鬼気迫る一作だ。ほんのはずみで「名義貸し」をすると、どういうことになるか……。その恐ろしさが描かれる。と書いても、いまひとつどこか遠い世界の話のように思える方もいらっしゃるかもしれないが、「連帯保証人」や「代理人」という言葉をそこに持ってくれば、我々もこの作品の主人公のような境遇になる可能性があるのだ、ということをも伝える韓国映画だ。

 主人公のイ・マンジェは、「雇われ社長」。名義を貸しているだけで、実際の業務には関わることはない。そんな彼に「1000億ウォン横領」の嫌疑がかかり、収監されてしまう。が、この刑務所が「中国」にある「私設刑務所」であることが話を一筋縄ではいかなくする。もちろん彼には身に覚えがないことだが、つまり「イ・マンジェがいると都合が悪い」奴がいるわけだ。そして、彼はいつしか「2019年に死んだ人」認定されてしまう。

画像: 復讐のために男が「生き返った」。チョ・ジヌン主演のクライム・サスペンス『DEADMAN 消された男』

 後半は「実は生きている」イ・マンジェのさまざまな感情が渦を巻く。世の不条理に対する恨み、人権の奪還への動きなどなど。まつりごとのダークネスに加え、準主役といえるシム女史やコン・ヒジュのキャラクターも実に生き生きと描かれているし、マンジェを演じるチョ・ジヌンのアクションも冴えわたる。監督はハ・ジュンウォン、シム女史役にキム・ヒエ、コン・ヒジュ役にイ・スギョン。

映画『DEADMAN 消された男』

10月18日(金) シネマート新宿 ほか 順次公開

監督・脚本:ハ・ジュンウォン
出演:チョ・ジヌン、キム・ヒエ、イ・スギョン、チェ・スヨン
2024年|韓国|韓国語|108分|カラー|シネマスコープ|5.1ch|英題:DEAD MAN|字幕翻訳:本田恵子
配給:クロックワークス
(C)2024 CONTENT WAVVE CORP. & PALETTE PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

https://klockworx.com/movies/deadman/

This article is a sponsored article by
''.