フォーカル「Clear Pro」はプロ向け開放型モニター・ヘッドホン

画像: フォーカル「Clear Pro」はプロ向け開放型モニター・ヘッドホン

 「Clear Pro」はフォーカル初のプロ用オープンバック型(開放型)ヘッドホンである。民生用のハイエンド機「Elear」や「Utopia」の要素技術を活用しながら、音楽制作におけるプロフェッショナルの現場向けに、フラットでクセのない『プロ・チューニング』が施されている点が本機の特徴だ。

 一般的にプロの音楽制作現場では、スタジオブース、ミキシングルームとも、密閉型ヘッドホンが使われるのが慣例だ。なぜならば、外部の音が遮断でき、音に集中できるからである。しかし、Clear Proはオープン型。そこがフォーカルの大いなるチャレンジであり、オープン型ならではの開放的なサウンドイメージと立体的な広がりが、音楽制作に新たな視点をもたらしてくれるのではという狙いがあるのだ。

 搭載されたドライバーは、「Mシェイプインバーテッド」と名付けられた、フォーカルが得意とする逆ドーム型振動板で、リニアリティに優れ、微細な音の描写力が高い。40mm径で、素材はアルミニウム/マグネシウム合金。イヤーカップの中心からオフセットして搭載されているのは、耳孔に対してドライバーをダイレクトに向けるためである。

 マイクロファイバーのクッション材を採用したイヤーパッドは快適性を重視したもので、長時間のリスニングでも疲れにくい。5mのカールタイプと1.2mストレート型ケーブル、専用ハードケースが付属し、スペアのイヤーパッドも1セット付く。

ケーブルは着脱式で、標準プラグ端子のカールケーブル(5m)と、3.5mmのステレオミニ端子のケーブル(1.2m)が同梱される。その他、専用のハードケースや、ステレオミニから標準プラグへの変換プラグと予備のイヤーパッドが付属する

 ヘッドホンアンプにパイオニアU05を準備して試聴。側圧はさほど強くはなく、快適である。サウンドも同様にストレスがなく、ステレオイメージには立体感がある。実に繊細で滑らかな音だ。解像感の高さもあり、声の微妙なニュアンスや楽器の質感再現がていねい。

 驚かされたのは、バスドラムのキックの質感。さらにはクラシックにおけるグランカッサやティンパニの存在感だ。ここまで打楽器類のイメージをしっかり聴かせるヘッドホンは並大抵でない。重奏のハーモニー、クレッシェンドやフォルテッシモの抑揚、力強さの再現も立派だ。

 オープン型なので屋外では使いにくいが、リスニングプレジャーを味わわせてくれるヘッドホンといえる。

HEADPHONE
FOCAL
Clear Pro
¥198,000(税込)
●型式:開放型●使用ユニット:ダイナミック型40mm●再生周波数帯域:5Hz~28kHz●インピーダンス:55Ω●出力音圧レベル:104dB/mW●付属品:6.3mm標準プラグケーブル(5m)、3.5mmステレオミニ端子ケーブル(1.2m)ほか●質量: 450g(本体)

●Clear Proの製品紹介ページ
http://www.minet.jp/brand/focal/clear-professional/

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