「802D3」と「805D3」に特別色も登場!

 イギリスのBowers&Wilkins(バウアーズ&ウィルキンス、以下B&W)は、エントリークラスにあたる「600」シリーズの新スピーカーシステムを発表した。ラインナップと価格は下記の通り。

【トールボーイ型】
●603:¥280,000(ペア・税別) ←683 S2の後継

【ブックシェルフ型】
●606:¥114,000(ペア・税別) ←685 S2の後継
●607:¥90,000(ペア・税別) ←686 S2の後継

【センタースピーカー】
●HTM6:¥80,000(税別)

【サブウーファー】
●ASW610:¥100,000(税別) ←ASW610S2の後継
●ASW608:¥76,000(税別) ←ASW608S2の後継

画像: ▲エントリークラスにあたる「600」シリーズの新スピーカーシステム群

▲エントリークラスにあたる「600」シリーズの新スピーカーシステム群

 この600シリーズは、B&Wフラッグシップシリーズ「800D3」、中堅「700」シリーズに続く最廉価のエントリーライン。歴史は長く1995年に登場した「DM600」シリーズを皮切りにモデルチェンジを繰り返し、今作で第6世代となる。今回のモデルチェンジのもっとも大きな特徴は黄色のケヴラーコーン振動板に変わり、フラッグシップシリーズ800D3で開発されたコンティニュアムコーン振動板を使ったユニットを搭載したことだろう。この変更により開発から44年目となったB&Wブランドを象徴するケヴラーコーン振動板を使ったユニットがすべて廃止されたことになる。

 今回のモデルチェンジは「最新技術を投入しても価格は据え置き(センタースピーカー除く)」「シリーズ内ラインナップの整理」「価格帯でナンバーワンの音を目指す」をテーマに掲げ開発がされたという。

 最新技術としては前述の通り、フロアースピーカー3モデル(603/606/607)とセンタースピーカーに搭載される銀色のコンティニュアム織布コーン振動板が挙げられる。2015年発売の800D3シリーズでケヴラー布織コーンに変わって登場したもので、複合的な化学合成繊維をベースにした同社オリジナルのものだ。ケヴラー布織と比較して音の立ち上がりのスピードは変わらないが、逆の音の立ち下がり(収束)は3倍よくなっているという。

画像: ▲コンティニュアム布織振動板を使った「603」のミッドレンジユニットのシャーシは、TMD(チューンド・マス・ダンパー)付きのアルミダイキャスト製。エンクロージャーからの振動影響を受けないようにデカップリングマウントされる

▲コンティニュアム布織振動板を使った「603」のミッドレンジユニットのシャーシは、TMD(チューンド・マス・ダンパー)付きのアルミダイキャスト製。エンクロージャーからの振動影響を受けないようにデカップリングマウントされる

画像: ▲「606」のペーパーコーン紙は厚みのあるものを使い、マグネットも強力なフェライトを用いている。防振プラグは「700」シリーズと同様のもの

▲「606」のペーパーコーン紙は厚みのあるものを使い、マグネットも強力なフェライトを用いている。防振プラグは「700」シリーズと同様のもの

 トゥイーターは前作でも搭載された方式ものをそのまま引き継ぐ。振動板素材はアルミニウムで、この振動板裏側の外周部を厚いアルミで補強(ボイスコイルが駆動するところを中心に)していることからデカップル・ダブルドームトゥイーターと呼ばれるものだ。デカップルというのは一種のフローティング構造に近いもので、キャビネットの振動がトゥイーターへ伝播しないようになっている。ただ、磁気回路は高効率のネオジウム(N52)に変更され、グリルは800D3シリーズ開発時に新たに金型をおこした開口率が高く強度のあるメッシュ製を採用している。

画像: スピーカー端子は全モデルバイワイヤリング仕様で、「700」シリーズのものを流用して搭載する。バスレフポートは前面にあったが背面へと移動された

スピーカー端子は全モデルバイワイヤリング仕様で、「700」シリーズのものを流用して搭載する。バスレフポートは前面にあったが背面へと移動された

 また、シリーズラインナップの整理としてセンタースピーカーは前作では3ウェイ仕様と2ウェイ仕様の計2モデル用意されていたが、今回のリニューアルで2ウェイ構成の1モデルのみとなった。音質的には3ウェイ仕様のフロアースピーカーの音に見合うように再設計されており、磁気回路は前作2ウェイモデル(HTM62S2、¥71,000、税別)と比較して大型化されている。それもあってか価格はやや上昇した。そのほかに、前作での「684S2」にあたる小型トールボーイスピーカーの後継モデルは登場しなかった。スピーカースタンド「STAV24S2」(¥52,000ペア、税別)は前作からそのまま引き継がれる。

