まるで劇画のような映画、といっていいだろう。血がドバドバ溢れて、武器からタマが出まくって、超人的なアクションが炸裂したりするのが大好きなひとであれば、脳内でドーパミンが炸裂するに違いない。しかも役者の体が鍛え抜かれているから、動きのひとつひとつが引き締まっている。個人的に、内容のエンターテインメント性をさらに高めているように感じられたのは、いざというときに挿入されるマカロニ・ウェスタン的な音楽の数々。1940年代の物語設定ではあるものの、だからといって画像をセピア色にするなどの趣向はなく、シャープな色合いとカット、迫力たっぷりの音質、圧倒的なスピード感の三拍子で物語が進行していく。
モチーフとなっているのは、第二次世界大戦中にイギリスのチャーチル首相のもとで秘密裏に動いていたという特殊作戦執行部(SOE)に関する物語。「非紳士的な戦争省」と呼ばれていたというのも納得の、常に血と爆裂に飢えているかのようなパワフルな面々であるが、当然ながら頭の方も冴えており、いざという時は実にクールに、戦いと対峙する。たっぷり訓練を受けて「特殊部隊」に選ばれた、アクの強い男たちの動きは多彩、そしてスリリングだ。

主人公のガス(漁師に扮して現地に向かう)は、『007』ジェームズ・ボンドのモデルでもあるというのだから、ますます興味深いし、当時のドイツ、ポーランド、フランス、スイスとの関係を頭に入れてから劇場に向かうのも、また一興だろう。監督はガイ・リッチー、出演者はガス役がヘンリー・カヴィル、ほかエイザ・ゴンザレス、アラン・リッチソン、ヘンリー・ゴールディングなど。
映画『アンジェントルメン』
2025年4月4日より全国ロードショー
監督:ガイ・リッチー
製作:ジェリー・ブラッカイマー
脚本:ポール・タマシー&エリック・ジョンソン&アラッシュ・アメル&ガイ・リッチー
原作:ダミアン・ルイス著 “Churchill’s Secret Warriors: The Explosive True Story of the Special Forces Desperadoes of WWII”
出演:
ヘンリー・カヴィル、エイザ・ゴンザレス、アラン・リッチソン、アレックス・ペティファー、ヒーロー・ファインズ・ティフィン、バブス・オルサンモクン、エンリケ・ザガ、ティル・シュヴァイガー、ヘンリー・ゴールディング、ケイリー・エルウィズ
2024/アメリカ・イギリス/英語/120分/シネスコ/カラー/5.1ch/G/原題:THE MINISTRY OF UNGENTLEMANLY WARFARE/日本語字幕:牧野琴子/配給:KADOKAWA
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