10月28日(土)に、「秋のヘッドホン祭2023」が開催された。中野サンプラザの閉館に伴い、会場を東京ステーションコンファレンスに移しての初めてのイベントとなった。
午前中には、HIFIMAN JAPAN(ハイファイマン ジャパン)による、GoldenWaveのヘッドホンアンプ新製品発表会が開催された。紹介されたのは以下の2モデルで、昨日鳥居一豊さんによる速報をお届けした製品となる。
上記記事で紹介している通り、「SERENADE」はUSB Type-Bや光/同軸デジタル入力を備えたDAC内蔵ヘッドフォンアンプで、LAN端子からNASなどに保存したデータをネットワーク再生したり、ストリーミングコンテンツの試聴も可能。
一番の特長はヒマラヤPRO R2R DACを搭載していることで、ラダースイッチを必要としないため従来のR2R DACと比べても消費電力を大幅に抑えることができているという。USB端子からは最大でリニアPCM 384kHz/32ビットやDSD 256が、LAN端子からは最大768kHzのリニアPCMとDSD 512が再生できる。
さらにFETオペアンプの搭載やディスクリート構成のアナログLPF回路も搭載し、高精度で低ノイズの出力を確保している。ヘッドホンアンプ回路はA級設計で、こちらもディスクリートトランジスターアンプ回路で構成されている。
出力端子はフロントパネルに4ピンのXLRと4.4mmのバランスヘッドホン端子、さらに6.35mmヘッドホン端子を搭載。リアパネルにはXLRとRCAのアナログ音声出力を搭載している。
もうひとつの「PRELUDE」は、アナログ専用フルバランス構成A級増幅ヘッドホンアンプで、フルディスクリート回路を搭載している。入力端子はXLRとRCAのアナログ入力各1系統と、同じくXLR/RCA出力端子を備える。
ヘッドホン端子はXLRバランスと4pin XLR、さらに4.4mmバランス出力という仕様で、アンバランスのヘッドホン端子は搭載しない。
なおRCA入力段には高精度のアンバランス/バランス変換回路が搭載されており、アンバランス信号が入力された場合でも、完全バランス駆動の効果が得られるようになっているそうだ。
SERENADE、PRELUDEともアルミ合金製を用いた堅牢なシャーシもポイントだろう。SERENADEは引き抜き材、PRELUDEは一枚板のアルミから切削加工されており、音響に悪影響を与えるような振動も徹底排除されている。
発表会にはHIFIMAN JYAPAN 代表取締役の徐 家哲さんも登壇し、GoldenWaveについて解説してくれた。
GoldenWaveは2011年に中国で創業したブランドで、中国や東南アジアではヘッドホンアンプやD/Aコンバーターといった製品を10モデル以上ラインナップしてきたそうだ。東南アジアなどの地域ではハイファイマンのヘッドホンとの相性がいいことも知られており、両者製品を組み合わせて使っているファンも多いという。
そういった背景もあり、ハイファイマンがGoldenWaveを吸収合併、今後はハイファイマンのヘッドホンアンプ上級ブランドとして展開していくこといになったそうだ。SERENADE、PRELUDEも「HIFIMAN」と「GoldenWave」のダブルブランドと位置づけられている。
なお発表会ではハイファイマンの新製品として、ワイヤレスイヤホン「SAVNAR WIRELESS LE」と、ストリーミング用デコードアンプ「EF500」も紹介された。
SAVNAR WIRELESS LEは既発売のSAVNAR WIRELESSの弟モデルで、独自のトポロジー振動板を継承。LDACに非対応となり、ワイヤレス充電機能を省略するといった機能の調整でお手軽な価格を実現するという。日本では11月中の発売を予定。
EF500はハイファイマンブランドの縦置型ストリーミング対応DAC内蔵ヘッドホンアンプで、ヒマラヤR2R DACを搭載。フロントパネルには4ピンXLRバランスと6.3mmアンバランスヘッドホン出力が、リアパネルにはUSB Type-B/C、同軸デジタル入力やLAN端子が、出力端子としてはXLR/RCAのアナログ出力が搭載されている。