いわゆる「山村」を舞台にしたドキュメンタリー映画だ。個人的には自分の親戚が住んでいる北海道の音威子府村を思い出して親しみも感じたが、この風景が、都心からわずか60㎞、バスや電車を使えば80分でたどりつく場所にあると知った時点で、驚きは一気に増幅される。そう、これは「埼玉県」の話なのだ。大宮とか浦和とかがある県での話なのだ。

画像1: 都心からわずか60㎞の場所にある「山間」で生まれるクリエイティヴな交流。『若者は山里をめざす』公開へ

 東秩父村は、標高600メートルの山が連なる山間にあり、コンビニもないという。いまでは「埼玉県の消滅可能性都市No.1」にも挙げられているという。だがここに、何人ものひとたちが、舞い戻ってきている。ある女性は東京で就職口をみつけたが、故郷を消滅させたくないと戻って来た。元銀行員のある男性は、地域おこし協力隊のひとりとして村に滞在し、特産品「ノゴンボウ」に出会って、この開発を進めていくことを決意、移住を果たした。和紙職人を目指す若者もいる。こうした「ヴィジョンのある」者たちが積極的に、「いまの東秩父村」に呼吸を与えている。その志と、それを受け入れる人々との交流に、目を見張らされた。「和紙ができていくまで」の様式美、ほか、歴史ある太鼓集団“鬼太鼓座”と東秩父村の深い縁など、学ぶこと大の作品だ。

 「武蔵野~江戸の循環農業が息づく」など農業をテーマにした映像作品で知られる原村政樹が、監督・撮影・編集を担当。東秩父村に縁がない者でも、自分の故郷や、どこかで見た田園風景を重ね合わせてみることができるはずだ。

画像2: 都心からわずか60㎞の場所にある「山間」で生まれるクリエイティヴな交流。『若者は山里をめざす』公開へ

映画『若者は山里をめざす』

1月14日(土)より新宿K’s cinemaほか全国順次公開

<キャスト>
西沙耶香 高野晃一 市村太樹 足立桜ほか、東秩父村のみなさん/語り:小林綾子

<スタッフ>
監督・撮影・編集:原村政樹 プロデューサー:鈴木(神出)敏夫 音楽:鈴木光男 映像技術:大目象一、李恩求 整音:丸山晃 ポスプロデスク:原田修 写真提供:東秩父村教育委員会 協賛:木更津社会館保育園 後援:東秩父村 一般財団法人地域活性化センター 認定特定非営利活動法人JUON NETWORK 一般社団法人心土不二 特定非営利活動法人日本消費者連盟 配給宣伝:MAP 配給協力:ミカタ・エンタテインメント
[2022年/日本/カラー/ビスタ/115分]
(C)2022映画「若者は山里をめざす」製作委員会

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