CEATEC JAPAN 2018の会場リポート第三弾は、A-PAB/JEITAの合同ブースの様子を紹介しよう。
まず12月1日からの4K8K放送を間近に控えたA-PABブースでは、現在発表・発売されている4Kテレビや単体チューナーをずらりと展示、それぞれのサイズやスペックがひとめでわかるようになっていた。
展示されていた4Kテレビは有機EL機が東芝「65X920」、液晶テレビはシャープ「4T-C60AN1」、三菱「LCD-A58RA1000」、ハイセンスジャパン「A6800」、さらにピクセラの参考展出品モデルといったもので、ずれも4Kチューナーを内蔵している。これらで実際に4K映像を再生していたが、絵づくりや色再現など各社各様の個性があり、違いもわかりやすかった。
テレビ展示の隣には単体4Kチューナーが並んでいる。ソニー、シャープ、パナソニック、東芝といったお馴染の名前に加えて、アイ・オー・データやピクセラ、DXアンテナ、マスプロといったブランドも見える。機能面では放送受信に加えて外付けHDDに番組を録画できるといったものがほとんどだ。
会場では年配の来場者が自宅で4K放送を観る手順について説明員に質問をしていたが、新たに左旋のアンテナが必要であることや、アンテナケーブルをどうしたらいいのかなどで悩んでいる様子だった。会場には接続に関する図解なども展示されているので、4K8K対応を考えている方には参考になるはずだ。
「ハイレゾ」をきちんとスピーカーで聴いて欲しい
そして同じブース内に、JEITAによるハイレゾ試聴室が準備されている。JEITAでは毎回CEATEC会場でハイレゾについての展示を行なっており、昨年も好評だったという。今回は、「ハイレゾ」という言葉は知っているけれど、きちんと音を聴いたことがないという人に向けた、わかりやすいデモを準備していた。
登場から数年が過ぎ、ハイレゾという単語はすっかりメジャーになっている。しかしハイレゾを知っている人も、その多くがイヤホンやヘッドホンでの体験であり、スピーカーでハイレゾを聴いたことのないユーザーもいるという。
今回のブースにはテクニクスのハイレゾ対応プリメインアンプ「SU-G700」とスピーカーの「SB-G90」がセットされている。さらに展示会場であっても可能な限りいい音で聴いてもらいたいという思いから、ヤマハの吸音ボードを設置したり、植木を置いて調音を施したりと、担当者の熱意が感じられる仕上げになっていた。
その空間で、オーディオ協会の「音のリファレンスシリーズ」を音源に使い、256kbpsのMP3と192kHz/24bit/FLACで、クラシック曲やサヌカイト楽器(石製の打楽器)の演奏などの聴き比べが出来るようになっている。
MP3音源といってもこのシステムで鳴らすとそこそこのクォリティでは聴けてしまう。だがいざ192kHz/24bit/FLACを鳴らすと、その差にびっくりする。楽器の胴鳴りや弦の音の消え際の再現など、MP3ではすっぱりとなくなっていた情報がハイレゾではきちんと再現されているのだ。
この違いは音楽ファンならみんなわかると思うので、ぜひJEITAブースのハイレゾ試聴室で音を体験してみていただきたい。