高音質をアピールするメディアやフォーマットが新たに登場すると、どんな音が聴けるのかと期待が高まる。Qobuzも同じで、ハイレゾ&ロスレス配信の音がどこまで到達したのか、本誌読者も興味津々だと思う。

 ストリーミングやサブスクという呼び方からカジュアルな印象を受けるかもしれないが、Qobuzはオーディオマニアも注目するほど音の良さに定評がある。とはいえその音はハイエンドオーディオの領域でも通用するのか、実際に検証してみようというのが今回の試聴の狙いだ。

 国内有数のハイエンドオーディオ・ブランドであるTADに焦点を合わせ、TAD-DA1000TXとTAD-A1000のペアでBowers & Wilkinsの802 D4を鳴らして、音を確認する。TADの製品群は音質最優先のリファレンスシリーズと革新的技術で最先端を目指すエヴォリューションシリーズで構成されるのだが、今回の2機種はいずれも後者の基幹モデルだ。ラインナップにはまだ上があるとはいえ、2機種とも国内メーカーとしてはトップレンジに位置付けられる。

 TAD-A1000はセパレートアンプで頂点の音を目指してきたTADが初めて手がけたインテグレーテッドアンプだけに、注目度は極めて高い。増幅回路は同シリーズの歴代モデルでTADが熟成させてきたクラスDアンプを継承し、250W×2(4Ω)の余裕ある出力を実現。コンデンサーや抵抗まで部品単位で音質を吟味し尽くす手法と、ごくわずかなノイズや歪みの存在をも許さない姿勢は、もはや匠の領域に到達した感がある。TAD-DA1000TXは純度を極限まで追求したマスタークロックを内蔵し、音質最優先の視点で独自に開発したUSBエンジンを投入。アナログオーディオ回路と電源へのこだわりも普及機とは一線を画す。

画像1: 「TAD-DA1000TX/TAD-A1000」驚異の体験。ここまでリアルで説得力のある音がQobuzのストリーミング再生で聴けるとは!【注目モデルで聴くQobuz】

D/A Converter
TAD-DA1000TX
¥1,760,000(シルバー)税込

●型式:D/Aコンバーター
●接続端子:デジタル音声入力5系統(同軸×2、光、AES/EBU、USB Type B)、アナログ音声出力2系統(RCA、XLR)、デジタル音声出力2系統(RCA、XLR)
●寸法/質量:W440×H150×D406mm/16.5kg
●カラリング:シルバー(写真、価格)、ブラック(¥1,815,000税込)

 

Integrated Amplifier
TAD-A1000
¥3,080,000(シルバー)税込

●型式:インテグレーテッドアンプ
●接続端子:アナログ音声入力6系統(RCA×2、XLR×4)
●定格出力:250W×2(4Ω、1kHz)
●寸法/質量:W440×H200×D553mm/29kg
●カラリング:シルバー(写真、価格)、ブラック(¥3,135,000税込)

問合せ先:パイオニアカスタマーサポートセンター(TAD相談窓口) TEL. 0120-995-823

 

画像2: 「TAD-DA1000TX/TAD-A1000」驚異の体験。ここまでリアルで説得力のある音がQobuzのストリーミング再生で聴けるとは!【注目モデルで聴くQobuz】

 

「普通の良い音」のレベルを超え別次元のクォリティに衝撃を受けた!

 Qobuzの音源をデラのミュージックサーバーN1A/3とLinnアプリの組合せで再生し、USB出力でTAD-DA1000TXに送り出すというのが今回の信号の流れだ。シンプルなだけに純度の高さが期待できる。

 「普通に良い音」の領域を遥かに越え、別次元というべきクォリティ感に衝撃を受ける。モーツァルト「キラキラ星変奏曲」を無伴奏で歌い始めるドゥヴィエル、3本のギターとベースをバックに歌うセリア。どちらもヴォーカルの立体感とリアリティが抜きん出ていて、歌い手の息遣いと体温が間近に伝わってくるようだ。声のイメージに3次元の広がりが感じられ、発音は正確で付帯音は一切なし。ドゥヴィエルが歌うモーツァルトのレガートのなめらかさ、余韻の柔らかい感触は絶品だし、途中から加わる伴奏のフォルテピアノは楽器の大きさや形が目に浮かぶようだ。

 リッキー・リー・ジョーンズ「トラブルマン」ではヴォーカルの立体感に加えて、ぶれのない強靭なベースと弦の張力の強さを伝えるアコースティックギターのフレッシュな音に魅了された。良い意味でアナログレコードを聴いているような鮮度の高さがあり、パーカッションも含めて、アタックがなまる気配が微塵もない。

 ポール・マッカートニー「ハッピー・ウィズ・ユー」もギターが刻むリズムの歯切れ良さと粒立ち感が聴きどころだが、この曲ではキックドラムの深いインパクトに感心させられた。ベースも他の楽器以上に大きめの音量で演奏しているのだが、トランジェントの良い低音なのでリズムが緩まず、ヴォーカルやギターの実在感にはなんら影響を与えない。駆動力にはまだまだ余裕があり、この802 D4の鳴りっぷりの良さはTADのセパレートアンプに肉薄する。

 少し前まではストリーミングからここまで鮮烈な音を引き出すのは無理だと思っていたが、その考えはあらためなければならない。再生システムを吟味すれば、ここまでリアルで説得力のあるサウンドが手に入るのだ。D/Aコンバーターとプリメインアンプは再生音の質感や力感を左右する重要なコンポーネントであり、そこにTADの真価を聴き取ることができたように思う。妥協を排した真摯な開発姿勢が確実な成果を生んでいる。

 

画像3: 「TAD-DA1000TX/TAD-A1000」驚異の体験。ここまでリアルで説得力のある音がQobuzのストリーミング再生で聴けるとは!【注目モデルで聴くQobuz】

入力端子は、左右に分割して配置しており、内部の徹底した対称性が感じられる。スピーカー端子は、非常に大きく信頼性抜群のパーツを採用している

 

画像4: 「TAD-DA1000TX/TAD-A1000」驚異の体験。ここまでリアルで説得力のある音がQobuzのストリーミング再生で聴けるとは!【注目モデルで聴くQobuz】

徹底的な左右対称性の追求、強力な電源回路、電流帰還型フラットアンプに用いた高純度プリアンプ回路など、TADらしいこだわりに満ちた内容を一体型アンプ筐体に統合した

 

 
 

画像5: 「TAD-DA1000TX/TAD-A1000」驚異の体験。ここまでリアルで説得力のある音がQobuzのストリーミング再生で聴けるとは!【注目モデルで聴くQobuz】

再生楽曲はこちら>

https://open.qobuz.com/playlist/37885394

 

>本記事の掲載は『Qobuzのすべて』

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