第22回東京フィルメックス最優秀作品賞を受賞した仮邦題『見上げた空に何が見える?』が、『ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう』という正式邦題で4月7日から全国公開される。

 とてもロマンティックな、胸の奥がせつなくもなりくすぐったくもなり、という作品だが、描き方(画面、セリフともに)は決してストレートではなく、むしろ「ベタ的描写を遠ざけること」を強く意識しているようにも感じられ、つまり、目をしっかり開いて一つ一つの場面を見て、脳裏に刻みこみ、同時に想像を働かすことが求められる。そうしてゆくと、あの場面とあの場面が実は結びついていたとか、伏線がここで回収されたとか、いろんな発見で胸をふくらませたまま観終えることができるのだ。

 本を落としたリザと、それを拾ったギオルギは、夜の街角で偶然再会する。「明日、カフェで会いましょう」と約束し、わくわくしながら就寝についたが、睡眠中に呪いにかけられてしまう。朝を迎えたふたりは、どちらも別人そのもののルックスに。まさか相手も別人になっているとは思わないから、せめて「自分の容姿が変わったということだけは伝えたい」とそれぞれカフェには行く。しかし当然ながら、認識していたリザとギオルギの姿はどこにもないのだ。このふたりは果たして再び出会えるのか、もし出会えたとしたらどんな容姿なのか、観る者の関心をひきつけ、ときにもてあそぶかのように、物語は進行する。150分、まったく無駄がない。

 監督は、ジョージア出身のアレクサンドレ・コベリゼ。本作は彼のドイツ映画・テレビアカデミーの卒業制作作品であると同時に、2021年の第71回ベルリン国際映画祭で国際映画批評家連盟賞に輝いている。

映画『ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう』

4月7日(金)より ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿ピカデリー、アップリンク吉祥寺 ほか全国順次ロードショー

監督:アレクサンドレ・コベリゼ
配給:JAIHO
(C)DFFB,Sakdoc Film,New Matter Films,rbb,Alexandre Koberidze

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