シルテックの銘はシルバー+テクノロジーに由来する。このオランダのメーカーは高純度銀素材に独自の技術を注入。素材にあるクラック(微小な隙間)については金を流入させることで、金銀混成導体を完成させている。現在それはG7と呼ぶ世代に進化している。また絶縁体にも独自の発想があり、テフロンとカプトンの2層巻きとシールドの多層構造を採用する。絶縁特性が良すぎると帯電を起こしやすくなり、機械的な振動や音声電流にともなう悪影響が難題とされる。そこで薄くて柔軟性のある絶縁体とともに、その帯電を抜くための多重シールドという発想も必要になるわけだ。
シルテック
CLASSIC
550i-RCA2.0M
¥250,000(ペア・税別)
●端子:RCAピン●ケーブル長:2m●備考:1m長(¥150,000・ペア・税別)、1.5m長(¥200,000・ペア・税別)あり●問合せ先:完実電気(株) TEL 050(3388)6838
今回試聴したのは上級のクラシック・アニバーサリーシリーズ。まずはClassic 550i-R
CAラインケーブルを、CDプーヤーとプリアンプ間に使用して試聴した。
これはあきらかにノイズ感が後退し、細部まで輪郭明瞭で俊敏な応答性を得ている。清涼感だけでなく、減衰音が舞い降りるその一部始終がゆるやかな時間感覚で味わえるようになるのが素敵だ。
CLASSIC-
PHONO1.0M
¥160,000(税別)
●端子:DIN5ピンストレート→RCA●ケーブル長:1m
さらにトーンアームケーブルClassic-PHONOを聴く。ここでは、清涼の気が満ちる中で情報量、瞬発力が増して、さり気なく隠されていたパートが浮かび上がってきて感動を呼ぶ。ゲルギエフ指揮「春の祭典」(ステレオサウンド盤)など、CD盤から苦労して掘り起こした影の部分の情報がなんなく甦っていて唖然とする。鮮度志向の爽快さを一歩推し進めて、音の波面が目に見えるような現認感覚をもたらす高品位ケーブルだ。