アナログ盤用のディスクスタビライザーが登場
伝統のダブルナイフエッジ機構を現代に復刻させて気を吐くサエクコマースから、SRS-9というアナログ盤用のディスクスタビライザーが登場。総重量は約300g なので軽量の部類となるが、これはトルクの強くないターンテーブルとの組合せも考慮したからのようだ。注目すべきは、中心部に加えて9個のステンレススチール製ウェイトがそれぞれレーベル面に荷重を与えること。同社ではこれをSVM(サプレス・ヴァイブレーション・マテリアル)機構と称している。似たような構造は、かつてのトーレンス製スタビライザーや、米国スティルポイント製LPIに見ることができよう。硬質アルミニウムとステンレススチールで構成されている精度の高い金属加工は、同社のWE4700トーンアームと同じく内野精工による。
SRS-9は、本誌リファレンスのテクニクスSL-1000RにフェーズメーションのMC型フォノカートリッジPP-2000を組み合わせた環境で試してみた。重過ぎるスタビライザーでは本来の目的とは逆にアナログ盤の外周部が浮き気味になることもあるのだが、本機はそのようなことがなく重量に関する塩梅の巧さを印象付ける。持参したアナログ盤は反っていないため、本機の反りに対する効用は定かではなかった。しかし、レーベル面を抑えるスタビライズ=安定化は、総じて音の締まりや明確さに貢献している。同社は金属製のターンテーブル用マットも開発中だ。