クリエイティブメディアから、サウンドバーのスタンダードラインとなるCreative Stageシリーズの新製品「Creative Stage Pro」が7月下旬に発売される。コンパクトなサイズながらも別体サブウーファーがセットになった2.1ch仕様の製品で、個室でのデスクトップ環境やリビングのテレビ用スピーカーなど、さまざまな使い方ができる逸品だ。新製品では、サイズ感はそのままにさらに音質を追求。薄型テレビと接続して連携操作も可能なHDMI(ARC)対応、より豊かなサラウンドを楽しめる「SUPER WIDE」を搭載して、さらに幅広く楽しめるようになった。そんな「Creative Stage Pro」を実際に自宅の試聴室で使用して、その実力を確かめてみた。
ウーファーを含めても、驚くほどコンパクトなボディ。薄型テレビとデスクトップPC、どちらで使いたい人にもぴったり
「Creative Stage Pro」を実際に試聴室にセッティングしてみると、そのコンパクトさに改めて感心する。試聴に組み合わせた55V型の有機ELテレビ「55X9900L」の手前に置いてみると、画面の横幅の1/3くらいの横幅(55cm)で、画面の中央にちょこんと収まるイメージだ。これならば、デスクトップPC環境でもスムーズに置けるだろう。リビングだけでなく、プライベートルームでゲームや映画のサウンドを楽しむのにもぴったりだ。
サウンドバー
クリエイティブメディア
「Creative Stage Pro」
オープン価格(直販サイト価格¥19,800 税込)
※直販サイトでは、8月8日まで発売記念セールで20%オフの¥15,840 税込となる)
2025年7月30日発売

▲スリムなサブウーファーがセットになった2.1ch仕様のサウンドバー
Creative Stage Proの主な仕様
●スピーカー構成:2.1チャンネル
●スピーカー出力:総合80W(20W×2+40W×1)/ピーク出力160W
●周波数特性:50Hz~20kHz
●SN比:85dB
●接続端子:HDMI ARC入力、光デジタル入力(角型)、USB Type-C入力(USBオーディオ対応)、ライン入力(3.5mm)、専用サブウーファー出力、DC入力(24V/2A)
●対応オーディオ フォーマット:【HDMI出力(ARC)】Dolby Digital、Liner PCM/【光デジタル入力】Dolby Digital、Liner PCM
●Bluetoothバージョン:Bluetooth 5.3
●対応プロファイル:A2DP、AVRCP
●対応コーデック:SBC
●電源:AC100~240V/50-60Hz 1A
●寸法:【サウンドバー】550×80.7×112.1mm/【サブウーファー】115×420×265mm
●質量:【サウンドバー】約1.33kg/【サブウーファー】約3.4kg
●付属品:専用サブウーファー(約2m 専用オーディオ ケーブル付)、リモートコントロール(別途単4乾電池×2本必要)、USB
A-Cケーブル(約1.5m)、電源アダプター(約1.5mケーブル、各国対応プラグ付属)、クイックススタートガイド/ハードウェア保証書

そして、セットとなる別体サブウーファーもコンパクト。横幅11.5cm・高さ42cm・奥行26.5cmのスリムな形状で、デスクトップPC/ノートPCと組み合わせる場合でも、テーブルの下に置いても邪魔にならないし、テレビ用AVラックに横置きすればぴったりと収まってしまう。
最近は薄型テレビの人気のサイズは65インチで、70インチ以上の大画面の需要も伸びている。そのため、薄型テレビと組み合わせるサウンドバーも横幅が1m前後のサイズになるなど、大型化する傾向にある。だが、そうなると個室などで使うにはちょっと大きいし、20~30インチが主体のPC用モニター環境では大きすぎる。特にゲーミングPCなどではお手軽なはずのサウンドバーが使いにくくなってしまっているのだ。
もともとPC環境向けに誕生したStageシリーズのコンパクトなサイズは、シリーズ共通。デスクトップで使えるコンパクトなサウンドバーを探している人にぴったりなのだ。もちろん、個室で使っている50インチ未満の薄型テレビなどと組み合わせるにもちょうどいい。特に「Creative Stage Pro」はHDMI(ARC)対応となっているので、薄型テレビと組み合わせれば、テレビのリモコンで音量調整などが行なえるなど連携操作も簡単。テレビの音を高音質化できるだけでなく、薄型テレビで見られる映像配信サービスの音声も、豊かなサラウンドで楽しめるというわけだ。
独自のサラウンド機能「SUPER WIDE」で、音像定位に優れ包まれるような音場を楽しめる
55インチの有機ELテレビと組み合わせると、コンパクトな「Creative Stage Pro」はちょっと小さく見えるが、音を出してみるとなかなかの迫力。これは別体のサブウーファーがセットになっているからだろう。コンパクトながらも、薄型テレビでは難しい力強い重低音がしっかりと出て、迫力のあるサウンドが楽しめる。
バー本体の横幅は短いが、サラウンドをOFFにしてステレオ再生しても音の広がりは豊かで、55インチテレビと組み合わせても画面サイズに見合った音場感が味わえる。これなら、65インチと組み合わせても不満は少ないだろう。

