B&Oジャパンは昨日、同社の新製品サウンドバー「BEOSOUND THEATRE」(¥898,000、税込)の体験会を開催した。BEOSOUND THEATREは、10月15日に発売をスタートした一体型サウンドバーで、12基のユニットを搭載してドルビーアトモスの再生も楽しめるのが特長だ。

画像: 「BEOSOUND THEATRE」

「BEOSOUND THEATRE」

 同社ではこのモデルの開発に際し「SOUND-ACCOUSTICS」「TIMELESS DESIGN」「UNRIVALLED CRAFT」の3点に留意したという。

 SOUND-ACCOUSTICSについては、まず本体容量に配慮した。そもそも12基のユニットを駆動するためにはそれだけのアンプも必要で、放熱等にも配慮しなくてはならない。また低音再生を含めエンクロージャーの容量も重要となる。それらを踏まえたパーツの配置・構成を考えると、ある程度の本体サイズが必要になるはずだ。

 とはいえサウンドバーはリビングで使う製品である以上、設置しやすいサイズやデザインも重要だ。今回は横幅122.2cmという大きさで、流れるようなデザインを採用している。そのポイントがヨットなどのキール(竜骨)を参考にした意匠で、BEOSOUND THEATREを横から見ると、本体を前後に二分するように1本のブレードが通っている。これによって視覚的にスリムに感じられるのだという。

 なお低域用には6.5インチ(16cm)ウーファーを2基搭載しており、これをそのまま搭載すると本体の高さも大きくなってしまう。そこでウーファーをわずかに斜めにし、下側を本体エンクロージャーと少し重なるようにすることで高さを197mmに抑えることに成功している。

画像: Bang & Olufsenが「BEOSOUND THEATRE」の体験会を開催。サウンドバーだけで、映画館の大画面に負けないサウンドを再現し、来場者の度肝を抜いた!

 またTIMELSEE DESIGNとして、アルミと無垢材の組み合わせが採用されている。アルミは同社の工場(ファクトリー5)で製造、フロントパネルの無垢材はデンマークにある家具工場で生産しているそうだ。また再生プラスチックの使用率を50%以上にするなど、SDGsにも配慮している。

 さてBEOSOUND THEATREは上記の通りドルビーアトモス再生も可能な一体型サウンドバーだ。本体前面には2ウェイ仕様のL/C/Rスピーカー(センターは同軸配置)が、それぞれの間に6.5インチウーファーが並んでいる。本体両サイドにはサラウンドスピーカーとトップスピーカーが各1基取り付けられ、合計12基のユニットを使って包囲感豊かなサウンドを楽しませてくれる。なおサラウンドとトップスピーカーは、トップモデルのBeolab 90で開発されたビームフォーミングテクノロジーを使って壁や天井で反射させることでサラウンド感を再現している。

 そのサラウンド再生を様々な環境でも快適に楽しめるように、自動音場補正機能のRoom Senseも準備されている。付属の測定マイクと、本体に内蔵されたふたつのマイクの合計3つを使って測定を行うことで、再生環境に応じた最適な再現が可能になるそうだ。この操作はアプリで行うが、測定結果は複数メモリーできるので、好みに応じて補正内容を使い分けてもいいだろう。

画像: 会場には分解モデルも展示されていた。中央が同軸配置されたセンタースピーカーで、その右が6.5インチウーファー、さらに2ウェイ構成のフロントRスピーカーが並ぶ。写真では見えないが、フロントRの横にサラウンドとトップスピーカー用ユニットが取り付けられている

会場には分解モデルも展示されていた。中央が同軸配置されたセンタースピーカーで、その右が6.5インチウーファー、さらに2ウェイ構成のフロントRスピーカーが並ぶ。写真では見えないが、フロントRの横にサラウンドとトップスピーカー用ユニットが取り付けられている

 サラウンドフォーマットは7.1.4ドルビーアトモス信号にも対応済みで、さらにBS4K/8K放送で使われているMPEG-4 AACもビットストリームで受け付けてくれる。つまりこれらのチャンネルを楽しむ際にもテレビ側で特別な設定は必要ないわけで、サラウンドビギナーにも喜ばれるだろう。

 さらに独自のTrue Image アップミキシング&ダウンミキシングアルゴリズムによって、すべての入力信号はサラウンドに変換して再生されるという。接続端子はeARC対応のHDMI出力×1と、HDMI入力×3を搭載。

