)「The Wall」が光輝いている。
今、市場では有機ELテレビが人気だが、マイクロLEDは“ポスト有機EL”の最有力候補として、業界で注目の的になっている。もともとはソニーが2012年CESで開発発表を行なった55型フルHDの「Crystal LED Display」が元祖。
ソニーは2016年にマイクロLEDをモジュール方式にまとめた「CLEDIS(クレディス)」を発表。昨今は、8Kのパブリック・ビューイング用のディスプレイとして、その高画質振りが羨望の的になっている。CESでもソニーブースに、大画面のCLEDISが大活躍をしている。
マイクロLEDは微細なLEDをRGBの構造にて、モジュール(ブロック)に収納、そのモジュールを縦横に重ねることでディスプレイを実現する。その画質的、機能的メリットはひじょうに大きい。
メリットのひとつは自発光で高画質であること。有機ELは高輝度が難しい。発光効率がひじょうに低いからだ。液晶テレビで2,000nitsは可能だが、有機ELテレビは1,000nits程度が天井だ。RGB発光なので、色再現がいい。リフレッシュレートがひじょうに速い。
2番目はブロック構造ならではのメリット。ブロックの数が多ければ多いほど、高画素になる。いわば解像度フリーだ。スタンダードの16:9、シネラマサイズの21:9、昔の4:3、正方形……アスペクトはなんでも可能だ。どんな形に積み重ねてもよいサイズフリー。
サムスン電子の「The Wall」は、昨年のCESとIFAで4K/146インチだったが、今回は6K/219インチに大型化。プレス・カンファレンスでは、75型4KマイクロLEDディスプレイも発表された。ブースにはなかったが、LEDチップ間隔を狭める最新の半導体製造プロセスを導入したとされる。
マイクロLEDは最新のディスプレイ技術として、これから目が離せない。