デノンから、ミドルクラスのプリメインアンプ新製品「PMA-1700NE」(¥199,000、税込)が発表された。5月27日の発売を予定している。

 PMA-1700NEは、デノンミドルクラスの人気モデル「PMA-1600NE」の後継機にあたる。GFKデータによると、このPMA-1600NEは2019年から2022年までの4年連続で、10〜15万円HiFiカテゴリーの売り上げ1位を獲得している。

 そんな人気モデルの後継製品となるPMA-1700NEは、どんな音源も本物の高音質で堪能する、ハイファイ志向のプリメインアンプとして設計されている。

画像: 「PMA-1700NE」の背面端子部。左側からデジタル入力、アナログ入力、スピーカー端子の順番に並んでいる

「PMA-1700NE」の背面端子部。左側からデジタル入力、アナログ入力、スピーカー端子の順番に並んでいる

 パワーアンプ回路は、FLAT AMPとPOWER AMPの2段構成が採用された。上記のPMA-1600NEは固定利得アンプなので、この点は大きな変更といえるだろう。

 FLAT AMPを持たない固定利得のアンプでは、ボリュウム位置でアンプ動作が変わらないという利点がある一方で、入力抵抗の熱雑音を常用領域でもフルゲインで増幅してしまうので、小音量時のノイズが抑えにくいという面もあった。今回の2段構成増幅回路では、FLAT AMP部でゲインを抑えることで普段よく使う音量でのノイズを低減できる。

 また新たにUHC(Ultra High Current)-MOSプッシュプル回路も搭載されている。これは同ブランド110周年記念モデル「PMA-A110」で採用された差動2段アンプで、差動3段アンプに比べて位相回転が少なく発信に対する安定性が高いので、様々なスピーカーに対する駆動性もアップするとのことだ。

画像: デジタル基板は筐体内部でのノイズ抑制に配慮し、シールドケースに封入されている。USB DAC回路とデジタル/アナログ回路を電気的に絶縁するアイソレーターも搭載されている

デジタル基板は筐体内部でのノイズ抑制に配慮し、シールドケースに封入されている。USB DAC回路とデジタル/アナログ回路を電気的に絶縁するアイソレーターも搭載されている

 ボリュウム回路は可変ゲインアンプを搭載したデジタルボリュウムで、機械式に起因する高域でのギャングエラー(L/Rの出力のばらつき)を回避。これもPMA-A110に初搭載されたものを踏襲している。

 D/Aコンバーターは、超低位相クロックをDACチップの近傍に配置した、デノン流儀のマスタークロックデザインを採用。DAC回路は対称性に配慮したデザインとし、デジタル回路はシールドケースに収めてノイズを抑制している。

 またPMA-1700NEはUBS DAC機能も搭載済みで、USB Type-B入力からリニアPCM信号を受け付ける。ここではUSB DAC回路と他のデジタル/アナログ回路について、グランドまですべて分離することでPC等からのノイズが混入しないように配慮されている(PMA-1600NEではグランドが共通だった)。

画像: 左から、デジタル基板とボリュウム基板。右が差動2段アンプ回路を採用した増幅段となる

左から、デジタル基板とボリュウム基板。右が差動2段アンプ回路を採用した増幅段となる

 コンデンサーには、DCD-SX1 Linitedに搭載されているSYコンデンサーやNEコンデンサー、カスタムフィルム系コンデンサーを大量投入。ブロックコンデンサーは新規にカスタム部品を開発・搭載している。

 今回、PMA-1700NEとB&W「805D3」スピーカーを組み合わせた音を聴かせてもらった。CDプレーヤーは同時発表された「DCD-900NE」。

 一聴して密度の濃い音で、女性ヴォーカルの音像が前に出てくる。実体感のある声が定位し、同時に左右のステージ情報もきちんと描き分けられている。クラシックの楽曲もひとつひとつの楽器がクリアーで、音数も多い。S/Nの高さと微細な音の再現性が大きな魅力だと感じた次第だ。

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