サウンドバーでQobuzリスニング。小型&手頃価格ながらバランスの良さが◎

 手軽にテレビの音をグレードアップできるサウンドバーが大人気だ。昨今ではスマホなどとBluetooth接続し、定額制ストリーミングサービスを鳴らす、といったテレビのサウンドシステム以外での使い方も広がり、サウンドバーを用いた音楽リスニングへの関心も高まっている。

 JBLのサウンドバーはここ数年非常に人気が高い。ここではワンバータイプの「BAR 300」を使い、日本で正式スタートした、ハイレゾ&ロスレス対応ストリーミングサービスのQobuzと組み合わせて、音質と機能をチェックした。

 

画像1: 『JBL BAR 300』注目モデルで聴くQobuz《サウンドバー編》

Soundbar
JBL
BAR 300
オープン価格(実勢価格4万9,500円前後)

●型式:ワンバータイプサウンドバー
●使用ユニット:20mmドーム型トゥイーター×2、46×90mmコーン型ウーファー×4
●アンプ出力:260W(総合)
●接続端子:HDMI入力1系統、HDMI出力1系統(eARC対応)、デジタル音声入力1系統(光)
●主な対応ストリーミングサービス:Qobuz、Amazon Music、Deezer、Spotify、TIDALほか
●対応アプリ:JBL ONEアプリ
●備考:AirPlay対応、Google Chromecast対応、Bluetooth、Wi-Fi対応
●寸法/質量:W820×H56×D104mm/2.5kg

●問合せ先:ハーマンインターナショナル(株)TEL. 0570(550)465

 

画像2: 『JBL BAR 300』注目モデルで聴くQobuz《サウンドバー編》

 

躍進するJBLのサウンドバー群。音楽ストリーミング機能も充実

 BAR 300は、同社が展開するサウンドバー全5モデルの中で最もエントリー向けのモデル。5chサラウンドの処理能力とドルビーアトモスのデコード機能を備えている。JBLの他のサウンドバーと同じく、音楽ストリーミングサービスとの優れた連携機能も特徴である。

 筐体サイズは横幅82cm、全高が10.4cmとコンパクトに抑えられ、テレビの下部に被らず設置することに配慮されている。

 スピーカーおよびアンプの構成は、フロント部に左右そして中央のユニットが合計4基備わり、それぞれのユニットが50Wのアンプで駆動される。それに加えて左右側面にはサラウンド用スピーカーを斜め上向きに搭載、各30Wのアンプで駆動する。このように小サイズのエントリーグレードのサウンドバーであるにも関わらず、6スピーカー6アンプ構成を採用している点は魅力だ。

 iOSやAndroidデバイスにインストール可能な操作アプリ「JBL ONE」が用意され、Qobuzをはじめとする音楽ストリーミングサービスの操作を本アプリ内で可能としていることは特筆できる。JBL ONEでのQobuz再生は、スマホでQobuzを再生してそれをBluetooth接続する伝送(この場合は、情報損失があるロッシー品質となる)ではなく、サウンドバー自身でQobuzにアクセスする接続となるため、音質面でも有利だ。

 

純正の無料操作/設定アプリ「JBL ONE」は非常に多機能かつスムーズで使い勝手に優れている。Qobuzの再生機能が統合され、直感的なコントロールができる

 

JBL ONEは、音楽ストリーミングサービスのコントールが可能。QobuzのほかにAmazon Music、TIDALなどに対応する。SpotifyにもSpotify Connect機能を実装し、再生可能だ

 

JBL ONEを介してAmazon Musicのドルビーアトモス形式のエド・シーランのライヴを再生しているところ。映画やドラマなどのドルビーアトモス音源以外の、音楽コンテンツが簡単にアトモス再生できる

 

 

音楽的で楽しい音を描き出す。さすがJBLの「スピーカー」だ

 サウンドバーであっても、音楽リスニングに求める音の要素は、ステレオオーディオのシステムと変わらない。まずは音を極端に脚色しないナチュラルな帯域バランス、ヴォーカルや楽器の質感表現、高音域から低音域にかけての周波数レンジの広さなどチェックポイントは多い。安価なワンボディタイプのサウンドバーBAR 300の音はどこまで迫れるだろうか?

 まずiPhoneに操作アプリ「JBL ONE」をインストール、音場補正の設定を行なう。アプリもしくは付属リモコンの「CALIBR」ボタンを押し音場補正を開始すると、サウンドバー本体に「CALIBRATION」と表示され、テストトーンが流れる。補正後は、低音域を中心に帯域バランスが整い、高音域から中音域にかけてのディテイルがシャープになる。

 アプリでQobuzを選択、ログイン後、レディー・ガガ&ブルーノ・マーズ「Die With A Smile」を再生した。アキュレイトな帯域バランスを基軸としつつ、躍動感が適度に付加される「音楽的に楽しい音」というのが第一印象。センター定位するレディー・ガガとブルーノ・マーズのヴォーカルは前へしっかりと飛び出す。

 ロマン・シモビッチの「ローザ:ヴァイオリン協奏曲」を聞いたが、音場に適度な広さがあり、迫力のある低音表現も加わり壮大さも併せ持つ。音楽性とオーディオ的な表現力をバランスよく備えているところは、さすがにJBL、老舗オーディオブランドの「スピーカー」だ。音質の追い込みのコツとしては、リモコンで低音音量を適宜調整して、帯域バランスを整えると良いだろう。

 BAR 300は左右のサラウンド用スピーカーから出た音を壁に反射させサラウンド効果を高める「ビームフォーミングスピーカー」機能や、HRTF(頭部伝達関数)を用いた音響処理により、垂直方向の空間表現を高める「ドルビーアトモスバーチャライザー」を搭載している。

 JBL ONEアプリでは、Amazon Musicでドルビーアトモスフォーマットで配信されている空間オーディオが再生できる。ポップスやクラシックの様々な楽曲を再生したが、全方位的な包まれ感が感じ取れた。

 今回はオーディオソース中心にチェックしたが、価格を超えたバランスの良い音質であり、低音域の量感もしっかり表現する点も好印象だ。映画など映像コンテンツの再生も満足度が高く、総合的にコストパフォーマンスの高い、優秀な小型サウンドバーだと判断したい。

 

 

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>本記事の掲載は『HiVi 2025年春号』

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