本誌は、2008年に発刊した『往年の真空管アンプ大研究』の復刻版です。
本誌で採り上げている真空管アンプは、LPレコード登場前夜~真空管アンプ全盛時代、つまり1930~60年代に登場し、当時のオーディオファイルの胸をこの上なく熱くするとともに、常に憧れの存在であり続けた往年の真空管アンプ(もちろん、現在においても根強い人気を誇る、「オーディオ界の世界遺産」とでもいうべき存在)――たとえばマランツ Model 7+Model 9、マッキントッシュ C22+MC275をはじめ、QUAD 22+QUAD Ⅱ等々です。これらを、できるだけ詳細に、かつ魅力的に紹介したいと考えました。
つまり、単なる製品紹介にとどまらず、たとえば各モデルの開発の背景・経緯をはじめ、各モデルの技術的・機能的な特徴について、回路図や豊富な写真・説明図を用いてわかりやすく詳解します。もちろん、ステレオサウンドならではの魅力的な写真をふんだんに掲載し、視覚的にも往年のアンプの魅力や素晴らしさを訴求しています。
したがって本誌は、オーディオ史に輝かしい足跡を印した往年の真空管アンプのバイブルとして、ベテランのオーディオファイルはもちろん、ヴィンテージオーディオショップにとっても、必要不可欠な「座右の書」となるはずです。
別冊ステレオサウンド
『往年の真空管アンプ大研究・復刻版』
B5判・298ページ
定価:2,860円(本体価格2,600円)
発売日:2024年5月30日
雑誌コード:67970-45
JAN:9784880735184
▼Vintage Vacuum Tube Amplifiers
(P.4)Marantz Model 1 "Audio Consolette" Monophonic Preamplifier+Model 6 Stereo Adapter, Type 4 Power Supply
(P.5)Marantz Model 2 Monophonic Power Amplifier
▼Marantz Model 2 Monaural Power Amplifier
シドニー・スミス氏設計によるマランツ社初のパワーアンプ.独自のVDFC機構など豊富な調整機構を装備。
▼McIntosh MC240 Stereo Power Amplifier
マッキントッシュ社真空管アンプのデザイン/名声を確立したMC30の6年後の1960年に発売されたMC240。それだけに回路の細部もブラシュアップされ、本格的なステレオ再生時代に対応する名器だ。
▼英国QUADのコントロールユニット、QCⅡ、QUAD22
英国QUADのコントロールユニット、QCⅡ、QUAD22の回路構成の変遷や、小さなスペースに巧みに収納する内部構造の妙。
▼マッキントッシュC22の回路構成と内部構造
わが国のオーディオファイルに根強い人気を誇るマッキントッシュC22の魅力の源泉に迫る。
▼ CONTENTS
【目次】
■“巻頭カラー” Vintage Vacuum Tube Amplifiers“いい音”が聴こえてきそうな往年の真空管アンプ「傑作選」
■管球アンプ変遷史
リポート=石井伸一郎/井上卓也/上杉佳郎
(『管球王国』誌vol.8-17より抜粋・改訂版)
●戦前・戦後のオーディオ事情と、往年の管球アンプ/回路の変遷
●新発見! リーク「ポイントワン」アンプの歴史的価値
●ウィリアムソン・アンプ回路
●オルソン・アンプ回路
●ロフティン・ホワイト・アンプ回路
●アルテック・アンプ回路
●往年のマランツ管球アンプ・シリーズ――Audio Consolette/Model 1、Model 2、Model 3、Type 4、Model 5、Model 7、Model 8/8B、Model 9
●往年のマッキントッシュ管球アンプ・シリーズ――Unity Coupled Circuit、15W-1/50W-1/20W-2、A116、MC30/30A、MC60、C108、C4/C4P、C8/C8P/C8S、MC225、MC240/40、MC275/75、MC3500、C20、C11、C22
■70周年を迎えたQUAD社製アンプの魅力・徹底解剖
・新旧QUAD II+22アンプの音質比較
リポート=石井伸一郎/是枝重治/篠田寛一
・QUAD II+22の回路の先見性・機構設計をつぶさに解析する
リポート=石井伸一郎/上杉佳郎/是枝重治
●「オーディオの名器にみるクラフツマンシップの粋」
QUAD 22+QUAD II
鼎談=井上卓也/長島達夫/山中敬三
●QUAD Story
リポート=山中敬三
■マッキントッシュ歴代管球アンプ聴き比べ
テスター= 新 忠篤/石井伸一郎/篠田寛一
■マランツ歴代管球アンプ聴き比べ
テスター= 新 忠篤/石井伸一郎/篠田寛一