 またBEOSOUND THEATREは、独自開発のソフトウェアプラットフォーム「モーツァルト」を搭載し、様々な拡張性を備えている点も注目される。本体背面にパワーリンクポートを備えており、最大8台のB&Oスピーカーを接続できる(1986年製の同社製品との組み合わせも可能)。さらにワイヤレスにも対応し、こちらも最大8台の同社製ワイヤレススピーカーをつなぐことができる。ワイヤレス伝送の規格はWiSAに準拠しているので、遅延も少ない。

 これによりBEOSOUND THEATREをサウンドセンターとして使い、L/Rやサラウンド、トップスピーカーなどに同社製スピーカーを組み合わせることで、手軽にリアルサラウンドシステムも構築できるというわけだ。ちなみにL/Rスピーカーを追加した場合はBEOSOUND THEATREはセンタースピーカーとして動作する。

画像: 体験会の会場となった劇場は、座席数70、スクリーンサイズは幅7.5×高さ3.2mというもの。サウンドは、写真中央の木製の台の上に載せた「BEOSOUND THEATRE」で再生した

体験会の会場となった劇場は、座席数70、スクリーンサイズは幅7.5×高さ3.2mというもの。サウンドは、写真中央の木製の台の上に載せた「BEOSOUND THEATRE」で再生した

 今回の体験会は、都内の映画館にBEOSOUND THEATREを持ち込み、劇場のスクリーンに映像を投写(画面サイズは250インチほどと思われる)、音をBEOSOUND THEATREで再生するという気合いの入った環境で行われた。

 この環境で、有名スパイシリーズの派手なアクションシーンや、ロックグループをフィーチャーした音楽作品のハイライト(スタジアムでのライブシーン)、SF作品でのバトルから大爆発へのシークエンスなど様々なコンテンツが再生された。

 設置位置の関係もあり、サウンドが全体的に下側から聴こえてくるのは仕方ないところ。しかしセリフの再現は明瞭で、5〜6m離れた席に座った状態でも充分聞き取りやすいし、爆発シーンなどでは量感のある低音が響いてくる。ちなみに再生ソースは5.1chコンテンツで、リアスピーカーにワイヤレス接続対応の「Beolab 28」が組み合わせられていた。それもあり、ここぞというシーンでは移動感も感じ取ることができた。

 家庭ではありえない大きさの画面との組み合わせで、しかも吸音処理が施された映画館でこれだけの再現性なのだから、通常のリビングならかなりの迫力で映画が楽しめるはずだ。BEOSOUND THEATREの本格サウンドバーとしての実力を実感できる催しとなっていた。(取材・文:泉 哲也)

画像: Room Senseの測定用マイクも付属している(左)。右はワイヤレススピーカー「Beolab 28」で、今回はワイヤレスリアスピーカーとして使用

Room Senseの測定用マイクも付属している(左)。右はワイヤレススピーカー「Beolab 28」で、今回はワイヤレスリアスピーカーとして使用

「BEOSOUND THEATRE」の主なスペック

●使用ユニット:6.5インチカスタムメイドウーファー×2、5.25インチミッドレンジ、1インチトゥイーター、3インチミッドレンジ×2、2.5インチフルレンジ×4、1インチトゥイーター×2
●内蔵アンプ:100W×2(ベース出力用)、60W×10(センターチャンネル、左/右/天井出力用)
●再生周波数特性:28Hz〜23kHz
●最大音圧レベル(@1m):112dB SPL
●対応フォーマット:ドルビーアトモス、Dolby True HD、Dolby Digital Plus、Dolby MAT、他
●対応ストリーミングサービス:AirPlay 2、Bluetoothオーディオストリーミング、DLNA、Chromecast、Spotify Connect内蔵、Deezer、QPlay、GoogleCastグループ、BeoLink Multiroom
●接続端子:HDMI(CEC)×3、 HDMI(eARCパススルー)×1 、LAN×4、3.5mmマイクロフォンミュート用ジャックスライダー、他
●推奨ルームサイズ:15〜60平方メートル(約9〜36畳)
●消費電力:120W
●寸法/質量:H197×D157×W1222mm/18kg(サウンドバー テーブルスタンド)

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