多機能かつ快適さを実現した高音質スマートスピーカー

 優れた品質、充実した機能性と操作性、そしてリーズナブルな価格と、これまでのオーディオの常識にとらわれないチャレンジングな製品を続々と発表し、にわかに存在感を増しているWiiM。今回、取り上げるのは多彩な機能性を誇るスマートスピーカー、WiiM Soundだ。

 

画像1: 『WiiM Sound』躍進を続けるWiiMから驚きの音質と多機能を実現した初のスマートスピーカー登場!

Smart Speaker
WiiM Sound
価格未定

●型式 : アンプ内蔵スマートスピーカー
●使用ユニット : 25mmドーム型トゥイーター×2、100mmコーン型ウーファー
●出力 : 25W×2+50W
●クロスオーバー周波数 : 2.4kHz
●接続端子 : アナログ音声入力1系統(3.5mmミニフォーン)LAN1系統
●対応ネットワークプロトコル : Google Cast、DLNA、Spotify Connect、TIDAL Connect、Qobuz Connect、Roon Ready
●対応ネットワークサービス : Spotify、Amazon Music、TIDAL、Qobuz、ほか
●備考 : AirPlay2対応、Wi-Fi6(IEEE802.11 b/g/n/ax2.4GHz、5GHz、6GHzトライバンド対応)Bluetooth5.3対応、リモコン付属
●ディスプレイ : 1.8インチ径タッチディスプレイ
●寸法/質量 : φ146×H194mm/2.5kg
●カラリング : ブラック(写真)、ホワイト
●問合せ先 : (株)エミライ

 

 

いい音を聴きたい音楽ファンそしてオーディオファン向けの新世代機

 その外観からAmazon EchoやApple HomePodといったスマートスピーカーを思い浮かべる方が多いと思うが、志向する方向性は明らかに異なる。単に利便性を追求しただけの製品ではなく「音楽を快適に、いい音で楽しみたい!」と願う音楽ファン、そしてオーディオファンを強く意識した新世代のスピーカーシステムと言っていいかもしれない。

 ご覧の通り、上質なファブリックで覆われた可愛らしいデザインで、小さな舷窓を思わせる本体側面の1.8インチ表示パネルが特徴的だ。このパネルは高解像度のタッチディスプレイで、アルバムアートや音量表示はもとより、音量調整や曲の選択、曲送り/戻し、一時停止、イコライザー設定の変更、各種設定、入力の選択と、多彩な機能を操るインターフェイスとなる。

 上下や左右のスワイプ操作にて各種情報がスムーズに切り替わり、レスポンスも良好。しかもアルバムアートの切り替わり時に、画像が回るように変わっていくような凝った表示など様々な工夫が施され、その感覚は先進のスマートウォッチを彷彿させる。

 もちろん直感的に操作できるWiiMの専用アプリ「WiiM Home」も有効で、各種音楽配信サービスやミュージックサーバー内の音楽ライブラリーの再生をサポートしている。付属の音声認識対応リモコンを使えば、ハンズフリーでの選曲、音量の調整も可能。また楽曲の再生と音量調整については本体上面に静電式タッチパネルでも操作できる。

 スピーカーユニットは100mmコーン型ウーファーと筐体左右に配置された2基の25mmソフトドーム型トゥイーターの組合せで、計100Wのアンプで駆動する。つまりWiiM Soundスピーカー1台でステレオ再生を実現しているわけだ。さらに2台のWiiM Soundをペアリングし、左右独立のステレオスピーカーへシステムを発展できる。

 またスピーカーのグループ化により、同じ曲を複数の部屋で再生するマルチルーム再生の設定が可能。さらに詳細は明らかになっていないが、本機を複数台用いて、リアルサラウンドシステムを構築することも想定している模様だ。

 

画像2: 『WiiM Sound』躍進を続けるWiiMから驚きの音質と多機能を実現した初のスマートスピーカー登場!

接続端子は底面に備わっている。左から3.5mmミニフォーン型のアナログステレオ音声入力、メガネ型電源端子、有線LAN端子が装備されている

本体のタッチパネルディスプレイは多機能かつ優れた操作性を兼ね備えている。今回は、Qobuzのプレイリストやアルバムなどを、スマホのアプリ上で登録。画面のプリセットボタンをタッチすることで、スマホなしで、ダイレクトに登録していたプレイリスト、アルバムが再生できた。ちなみに価格は5〜6万円台を予定しているとのこと

 

 

既存のスマートスピーカーとはまるで別物。驚くべき高音質だ。

 今回はWiiM Soundを1台、自宅リビングルームに持ち込んで、そのサウンドを体験したわけだが、まずそのクォリティに驚かされた。主にQobuzの音楽配信サービスでヴォーカル、ピアノ、ジャズと、様々な音源を再生したが、基本的には刺激を抑えた穏やかな音調で、押さえの効いた色濃いサウンドが特徴的だ。

 「Don't Cry Now」を歌うリンダ・ロンシュタットの声は温かく、ふくよかで肉感的。微妙なニュアンス、息づかいまで感じさせるような聴かせ方で、彼女の想い、情熱、感情までも素直に感じ取れるほどだ。

 ホリー・コールの「Where Flamingoes Fly」でも明瞭度の高い、力強い歌声は健在だ。量感のある低音と、厚みのある中高音を持ち味にした骨格のしっかりとしたサウンドで、音量を上げても、危なっかしさはない。さすがにベースやバスドラムの最低域付近のピッチの変化を描き出すまでの低音再生能力、特に分解能を期待するのは難しいが、リズム感の描写が克明で、反応がいい。

 そしてチョ・ソンジンのピアノは濁りのない濃密な響きが、目の前の空間に染み込むように拡がっていく。力強さと繊細さを併せ持った独特のタッチを感じさせつつ、ハイレゾ音源らしい精密なステージの拡がりを実感させてくれるサウンドを描き上げてみせた。

 部屋の環境に応じて音質を補正するイコライジング機能も試してみたが、素の能力が高いこともあって、その必要性を強く感じることはなかった。

 スピーカーシステムとしての実力、クォリティは、既存のスマートスピーカーとは別物。居心地のいい空間で、長時間、良質な音楽に触れていたいという方におすすめしたい。

 

>本記事の掲載は『HiVi 2026年冬号』

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