画像: ▲センタースピーカーは写真の「HTM6」をラインナップ。全モデルでエンクロージャーの仕上げは、ブラックとホワイトの2種類を用意する(同価格)。ブラックは従来の木目仕様から、ブラックエンボス仕様へと変更されている

▲センタースピーカーは写真の「HTM6」をラインナップ。全モデルでエンクロージャーの仕上げは、ブラックとホワイトの2種類を用意する(同価格)。ブラックは従来の木目仕様から、ブラックエンボス仕様へと変更されている

画像: ▲サブウーファーは20cm口径搭載の「ASW608」(写真)のほか、25cmユニットを使う「ASW610」を用意する。ともに200W出力のICE Powerアンプを搭載しているモデルだ

▲サブウーファーは20cm口径搭載の「ASW608」(写真)のほか、25cmユニットを使う「ASW610」を用意する。ともに200W出力のICE Powerアンプを搭載しているモデルだ

603の主なスペック

型式:3ウェイ4スピーカー・バスレフ型
使用ユニット:25mmドーム型トゥイーター、150mmコーン型ミッドレンジ、165mmコーン型ウーファー×2
出力音圧レベル:88.5dB/2.83V/m
インピーダンス:8Ω
再生周波数帯域:29Hz~33kHz
寸法/質量:W190×H985×D340mm/24.5kg
備考:専用スピーカーボード付属

606の主なスペック

型式:2ウェイ2スピーカー・バスレフ型
使用ユニット:25mmドーム型トゥイーター、165mmコーン型ウーファー
出力音圧レベル:88dB/2.83V/m
インピーダンス:8Ω
再生周波数帯域:40Hz~33kHz
寸法/質量:W190×H345×D324mm/6.75kg

607の主なスペック

型式:2ウェイ2スピーカー・バスレフ型
使用ユニット:25mmドーム型トゥイーター、130mmコーン型ウーファー
出力音圧レベル:84dB/2.83V/m
インピーダンス:8Ω
再生周波数帯域:40Hz~33kHz
寸法/質量:W165×H300×D231mm/4.65kg

HTM6の主なスペック

型式:2ウェイ3スピーカー・バスレフ型
使用ユニット:25mmドーム型トゥイーター、130mmコーン型ウーファー×2
出力音圧レベル:87dB/2.83V/m
インピーダンス:8Ω
再生周波数帯域:42Hz~33kHz
寸法/質量:W480×H160×D279mm/7.65kg

ASW610の主なスペック

型式:密閉型アクティヴサブウーファー
使用ユニット:250mmコーン型ウーファー
最大出力:200W
寸法/質量:W310×H310×D375mm/12.5kg

ASW608の主なスペック

型式:密閉型アクティヴサブウーファー
使用ユニット:200mmコーン型ウーファー
最大出力:200W
寸法/質量:W260×H260×D330mm/8.85kg

貴重な木材を使い、艶やかな仕上げを施したPresige Editionも発表

 フラッグシップ800D3シリーズから、「802D3」と「805D3」に特別仕上げのプレステージ・エディション(Presige Edition)が同時発表された。価格は802D3 Prestige Editionが¥3,800,000(ペア・税別)、805D3 Prestige Editionが¥960,000(ペア・税別)で、10月の発売予定だ。

画像: ▲左が「802D3」、右が「805D3プレステージ・エディション」。「800D3」シリーズでは基本色としてローズナットとピアノブラックを用意する(それぞれ価格は異なる)

▲左が「802D3」、右が「805D3プレステージ・エディション」。「800D3」シリーズでは基本色としてローズナットとピアノブラックを用意する(それぞれ価格は異なる)

 本モデルの化粧板には13層のラッカー塗装を施したサントス・ローズウットを使用しており、高級家具のような豪華な仕上げとなっている。さらにスピーカー左右で木目の違いが出ないように、1点1点熟練の職人によってチェックがされているという。特別仕様としてスピーカー端子下部にはシリアルナンバー入りのプレートもつけられる。既発売の802D3ならびに805D3とは、外装仕上げ以外の変更はない。

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