作家ジェイン・ハーパーのベストセラー小説(1997年出版)を原作とした、クライム・サスペンス作品『渇きと偽り』で知られるロバート・コノリー監督が手掛けた一作。この作品を映画化することは、彼の長年の念願だったとのことだ。

 主人公は、海洋生物学者のアビー。環境活動家だった母が脳卒中で倒れたとの知らせを受けて、西オーストラリアの海辺の町にある実家に戻る。母の症状は幸いにも軽かったとはいえ、言葉を発することができなくなっていた。そこから「無言の母」と、「これまでのことに思いをはせるアビー」の日々が始まる。

画像1: 母・娘・漁師・巨大魚のあいだの「信頼」に心を打たれる力作『ブルーバック あの海を見ていた』

 母と共に過ごした時代のこと、環境破壊のこと、そして物語中で重要な役割を果たす青い巨大魚「ブルーバック」ことウェスタン・ブルーグローパー(体長90cm。オーストラリア西~南部に分布)について、などなど。アビー役(大人)にはジム・ジャームッシュやデヴィッド・クローネンバーグの作品にも登場したミア・ワシコウスカが扮し、ほか8歳と15歳の姿をアリエル・ドノヒューとイルサ・フォグが、それぞれ演じている。

 この映画で大きく描かれている、アビーの精神的な成長ぶりにも注目したい。ブルーバックの「なついてくる姿」、母娘と心を通わせる漁師マッカ役を好演する「ミュンヘン」のエリック・バナも味わい深い。

画像2: 母・娘・漁師・巨大魚のあいだの「信頼」に心を打たれる力作『ブルーバック あの海を見ていた』

映画『ブルーバック あの海を見ていた』

12月29日(金)、YEBISU GARDEN CINEMA、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開

監督・脚本:ロバート・コノリー 原作・脚本協力:「ブルーバック」ティム・ウィントン(小竹由美子 訳/さ・え・ら書房刊)
出演:ミア・ワシコウスカ、ラダ・ミッチェル、イルサ・フォグ、アリエル・ドノヒュー、リズ・アレクサンダー、エリック・バナ
2022年/オーストラリア/英語/スコープ/カラー/5.1ch /102分/G
原題:BLUEBACK 日本語字幕:横井和子 後援:オーストラリア大使館 提供:キングレコード 配給:エスパース・サロウ
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