デノンは、HDMI ARC対応ネットワークステレオレシーバー「DRA-900H」(¥121,000、税込)を10月下旬に発売する。

 昨今は各社からHDMI ARCを搭載した2chアンプが多く発表されている。同社も昨日、ハーフサイズの筐体でHDMI ARCを搭載したネットワークCDレシーバー「RCD-N12」を発表したばかりだ。

画像: デノンが、HDMI ARC対応ネットワークステレオレシーバー「DRA-900H」を10月下旬に発売する。厳選されたパーツを投入し、透明感の高いサウンドを奏でる

 今回のDRA-900HはフルサイズのボディにHDMI ARCに加えて6系統(うち3系統は8K対応)のHDMI入力も装備、テレビの音声からBD/HDDレコーダー、各種ストリーミングサービスまで様々なコンテンツをこれ一台で再生してくれる。なおHDMI ARCでは、最大192kHz/24ビットまでのリニアPCM/2ch信号を入力可能だ。

 デノンによると、近年HDMI出力を持ったソース機器が増えてきていることを受け、同端子を備えたプリメインアンプを求める声も大きくなっているという。DRA-900Hはそんな要望に応えた製品というわけだ。

 HDMI端子から入力されるデジタルオーディオ信号に対しては、ジッターリダクション機能も搭載されている。すべてのHDMI入力ソースに対して作用しD/A変換の精度を向上させるもので、AVアンプの「AVR-X4800H」等と同様の機能だが、本機用の回路が投入されているそうだ。

 ちなみにDRA-900HのHDMI出力端子は、電源供給能力が従来の200mAから300mAに向上されており、電源供給を必要とする長尺のHDMIケーブルを使った場合でも安定した伝送が可能になっている。

画像: 6系統のHDMI入力や、ARC対応のHDMI出力、フォノ入力など豊富な接続端子を備えている。スピーカー端子はA/B2系統を備え、バイワイアリングにも対応する

6系統のHDMI入力や、ARC対応のHDMI出力、フォノ入力など豊富な接続端子を備えている。スピーカー端子はA/B2系統を備え、バイワイアリングにも対応する

 パワーアンプ回路には、個々のパーツの選定および回路設計の自由度が高いディスクリート構成を採用。左右チャンネルを対称に配置し、電源ラインとグラウンドも左右で完全に分離することにより、チャンネルセパレーションと空間表現力を高めた。

 そのパワーアンプ初段にはカレントミラー回路を搭載し、ドライバー段のブートストラップ回路をトランジスター回路とすることにより、高級機に迫るほどの劇的なノイズの低減と歪みの改善を果たしたという。定格出力は、100W×2(8Ω、20Hz.20kHz T.H.D. 0.08%)を誇り、大型のヒートシンクを採用することにより、放熱性を高め、大音量時でも安定したサウンドを実現している。

 入力セレクター、ボリュウム、出力セレクターそれぞれに特化したカスタムデバイスを採用。これらはハイエンドモデルのために半導体メーカーと共同開発した高性能デバイスだ。専用のデバイスを最適な配置で基板上に実装することによって、シンプルかつストレートな信号経路とし、透明感の高いサウンドを実現している。

画像: AVアンプを流用したゆとりのあるシャーシに、2chパワーアンプを搭載。パワーアンプ回路は左右対称レイアウトで構成されている

AVアンプを流用したゆとりのあるシャーシに、2chパワーアンプを搭載。パワーアンプ回路は左右対称レイアウトで構成されている

 またアナログオーディオ回路を、ノイズ源となる電源トランス、電源基板から離れた場所に配置し、グラウンドパターンの最適化および信号ラインの低インピーダンス化を徹底することにより、優れたS/Nを獲得した。

 D/A変換回路は、L/Rそれぞれに2ch、合計4ch のD/Aコンバーターを使ったダブル・ディファレンシャル構成。2段の差動合成によりノイズを低減し、優れたS/Nと透明感の高い空間表現を実現する。

 それらのD/A変換回路やフォノイコライザー回路などには、サウンドマスターが厳選したコンデンサーや抵抗などの高音質パーツを多数投入されている。さらに、シャーシやトップカバーを固定するネジやワッシャーの品種や素材、クッション材についても音質担当エンジニアとサウンドマスターが入念に試作と試聴を重ね、最適なものを選んでいる。

画像: 電源トランスの巻線にはOFCケーブルを使用。これはAVアンプのトップモデル「AVC-A1H」と同じ仕様という

電源トランスの巻線にはOFCケーブルを使用。これはAVアンプのトップモデル「AVC-A1H」と同じ仕様という

 電源回路にもカスタム仕様の大型EIコアトランスを搭載。巻き線の材質にもこだわって、OFC(無酸素銅)が採用されている。これはAVアンプでは「AVC-A1H」クラスと同等の仕様だ。プリアンプとパワーアンプそれぞれに専用の巻き線から電源を供給することにより、相互干渉を抑え、サウンドの純度を高めた。

 ネットワークオーディオ用プラットフォームの「HEOS」を搭載し、ストリーミングサービスやインターネットラジオ、NASやPCに保存した音源の再生も可能だ。ハイレゾ信号は最大5.6 MHzのDSDと192kHz/24ビットのリニアPCMが再生できる。DSD、WAV、FLAC、Apple Losslessのギャップレス再生にも対応する。

 スピーカーターミナルはネジ式で、経年変化や信号の劣化を防止する金メッキ加工を施している。A/B 2系統の端子を備えており、バイワイヤリングによる高音質化や2組のスピーカーを切り替えての使用も可能だ。

画像: デノンの視聴室で、オッポのユニバーサルBDプレーヤー等をつないで様々なソースを再生してもらった

デノンの視聴室で、オッポのユニバーサルBDプレーヤー等をつないで様々なソースを再生してもらった

「DRA-900H」の主なスペック

●定格出力(8Ω、20Hz〜20kHz、THD 0.08%、2ch駆動):100W×2
●適合インピーダンス:4〜16Ω
●周波数特性:10Hz〜100kHz(+1,-3dB、ダイレクトモード時)
●Bluetooth対応コーデック:SBC
●接続端子:HDMI入力×6(HDMI4〜6は8K/60pに対応)、HDMI出力(8K/60p、ARC対応)、アナログ音声入力×2、PHONO入力(MM)、デジタル音声入力×3(光×2、同軸)、2.2chプリアウト、ヘッドフォン出力(フロント)、LAN、USB Type-A(フロント)、USB type-A(リア、5V/1.5A 給電専用)、他
●消費電力:220W(待機電力0.1W、ネットワークコントロール、HDMIパススルーオフ)
●寸法/質量:W434×H151×D339mm(アンテナを除く)/8.6kg

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