NHKは、新4K8K衛星放送のスタートを記念して、12月4日まで渋谷駅近くの渋谷ストリームホールで「4K・8K SUPER Hi-VISION PARK」を開催している。

 会場内には4K8K放送が確認できるモニターが並び、StereoSound ONLINE読者諸氏にはたまらない展示になっている。しかもにはその中のいくつかは、今日スタートした放送を実際に受信しているので、自宅に4K8Kテレビを入れたらどんな風に見えるかをシミュレーションできるだろう。

画像: 4F会場入り口に置かれた8K液晶テレビでオンエア映像を上映していた

4F会場入り口に置かれた8K液晶テレビでオンエア映像を上映していた

会場で『2001年宇宙の旅』の8K映像をチェック

 4Fの会場入り口近くには8K放送を受信している、シャープ8T-C70AX1が置かれており、取材にお邪魔した12月1日の午後1時10分〜は、あの『2001年宇宙の旅』が上映されていた。

 そしてモニター前には、まさにその映像をチェックに来ていた麻倉怜士さんと久保田明さん、酒井俊之さんの姿が! 昨日のリポートでお届けした通り、麻倉さんは先般NHKで行なわれた『2001年〜』試写会にも参加しており、その印象と実際のオンエアで違いがあるかを観に来たのだという。

麻倉さんのリポートはこちら → https://online.stereosound.co.jp/_ct/17232473

 会場の照明が明るめで、8T-C70AX1の映像モードも映画用ではなかったこともあり、若干強調気味の印象ではあった。しかし輪郭の再現等は素直で、月シャトルのアリエス1Bが着陸するシーンで砂塵が舞い上がる様子もひじょうに細かく再現されていた。

画像: 麻倉さんも会場を訪れ、オンエア映像をチェックしていた

麻倉さんも会場を訪れ、オンエア映像をチェックしていた

 ちなみに特別にお願いして、8K放送を4Kにダウンコンバートした映像を、ソニーの有機ELテレビKJ-55A1に映してもらった。4Kクォリティではあるが、有機ELらしく黒がしっかり沈み、こちらも魅力的な映像として再現されていた(映像モードは『スタンダード』と『シネマホーム』)。

 麻倉さんによると、「NHKでの試写会は非圧縮での上映で、今日の映像はHEVCを経由した放送素材です。厳密に観ると、両者の間には圧縮に起因したフォーカス感や背景のノイズ感の違いはありました。しかし、放送でこれだけの映像が楽しめるとは、本当に驚くべきことです」との感想だった。

 久保田さんや酒井さんも、8K液晶テレビと4K有機ELテレビの映像を観比べて、それぞれの魅力を確認している様子だった。宇宙ステーションでフロイド博士が座る椅子の色再現や、ディスカバリー号内部の通路のライティングの再現など、劇場やBDとの印象の違いを語り合って、映画ファン同士で楽しいひとときを過ごしていた。

画像: 久保田さんも『2001年〜』の画質を確認するために会場まで足を運んでいた。写真は4Kにダウンコンバートした映像を有機ELテレビで観ているところ

久保田さんも『2001年〜』の画質を確認するために会場まで足を運んでいた。写真は4Kにダウンコンバートした映像を有機ELテレビで観ているところ

8Kや22.2chを活かした展示も多数あり

 さてその他にも会場内には、88インチの8K有機ELテレビを設置した22.2chリビングシアターや8Kのインタラクティブ展示、13.3インチの8K有機ELモニターといった展示ブースが準備され、そのすべてが体験できるようになっている。

 なかでも、8K放送の22.2ch音声を変換コンバーターを使ってドルビーアトモスに変換、市販のAVアンプ(デノンAVC-X8500H)で7.1.4システムで再生しているブース(5Fに設置)は必ずチェックして欲しい。

 22.2ch音声は残念ながら現在のホームシアター用機器では再生できない。しかしこの機能がチューナーやテレビに内蔵されれば、今のシステムのままでイマーシブサウンドを楽しめることになる。8Kチューナーの低価格化とともに、この機能が搭載されることを期待したい。

画像: 22.2chをドルビーアトモスに変換するデモ

22.2chをドルビーアトモスに変換するデモ

440インチ・フル8K映像は、絶対に見逃してはいけない

 そして今回の「4K・8K SUPER Hi-VISION PARK」で絶対に見逃してはいけないのは、6Fの440インチ「クリスタルLEDディスプレイ」だ。

 これは今年のInterBEE、ソニーブースで展示されていたものと同じシステムで、公の展示としては3回目となる。技術的な詳細はInterBEEのリポートを参照していただきたいが、フル8K画素数を備えた映像はとにかく凄い。正直、理屈を考える前にとにかく映像を観ていただきたい。

Inter BEEのリポートはこちら → https://online.stereosound.co.jp/_ct/17228023

画像: 440インチディスプレイを設置した6Fのシアター。この映像は必見! 絶見!

440インチディスプレイを設置した6Fのシアター。この映像は必見! 絶見!

 ここでは12月2日以降も、『ベルリン・フィルハーモニーブラームス交響曲第1番』や『西野カナLIVE in 福岡』『乃木坂46 神宮球場8Kライブ』などが上映されている(一部は事前申し込みが必要)。そしてそれらの空き時間に流される『8K Selection』も必見だ。

 約15分のダイジェクト映像だが、女性の白い服の階調再現、紅白歌合戦での石川さゆりの着物の美しさには息を呑む。さらに欅坂46とAKB48では、それぞれのお化粧の具合が違うことまでよく分かった。またサカナクションライブでは、バックの黒の沈み(LEDだから真っ暗になる)と、スポットが当たった場面でのエネルギー感のギャップに圧倒される。

画像: クリスタルLEDディスプレイの裏側。40cm角のパネルを組み合わせて8Kの画素数を再現している。この組み立てとホワイトバランス等の調整で2日かかったとか

クリスタルLEDディスプレイの裏側。40cm角のパネルを組み合わせて8Kの画素数を再現している。この組み立てとホワイトバランス等の調整で2日かかったとか

 久保田さんが、「この映像は絶対体験しなくてはいけないね。いいものを観せてもらいました」という感想を話してくれたが、まさに的を射たものといえるだろう。個人的には前から2列目の中央の席がお薦め。ここに座ると視野一杯に画面が収まるので、その状態で何も考えずに8K映像を浴びてみよう。

 「4K・8K SUPER Hi-VISION PARK」は12月4日までの11時〜21時(12月4日は18時まで)に開催されているので、ぜひ足を運んでいただきたい。“8Kは体験です”とNHKも提案しているが、この没入感、圧倒的な映像体験はきっとあなたのオーディオビジュアルライフで忘れられないものになるはずだ。

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