パナソニックから、テクニクスブランドのアナログターンテーブル“SL-1200シリーズ発売50周年記念モデル” として、「SL-1200M7L」が発表された。価格は¥120,000(税込)で5月27日の発売予定。全世界12,000台の限定生産モデルとなる。

画像: 新色のレッド。本体サイズやボタンの配置などはベースモデルと同一だ。写真右下には、「50th Anniversary」の銘とシリアルナンバーが入ったエンブレムが取り付けられている

新色のレッド。本体サイズやボタンの配置などはベースモデルと同一だ。写真右下には、「50th Anniversary」の銘とシリアルナンバーが入ったエンブレムが取り付けられている

 SL-1200M7Lは、2019年に発売された「SL-1200MK7」をベースにした限定バージョンで、ターンテーブルとしての仕様や操作性はSL-1200MKシリーズを踏襲、テクニクスならではの高音質技術を搭載している。

 本体カラーにはストリートカルチャーをイメージした7色の仕上げ(ブルー、レッド、ホワイト、ブラック、グリーン、イエロー、ベージュ)をラインナップし、ゴールドカラーのロゴ入りスリップマットなど、限定モデルならではの付属品も準備されている。

 SL-1200シリーズは1972年に第一号機が発売され、トルクの強いモーター、高い回転精度といった特徴を備え、ハードな使用にも耐えられることから70年代中頃のDJ文化黎明期から多くのDJに愛用されてきている。

画像: コアレス・ダイレクトドライブ・モーター(左)や専用開発された2層構造のプラッター(右)も継承する

コアレス・ダイレクトドライブ・モーター(左)や専用開発された2層構造のプラッター(右)も継承する

 特に1979年の「SL-1200MK2」はDJのための機能を初めて盛り込んだモデルとのことで、開発当時はDJが求める操作性や具体的な使い方をリサーチするためにアメリカまで足を運んだという。

 そういった努力の甲斐もあって1995年の「SL-1200LTD」では世界累計販売台数で200万台を達成、以後家庭でのオーディオ再生ではCDが主流になる中、クラブシーンではSL-1200シリーズが根強い支持を集め続けてきた。

 2010年にテクニクスブランドが終了したことを受けてSL-1200シリーズの生産も完了したが、2016年にテクニクスブランド50周年記念限定モデル「SL-1200GAE-S」で復活。そこから「SL-1200G」「SL-1200GR」「SL-1200MK7」「SL-1200GAE-K」とDJ用途はもちろん、オーディオ愛好家にも人気の高い製品をラインナップしている。

画像: ゴールドカラーのロゴ入りスリップマット(左)も付属。外装の段ボール(右)には50周年記念ロゴ入り限定ステッカーも貼り付けられている

ゴールドカラーのロゴ入りスリップマット(左)も付属。外装の段ボール(右)には50周年記念ロゴ入り限定ステッカーも貼り付けられている

 その最新バージョンとなるSL-1200M7Lは、上記の通り7色のカラリングが特長。これは、コロナ禍でイベントが減り、クラブや自宅からの動画配信でDJプレイを披露することが増えたのが一因という。

 というのも、これらの動画では手元がアップになることが多く、そこでは “映えるターンテーブル” が求められているのだ。DJの中には自身のテーマカラーを決めている人も多く、彼らは衣装や自宅のインテリアでもカラーコーディネートを気にしている。今回はそういった意見も採り入れながら色を選んでおり、中でもイエローやレッドについては要望が多かったという。

 ちなみにSL-1200M7Lのトッププレートはアルミダイキャスト製で、ここに直接塗装が施されている。仕上げがマット調ということもあり、レッドやイエローも落ち着いた印象で、モノトーンの多いオーディオ機器の中に置いても変に目立つことはなさそうだ。なおトーンアームはゴールドのアルマイト仕上げとなっている。

画像: トーンアームはゴールド仕上げとなり、音もわずかに華やかな方向に変化している模様

トーンアームはゴールド仕上げとなり、音もわずかに華やかな方向に変化している模様

 先日開催された新製品説明会では、SL-1200シリーズを愛用しているDJ KAWASAKIさんと大塚広子さんが登壇し、SL-1200MK7を使ったDJプレイを披露してくれた。

 DJ KAWASAKIさんは1992年にSL-1200MK2/MK3を手に入れて以来、同シリーズを愛用しているという。「SL-1200シリーズは完璧なターンテーブル」と感じているとかで、アナログ的な動作、ピッチコントロールレバーのテンションなど、芸術性まで感じられる完成度だと話してくれた。

 テクニクスではSL-1200M7Lの発売に向けて、ホームページで360度の製品写真が確認できるサイトや、スマホのARを使った設置シミュレーションも公開している。こちらもぜひチェックを。

画像: 長年SL-1200シリーズを愛用しているという、大塚広子さん(左)とDJ KAWASAKIさん(右)

長年SL-1200シリーズを愛用しているという、大塚広子さん(左)とDJ KAWASAKIさん(右)

「SL-1200M7L」の主なスペック

●回転数:33 1/3rpm、45rpm(78rpmは切換スイッチで設定)
●回転数調整範囲(ピッチ切換):±8%、±16%
●起動トルク:0.18 N・m(1.8kg・cm)
●起動特性:0.7秒(33 1/3rpm時)
●ワウ・フラッター:0.025% W.R.M.S.
●トーンアーム形式:ユニバーサルS字形トーンアーム、スタティックバランス型
●オーバーハング:15mm
●適用カートリッジ質量:5.6g~12.0g(14.3g~20.7g、ヘッドシェル含む)
●出力端子:PHONO端子(金メッキ)×1、PHONOアース端子×1
●消費電力:8.0W(待機時約0.2W)
●寸法/質量:W453×H169×D353mm/約9.6kg

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