KEFジャパンは、先週末の1月19日に発表したワイヤレススピーカーの新製品「LSX II LT」(¥137,500、ペア、税込)の試聴会を、昨年末にオープンした東京・青山のKEF Music Gallery Tokyo開催した。Music GalleryTokyoで製品発表会が行われるのはこれが初めてとなる。

画像: KEFワイヤレススピーカーの末弟「LSX II LT」は、元気いっぱいの弾むようなサウンドを聴かせる。コストパフォーマンス抜群の注目機は、一度体験すると欲しくなるかも

 冒頭、KEFジャパン代表取締役社長 兼KEFグローバルマーケティング責任者のグレース・ローさんが登壇し、同社がワイヤレススピーカーのラインナップを充実させていることについて説明してくれた。

 グレースさんによると、KEFは「原音再生」を重視し、これまでも様々な技術革新を経てユーザーエクスペリエンスを提供してきた。その中で「Meta」や「Uni-Core」などの新しい技術も発表してきている。近年ワイヤレススピーカーに注力しているのは、より幅広い人たちに手軽にハイフィデリティサウンドを体験してもらいたいという思いがあるという。

 同社がワイヤレススピーカーを発売して10年ほどになるそうだが、その間にストリーミングの進化などもあり、音楽を聴く環境にも大きな変化があった。さらにDSPなどの進化によりスピーカー自体の品質も向上、シンプルなワイヤレスシステムで満足を得られる可能性が高くなっているのは間違いないだろう。

画像: KEFジャパン代表取締役社長 兼KEFグローバルマーケティング責任者のグレース・ローさん

KEFジャパン代表取締役社長 兼KEFグローバルマーケティング責任者のグレース・ローさん

 実際に新製品のLSX II LTは発表以来多くの注目を集めているとかで、発売前にも関わらず初期入荷分はほぼ完売してしまったという。

 そのLSX II LTは、同社のワイヤレススピーカーラインナップの末弟という位置づけで、オーディオ入門層にも手が出しやすい10万円台前半の価格帯を実現するために様々な工夫が施されている。

 LSX II LTの外観は、上位モデルの「LSX II」(¥231,000、ペア、税込)を継承しており、Uni-Qドライバーもまったく同じなので、一見しただけでは違いがわからない。実際両モデルのエンクロージャーは、使われている素材や構造も共通部分が多いという。大きな違いとしてはLSX IIはフロントバッフルと他の部分の仕上げが異なるツートーン仕様だったが、LSX II LTでは全体が同じ仕上げとなっているくらいだ。

画像: 左が電源を内蔵したマスター機で、右がスレーブ機。ふたつの間は附属のUSB Type-Cケーブルで接続する。L/Rのどちらをマスター機にするかは専用アプリで設定できる

左が電源を内蔵したマスター機で、右がスレーブ機。ふたつの間は附属のUSB Type-Cケーブルで接続する。L/Rのどちらをマスター機にするかは専用アプリで設定できる

 回路面での最大の違いは電源ユニットにある。LSX IIでは左右スピーカーそれぞれに電源を内蔵していたが、LSX II LTではマスター機にのみ電源を搭載した。その他のストリーミングの受信や独自のDSP信号処理などを受け持つミュージック・インテグリティ・エンジンやWプラットフォームなどはLSX IIと同一の回路が奢られている。

 マスター機に入力された信号はデコード処理等を経て96kHz/24ビットのリニアPCMでスレーブ機に送られ、スレーブ機に内蔵されたパワーアンプで再生することになる。パワーアンプもLSX IIと同じくトゥイーター用、ウーファー用を別々に搭載したマルチアンプ構成で、どちらもデジタルアンプなのでLSX II LTでは入力から再生までフルデジタルで処理されることになる。

 なおLSX IIはL/Rスピーカー間の信号も無線伝送していたが、LSX II LTでは、マスターとスレーブ間は附属のUSB Type-Cケーブル(3m)で接続し、音声信号と電力を伝送する仕組みになっている。なおこのケーブルはPD3.0に準拠したうえでKEFがカスタマイズしており、市販のUSB Type-Cケーブルは使わないでくださいとのこと。もっと長いケーブルが欲しいという方に向けて2月末にオプションケーブル(¥8,800、税込、8m)が発売される。

画像: 内蔵パワーアンプの構成はマスター、スレーブともまったく同じ。トゥイーター用とウーファー用を各2機搭載するマルチアンプ方式を採用している

内蔵パワーアンプの構成はマスター、スレーブともまったく同じ。トゥイーター用とウーファー用を各2機搭載するマルチアンプ方式を採用している

 接続端子はARC対応HDMI端子とUSB Type-C、光デジタル入力、ネットワーク端子で、3.5mmアナログ入力は省略された。音声フォーマットはDSD、FLAC、WAV、AIFF、ALAC、AAC、WMA、MP3、M4Aなどに対応しており、ネットワーク接続では最大384kHz/24ビットの再生も可能だ。

 なお上記のようにL/R間は96kHz/24ビットでの伝送になるので、最大384kHz/24ビットやDSD信号もすべて96kHz/24ビットに変換して再生されることになる。

 製品説明の後、KEF Music Galleryの3FにあるThe Extreme TheaterでLSX II LTの音を聴かせてもらった。現行モデルのLSX IIとの比較試聴で、どちらも別売の「S1フロアスタンド」に載せている。なおS1フロアスタンドとデスクトップ用の「P1デスクパッド」はLSX IIと共通で使用可能だ。

 まずLSX IIで女性ヴォーカルを再生してもらう。2mほどの試聴距離で、正三角形の頂点に近いポジションに座って聴かせてもらったが、Uni-Qらしい定位のよさと、やさしく、かつ艷やかな声が心地いい。ヴォーカルに続いて響く低音も量感豊かで、115mmのUni-Q一発で再生しているとは思えないほどだ。

画像: 比較試聴の様子。外側の白いスピーカーが「LSX II」で内側が「LSX II LT」。写真の「S1フロアスタント」は共通で使用可能

比較試聴の様子。外側の白いスピーカーが「LSX II」で内側が「LSX II LT」。写真の「S1フロアスタント」は共通で使用可能

 続いてLSX II LTで同じ曲をかけてもらうと、ユニットが同じということもあり、歌のニュアンスや音像感などの基本的な再現性は共通している。ただ、LSX II LTはヴォーカルが若干タイトで、低音もわずかに軽めに聴こえる。LSX IIがゆとりのある大人の音だとすれば、LSX II LTは元気いっぱいで弾むような音という印象だ。

 おそらく、LSX II LTはユニットのエージングが進んでいないので声が硬質な印象に思えたのだろうし、低音の違いは電源に起因するものかもしれない。しかし両機には10万円近い価格差があるわけで、にもかかわらず音がここまで似通っているのは、正直驚いた。

 LSX II LTはKEFのワイヤレススピーカーの中でも抜群のコストパフォーマンスを備えたモデルだ。デスクトップでのパーソナル用途はもちろん、55〜65インチテレビの両脇に置いて、放送の音質改善用としてもぴったりだろう(映画の迫力を求める方や、ライブ作品などをよく見るという人はLSX IIより上のラインナップがお薦め)。

 より手軽に、使いやすいオーディオシステムが欲しいとお考えの方はLXS II LTの音を体験してみて欲しい。実際にMusic Gallery TokyoでLSX II LTを試聴して、そのままオーダーしたという人もいるそうですよ。

画像: LSX IIのために開発された第11世代Uni-Qドライバーを、そのまま継承する

LSX IIのために開発された第11世代Uni-Qドライバーを、そのまま継承する

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