デノンは、プレミアムコンパクトストリーミングアンプの「DENON HOME AMP」(¥121,000、税込)を7月19日(水)に発売する。ハーフサイズ(横幅217mm)の本体にプリメインアンプ機能を内蔵、さらにHEOSによるストリーミング&ハイレゾ音源再生機能、eARC対応HDMI入力も搭載するなど、様々なソースを楽しめるハイスペックモデルとなっている。

画像1: 「DENON HOME AMP」は、要注目のプレミアムコンパクトストリーミングアンプだ! 大型スピーカーとの組み合わせでも、くったくのないハイファイサウンドを奏でてみせる

 同社ではハーフサイズのコンパクトオーディオ機器として、「Point Compo 7.5」シリーズ(1991年)や「PRESTA 201」シリーズ(2001年)、「CX3」シリーズ(2006年)などをラインナップしてきた。2019年発売のデザインシリーズ「PMA-150H」もそのひとつだ。

 それらのモデルは、Point Compo 7.5がCDやカセットテープ、PRESTA 201ではMDやチューナー、CX3シリーズはSACD/CDといった具合に、各時代で人気を集めていた音源をメインに据えた物作りが行われている。PMA-150HではUSB DAC機能を搭載し、ハイレゾソースの再生にも対応していることからもその姿勢がうかがえる(しかもアンプはクラスDフルデジタル)。

 今回のDENON HOME AMPは、リビングで最新の音楽ソースを、しかもデノンのハイファイクォリティで楽しめる製品として企画されているわけだ。ハーフサイズで、TVの前や横にも置きやすいサイズにまとめられているのもそういった思いの現れなのだろう。

画像: 本体下側がゆるやかにラウンドしたデザインを採用。フロントパネルの数字やマークはプリントされている

本体下側がゆるやかにラウンドしたデザインを採用。フロントパネルの数字やマークはプリントされている

 デザイン面の特長は、本体にディスプレイやボリュウムノブがなく、従来のオーディオ機器とは一線を画したシンプルなフォルムにまとめられていることだろう。本体下側はゆるやかにラウンドしているが、これは陶器の茶碗をイメージしているという。天板には放熱にも配慮した小さな穴が開けられているが、この形状は日本庭園の枯山水が元になっている。ちなみにデザイナーはアメリカ人で、海外から見た日本を表現したとのことだ。

 フロントパネルには「1〜3」と書かれたスイッチと再生/ポーズ、音量のプラス/マイナスの6つのタッチコントロール・ボタンが搭載されており、ここから最低限の操作は可能だ。ちなみに「1〜3」のボタンはお気に入りのソースや音量をメモリーできるクイックセレクトボタンで、ここにストリーミングサービスなどを登録しておけば、アプリを立ち上げなくてもワンタッチで再生できるとのことだ。

画像: インナーシャーシは三層構造で、回路からの放熱に配慮して部品を配置している

インナーシャーシは三層構造で、回路からの放熱に配慮して部品を配置している

 その筐体は内部に高剛性・高制震性のインナーシャーシをもち、外装が樹脂製のカバーで覆われている。インナーシャーシは電源+パワーアンプ、HEOS基板、入力基板という三層構造が採用されており、基板間でも放熱に配慮し、相互干渉が一番少なく、温度管理のやりやすいパーツ配置を工夫しているそうだ。

 先述のようにDENON HOME AMPはフルデジタルアンプ(BTL)で、125W×2(4Ω)、100W×2(8Ω)の出力を得ている。この出力を得るために電源部にはアナログレコードプレーヤー「DP-3000NE」用に開発した新型カスタムコンデンサーを採用し、他にも複数箇所にデノンオリジナルのSYコンデンサーがおごられている。これは音決めの際に試聴を行った結果で、DENON HOME AMPの価格を考えると、かなり贅沢な仕様になるとのことだ。

画像2: 「DENON HOME AMP」は、要注目のプレミアムコンパクトストリーミングアンプだ! 大型スピーカーとの組み合わせでも、くったくのないハイファイサウンドを奏でてみせる

 接続端子はUSB Type-AとLAN、光デジタル入力、アナログ入力(RCA)で、先述のようにeARC対応HDMI端子も備えているので、対応薄型テレビとHDMIケーブル1本でつなぐだけで、ボリュウムや電源連動も可能となる。サブウーファー出力端子も搭載しているので、2.1chシステムも構築可能だ。

 ハイレゾ対応信号は最大192kHz/24ビットのリニアPCM(WAV/FLAC/Apple Lossless)とDSD5.6MHzで、回路としてはHEOSの最新世代が採用されている。ストリーミングサービスはAmazon Music HD、Spotify、AWA、TUNEINなどが使用可能だ。他にBluetoothやAirPlay2経由での音楽再生にも対応する。

 ちなみにDENON HOME AMPにはリモコンは付属しておらず、操作にはHEOSアプリを使うか、先述した本体フロントパネル、またはHDMI接続した機器からのCECコントロールで行うことになる。この点も従来のオーディオ機器とは大きく異なっている。

画像: デノンのハイファイ機器用に開発したカスタムパーツも多く用いられている

デノンのハイファイ機器用に開発したカスタムパーツも多く用いられている

 内覧会で、DENON HOME AMPとB&W「801 D4」の組み合わせでパフォーマンスを体験させてもらった。

 まずDCD-SX1 LIMITEDと光デジタル接続してCDの音を聴かせてもらうと、ジャズ/フュージョンアルバムでは音場の広がりがよく、ドラムでのキレのよさが伝わってくる。アタックはやや軽めだが、そのぶん小気味よく響く。同じくCDでピアノソナタを再生してもらうと、指運びまでわかるほど明瞭で、クリアーな音が再現されている。

 続いてミュージックサーバー(NAS)から女性ヴォーカルを再生してもらうと、ストレートで心地いい声が聴こえてきた。S/Nのいいナチュラルなサウンドで、情報を前面に押し出すわけではないが、安心して楽しめる。同じくLAN接続でのクラシック・ハイレゾ音源では、ステージの奥行感が再現され、ホールの響きや残響までよくわかる。

 ストリーミングサービスのAmazon Musicからエレクトロニック音源を聴かせてもらうと、音の立ち上がりが明瞭で、横方向への広がりも豊かだ。男性ヴォーカルのライブでも、声の力強さ、ドラムの低域感、拍手の描きわけまでまとまりよく再現されている。

画像: B&Wのフロアー型スピーカー「801 D4」と組み合わせたデモも実施

B&Wのフロアー型スピーカー「801 D4」と組み合わせたデモも実施

 価格バランス的にはかなり無茶とも思える組み合わせだが、DENON HOME AMPはくったくのない、素直な音楽を奏でている。801 D4より小型サイズのスピーカーとの組み合わせなら、さらに闊達で気持ちいいサウンドが楽しめるだろう。

 最後に、読者諸氏の中には、今回のDENON HOME AMPと、先に発売された同じディーアンドエムホールディングスのブランドであるマランツ「MODEL1」(¥154,000、税込)との違いはどこにあるのか、気になっている方もいらっしゃるだろう。

 担当者氏によると、製品としてDENON HOME AMPとMODEL1とは同じ方向性で、使っているデジタルアンプなどのパーツも共通だという。しかしそれぞれのブランドの個性も重要ということから、音決めを行うサウンドマスターは別々の人が担当しているし、なんとお互いに相手側の製品の音は聴いていないという。さらに製造を行う工場も分けているほとのこだわりというから、製品の購入を考えている方は、どちらの音が好みかをしっかり確認してみてはいかがだろう。

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