ベルリン・フィル・レコーディングスでは、ヴァイオリニストのフランク・ペーター・ツィンマーマンとベルリン・フィルのコラボレーションに焦点を当てたCD&Blu-rayボックスをリリースした。日本ではキングインターナショナルから発売される。
『ベルリン・フィルとフランク・ペーター・ツィンマーマン』 ¥9,000(税込)
●型番:キングインターナショナルKKC-9695/7(輸入盤・国内仕様)
●レーベル:ベルリン・フィル・レコーディングス
●収録内容:2 CD+1 Blu-ray
●付属品:日本語帯・解説付、ハイレゾ・ダウンロード・バウチャーコードとデジタル・コンサートホール7日チケット付き
ツィンマーマンがベルリン・フィルと初めて共演したのは、1985年のヴァルトビューネにさかのぼる。以来、彼とベルリン・フィルは密接な関係にあり、互いに刺激を与え合ってきている。彼の演奏は、多くの団員、とりわけヴァイオリンセクションのメンバーに強く支持されていると言われており、今回のディスクでも、その信頼関係が高いエネルギーとなって表れている。
2枚組CDに収録されているのは、ベートーヴェン、ベルク、バルトークの4曲のコンチェルト。ツィンマーマンが「ヴァイオリン協奏曲のエベレスト」と呼ぶベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。彼はこの曲を、2019年にベルリン・フィルで30年ぶりに演奏し、完璧無比な演奏を聴かせた(収録はすべて実際の演奏会で行われている)。共演のダニエル・ハーディングは、ソリストとオケの緊密な連携をとり、作品に寄り添った指揮ぶりをみせている。
2曲目は、1936年に初演されたベルクのヴァイオリン協奏曲。作曲家は、夭逝したマノン・グロピウス(アルマ・マーラーの娘)へのレクイエムとして「ある天使の思い出に」という副題の付いたヴァイオリン協奏曲を作曲した。ツィンマーマンの解釈は、十二音技法の作品に潜む深いロマンティシズムを明らかにしたもので、彼自身、首席指揮者のキリル・ペトレンコとの共演・収録を「忘れがたい素晴らしい瞬間」と呼んでいる。
アルバムを締めくくるのは、バルトークの2つのヴァイオリン協奏曲。意外なことに、ツィンマーマンが両曲をレパートリーに取り入れたのは、比較的遅かったといわれる。今回の共演指揮者は、20年以上の親交があるアラン・ギルバート。歓喜に満ちた第1番は、バルトークが当時恋していたヴァイオリニスト、シュテフィ・ゲイエルに捧げられており、第2番は民族性を湛えたドラマチックさと独創的な形式が魅了する。ツィンマーマンは、後者を「もっとも偉大なヴァイオリン協奏曲の3曲中の一つに数えられる」と称賛している。
高品質なハードカバーの装丁は、多数の写真を掲載したブックレットに加えて、2枚のCDとBlu-rayに収録されたハイレゾ音源をダウンロードできるコード、さらにデジタル・コンサートホールの7日間無料視聴チケットが含まれている。
なおベルリン・フィルファンの耳寄り情報として、ハイレゾ音声によるハイライトが期間限定で無料視聴できるサービスもスタートしている。インターネット・イニシアティヴ(IIJ)のハイレゾ配信サービス「PrimeSeat」では、よりすぐりのハイライトを、192Hz/24ビットクォリティで、誰でも無料試聴できるという。気になる方は関連リンクをチェックしていただきたい。
【演奏曲目】
<CD1>
「ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品 61」
●収録:2019年12月21日、ダニエル・ハーディング(指揮)
「ベルク ヴァイオリン協奏曲《ある天使の思い出に》」
●収録:2020年9月19日、キリル・ペトレンコ(指揮)
<CD2>
「バルトーク ヴァイオリン協奏曲第1番 Sz 36」
●収録:2016年11月29日、アラン・ギルバート(指揮)
「バルトーク ヴァイオリン協奏曲第2番 Sz 112」
●収録:2016年12月4日、アラン・ギルバート(指揮)
【映像コンテンツ】
●上記全曲のコンサート映像(1080/60i、16:9)
●インタビュー映像〜F.P.ツィンマーマンとベルリン・フィル
●音声:2.0 PCMステレオ/5.1DTS-HD MA
●リージョン:ABC(worldwide)
●総収録時間:135分
●字幕:独、英、日本語
【ブルーレイ・オーディオ】
全曲のハイレゾ音声を、ハイブリッド・ブルーレイ・ディスクに収録。スペックは2.0 PCMステレオと5.1 DTS-HD MA(どちらも48kHz/24ビット)。
【ダウンロード・コード】
上記全曲のハイレゾ音源(192kHz/24ビット)をダウンロードするためのURLとそのパスワードを封入。
【デジタル・コンサートホール】
ベルリン・フィルの映像配信サービス「デジタル・コンサートホール」を7日間無料視聴できるチケット・コードが封入。