音場の広がりを拡張する「SUPER WIDE」をONにすると、音場や空間が一気に広がる。前方主体のバーチャルサラウンド再生ではあるが、ステレオ再生では画面の下から音が出ている感じになりがちだが、「SUPER WIDE」ならば、音の定位も画面に一致するように上がるし、左右の音場は部屋全体に広がってくれる。これなら65インチ以上の大画面テレビと組み合わせても満足できる。
そして、「SUPER WIDE」には「FAR(遠距離)」と「NEAR(近距離)」の2種類が選べる。テストでは2m前後の距離で視聴しているため「FAR」を選んでいるが、こちらは広がりが豊かになって、前方からの音に包まれるような感覚になる。逆にぐっと近づいて「NEAR」にすると、サラウンド特有の音像が大きいというか、音がぼやけるような感じがなく、しっかりとした定位を感じさせながらも適度な広がり感が得られる。これは、ある程度の広さのリビング環境か、デスクトップPC環境や個室で使うときに使い分けるといいだろう。

サラウンドモードは4つ。Sound Blasterのオーディオ処理技術を受け継いだもので、MOVIE/MUSIC/VOCAL/GAMINGが選択できる。MOVIEは中低域に厚みが増す迫力ある音を出すタイプで、MUSICは低音から高音までフラットなバランスで素直な特性。VOCALはその名の通り声の帯域をしっかりと聴かせるバランス。GAMINGは低音感と高音の方向感が協調されるややドンシャリなバランスだが、それほどクセっぽい強調感はなく、楽しくゲームをプレイできる。
いろいろな番組を見ながら試してみたが、映画はもちろんMOVIE。ニュース番組やバラエティはVOCALだと声が聴きやすいし、音量を小さくしても声が聴き取りやすいので深夜の視聴にも合いそう。音楽番組や音楽再生はMUSICが素直な特性で自然に楽しめる。ある程度の音量を出せる環境ならばMUSICモードのままでたいていの番組を楽しめるはず。低音の迫力が欲しいならばMOVIE、声を聴きたいならばVOCALに切り替えるといい。

基本的な音質は、中音域を主体とした自然なバランスで聴きやすいもの。どこか無理をして低音や高音を出しているような違和感がないのがいい。高音ばかりが耳につくにぎやかな音でもないし、低音もサイズ的にも階下や周囲に迷惑をかけるような暴力的な低音が出るわけでもないので、うまいバランスに仕立てられていると感じた。より本格的な大型のサウンドバーならばもっと低音が出るものもあるが、周囲に迷惑となってサブウーファーを使わないなんてこともある。そのあたりも含めてなかなか使いやすいバランスになっていると感じた。最近はサブウーファーレスの1本仕様のサウンドバーも多いが、「Creative Stage Pro」を聴くと、サブウーファーのありがたみを存分に感じられるだろう。
ちなみに、TREBLE(高音)とBASS(低音)の音量は独立して調整することができるので、あまり音量は出せないが、映画の迫力などが欲しい場合はTREBLE「+2」、BASS「+5」くらいにすると、迫力や映画らしいスケール感が出る。

個室からリビングまで、幅広く使える活用範囲の広さが大きな魅力
個室で使えるコンパクトなサウンドバーは案外少なくなっており、「Creative Stage Pro」の価値は大きい。人気のサウンドバーが大きすぎると感じる人には魅力的なサイズ感だと思う。肝心の音質も基本に忠実というか、聴きやすさと分かりやすい迫力のバランスがうまくできていて、迫力だけの不自然な音になっていないのも好ましい。個室で使えるコンパクトなモデルを探している人にはぴったりだし、リビングでテレビの音をより迫力あるサラウンドで楽しみたいという人にもマッチするはず。テレビの買い換えもいいが、音環境を強化することで映画や音楽、ゲームの迫力はさらに高まるはず。ぜひとも検討してみてほしい。


