先ほど有機ELテレビ“MASTER Series”（マスターシリーズ）を発表したソニーから、4K液晶テレビの「Z9F」シリーズがリリースされた。画面サイズは75型の「KJ-75Z9F」（想定市場価格￥900,000前後）と65型の「KJ-65Z9F」（想定市場価格￥600,000前後）、A9Fシリーズと同じ10月13日の発売予定だ。
映像プロセッサーは「X1 Ultimate」
Z9Fシリーズは、「A9F」と同じくソニー独自の4K用高画質映像プロセッサー「X1 Ultimate（エックスワン アルティメット）」を搭載する。当然ながら、X1 Ultimateが持つ機能は同等で、オブジェクト型超解像や高精度のノイズリダクション、HDRリマスターが液晶に最適化して搭載されている。
なお液晶テレビでは安定した黒再現のためにバックライト制御が不可欠だ。Z9Fシリーズでは、前モデルの「Z9D」シリーズに搭載されていた「バックライトマスタードライブ」こそ非搭載だが、直下型LEDバックライトにX1 Ultimateの処理能力を組み合わせることで高いコントラスト再現を実現している。
着脱式のスマートなスタンドが付属。ベゼル前面はデジタルカメラのα周辺機器で採用されているプロット加工を採用する
VAパネルでも、広い視野角を実現
また、液晶テレビでは視野角が問題になることが多い。特にVAパネルの場合、リビングで家族3人が並んでいると、両脇のふたりが観ている映像は中央のそれとは違っている可能性がきわめて高いのだ。
それを解消するのが、「X-Wide Angle」となる。これは先述した直下型LEDバックライト駆動に特殊なフィルターを組み合わせて視野角の拡大を実現する技術だ。発表時のデモでその効果をチェックしたが、水平方向については従来のVAパネルの常識を覆す効果が確認できていた。
表示デバイスによらない最高峰の画質を
Z9FシリーズはA9Fシリーズと同じく“MASTER Series”に位置づけられている。すなわち、クリエイターの意図を忠実に再現するという使命が与えられているのだ。
ソニーとしても、有機ELパネルと液晶パネルで特性が異なっているのは充分承知している。しかしX1 Ultimateを使うことで、それらデバイスを最適に使いこなし、ぞれぞれで最高峰の画質を実現出来ると考えたのだろう。
有機ELのA9Fと液晶のZ9F、どちらが自分の好みかを選ぶのはユーザー自身であり、その好みに合わせた付加価値を提案するのが“MASTER Series”なのだ。
パネル部の奥行は75型、65型とも最大67mmで、スタンドを取り付けた場合は75型が39.9mm、65型が31.4mmとなる
KJ-75Z9Fの主なスペック
●画面サイズ：75型
●解像度：水平3840×垂直2160画素
●接続端子：HDMI入力4系統、デジタル音声出力1系統(光)、USBタイプA 3系統、LAN1系統 他
●内蔵チューナー：地上デジタル×2、BS/110度CSデジタル×2
●消費電力：408W(待機時0.5W)
●寸法/質量：W167.6×H103.9×D39.9mm/40.1kg(スタンド含む)
