江口のりこ、内田慈、古川琴音を三姉妹にキャスティングするという発想に唸り、どこがどうなっていくのか先の読めない展開にハラハラさせられ、物語の“白一点”とばかりに強い存在感を放つ三女の恋人に「この男はなんなんだ?」と疑問が湧いてきて……。予想を超えたアクション・シーン(といっていいだろう)も含みながら、なぜか、観終わったあとはほんわかした気分にも包まれてしまうという、なんともユニークな作品だ。

 原作は、ペヤンヌマキが2015年に発表した同名の舞台であるという。それを橋口亮輔監督(キネマ旬報ベスト・テン日本映画第1位など数多くの栄誉に輝く『恋人たち』から、9年ぶりの長編作品)が脚色した。長女は杓子定規なマインドを持っていてでとにかく固い。歌がうまく目鼻立ちのはっきりしている次女は、優等生の長女にコンプレックスを持っている。年の離れた三女は姉たちをクールに見ている。が、全員に共通していることは「母親みたいな人生は送りたくない」ということ。とはいえ、三姉妹は誕生日を祝うべく母親を温泉旅行に連れてきたわけだし、三女に至っては、そこに「婚約者の紹介」というサプライズも追加するつもりなのだから、心の底では母のことが好きで感謝しているのだ、と、ごく自然に私は解釈した。

 映像をご覧の通り、三姉妹はとくに目に見えて似ているところはない。が、声が大きく、滑舌がいい。会話(というか言葉のぶつかり合い)が熱を帯びていくシーンに、その美点がとてもよく発揮されていた。九州弁も大きなききどころだ。

映画『お母さんが一緒』

7月12日(金) 新宿ピカデリーほか全国公開

原作・脚本:ペヤンヌマキ
監督・脚色:橋口亮輔(『ぐるりのこと。』『恋人たち』)
出演:江口のりこ 内田慈 古川琴音 青山フォール勝ち(ネルソンズ)
配給:クロックワークス
製作:松竹ブロードキャスティング
上映時間:106分 映倫区分:G
(C)2024松竹ブロードキャスティング

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