オルトフォンから、新しいフラッグシップとなるMCカートリッジ「MC Diamond」が発売される。定価は¥1,298,000(税込)で、今冬の登場予定。創立100周年を記念して発表した「The MC Century」から4年、無垢単結晶ダイアモンド・カンチレバーの研究成果を活かして誕生させたモデルという。その特長は以下の通り。

画像1: オルトフォンの新フラッグシップMCカートリッジ「MC Diamond」が¥1,298,000で今冬に登場。無垢単結晶ダイアモンド・カンチレバーの研究成果を活かして誕生させた

●新たにMWCNTを配合した、MC Diamond専用設計のダンパー素材
 MC Diamond では、MWCNT(マルチ・ウォール・カーボン・ナノチューブ)と呼ばれる炭素微粒子を配合した専用ダンパーを新たに設計し、高精度なダンピング・システムとともに採用。生産にあたっては、ダイアモンド・カンチレバーに最適な弾性や減衰レベルを微細にコントロール可能な自社のダンパー製造部門で仕様を決め、素材を配合するところから手がけているそうだ。

●無垢単結晶のダイアモンド・カンチレバー
 ダイアモンドは地球上でもっとも硬い材料のため、カートリッジが音溝からの音声信号をトレースして様々な加重が加わった際の変形が少なくなる。カンチレバーで生じる損失も同様に最少であるため、高音域から低音域に至るまで、きわめて高解像度な再生が可能となる。

●空芯コイルの巻線にAucurumを採用
 同社フラッグシップシリーズの空芯コイル巻線には、これまで高純度銅線が使われていた。MC Diamondではシリーズ初となるAucurum(オーキュラム)を採用。これは6N高純度銅線の導体表面に金メッキを施した素材という。

●フラッグシップにのみ搭載された、WRADシステム
 歴代のフラッグシップシリーズにのみ使用されてきたWRAD(ワイド・レンジ・アーマチュア・ダンピング)システムを採用した。特許技術であるWRD(ワイド・レンジ・ダンピング)システムを更に進化させ、シリーズ特有の空芯コイルを支えるアーマチュア(巻芯)の大口径化やそれに伴う磁気回路の大型化によって生じたスペースを活用し、ダンピング・システムの更なる高精度化を目指したものという。

画像2: オルトフォンの新フラッグシップMCカートリッジ「MC Diamond」が¥1,298,000で今冬に登場。無垢単結晶ダイアモンド・カンチレバーの研究成果を活かして誕生させた

●空芯タイプの磁気回路
 大型で強力な磁石を搭載した専用の磁気回路を搭載。SPUの磁気回路が純鉄を用いた鉄芯タイプのアーマチュアを併用して出力電圧を確保していたのに対し、MC Diamondに用いられている新世代型は非磁性体の素材を用いた空芯コイルであるにもかかわらず同程度の出力を可能とした。

●SLMチタンとTPEボトムカバー
 SLM(セレクティブ・レーザー・メルティング)テクノロジーを用いてチタン粉末をレーザー溶融し、三次元的に一体成型したハウジングを採用。ダイアモンド・カンチレバー使用モデルのMC Verismo(カートリッジ全体の自重9.5g)と比較するとひじょうに大きく、カートリッジ全体の自重もほぼ倍の17.5gとなっている。

 さらにSLMで成型されたチタンハウジングの底面には、カンチレバーを経由して振動系やカートリッジ本体へと伝わってくる不要な共振をシャットアウトするTPE(サーモ・プラスティック・エラストマー)のボトムカバーが取り付けられた。この素材を使用することで、ハウジングは完全な剛体とならずに適度な不要共振の減衰を得ることが可能となっている。

「MC Diamond」の主なスペック

●出力電圧(1kHz、5cm/sec):0.2mV
●チャンネルバランス(1kHz):0.5dB
●チャンネルセパレーション:25dB(1kHz)、20dB(15kHz)
●周波数特性(20Hz〜20kHz):+2/-1dB
●トラッキングアビリティ(315Hz、適正針圧下):80μm
●水平コンプライアンス:11μm/mN
●カンチレバー素材:無垢単結晶ダイアモンド
●適正針圧:2.6g
●トラッキング角度:23度
●内部インピーダンス:6Ω
●推奨負荷インピーダンス:10Ω以上
●コイル線材:Aucurum
●カートリッジボディ素材:SLMチタニウム
●自重:17.5g

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