ソニーから、同社が提唱している立体音響再生技術「360 Reality Audio」に対応した一体型スピーカーシステムが発表された。型番と価格は以下の通りで、4月16日の発売を予定している。
SRS-RA5000(市場想定価格6.6万円前後、税込)
SRS-RA3000(市場想定価格3.6万円前後、税込)
両モデルの特長は、全方位に広がる高音質で空間を包み込む「Ambient Room-Filling Sound」を実現している点にある。具体的には水平方向だけではなく、高さ方向にも音が広がることで1台のスピーカーで部屋中が音楽に包まれるような空間を再現するというものだ。そのために両機とも複数のユニットを内蔵している。
上位モデルのSRS-RA5000は、本体天面上向きに46mmユニットを3基、側面に同じく46mmのミッドレンジを3基、底面下向きに70mmウーファー1基という6.1chシステムを採用する。上向きと側面の6基のユニットで臨場感と広がりのあるサウンドを、1基のウーファーで豊かな低音を再現している。6基のスピーカーはいずれもネオジウムマグネットを搭載しており、大音量時でも余裕のある再生が可能だ。
SRS-RA3000は、オムニディフューザーとビームトゥイーターによって立体的なサウンドの再生を実現している。オムニディフューザーは、上向きに内蔵した80mmフルレンジユニットの前方に配置され、音を全方向に拡散するもの。ビームトゥイーターは、本体底面に配置されたふたつのトゥイーターの音を縦方向の伝導管を通じて上方向75度に向けて放射する。さらにふたつのパッシブラジエーターを内蔵することで低音再生にも配慮している。
360 Reality Audioの音源は、48kHz/24ビットで制作されており、両スピーカーではこのクォリティでの再現となる。なお、規格上はハイレゾでの制作も可能とのことで、今後通信環境が充実していけばハイレゾクォリティでの360 Reality Audioが楽しめるようになるかもしれない。
配信音源はビットレートによって3つの「レベル」に分けられている。レベル3は転送レート1.5Mbpsを想定しており、最高24のオブジェクトが再生可能。レベル2では16オブジェクト、レベル1は10オブジェクトで、転送レート640k bpsで配信される。今回360 Reality Audioの配信サービスをスタートする「Deezer」や「nugs.net」はレベル3を、「TIDAL」(海外のみ)はレベル1をサポートするそうだ。「Amazon Music HD」は通信状況に応じてレートが自動選択されるアダプティブ機能を採用する模様だ。
また2ch音源を立体音響に変換する「イマーシブ・オーディオ・エンハンスメント」も搭載され、すべての音源を臨場感豊かに楽しめる。この機能は本体ボタンでオン/オフの切り替えが可能という(工場出荷時はオン)。
さらにスピーカー本体が周囲の環境を測定し、最適なバランスで再生する「サウンドキャリブレーション」にも対応している。SRS-RA5000は購入後の初起動時に自動で室内の測定を行なう(再測定は手動可能)仕組みで、SRS-RA300は曲の再生中に自動で環境を測定し、都度最適化してくれる。SRS-RA3000は小型なので部屋から部屋に持ち運ばれることが想定されるので、どの部屋でも最高の音を実現できるようにとの配慮だという。
この他に、同社のブラビアとBluetooth接続でき、その場合はテレビの音声を低遅延で再現してくれる。さらにイマーシブ・オーディオ・エンハンスメントを掛け合わせると、臨場感たっぷりにテレビ放送を楽しめることだろう。
本日発表された2モデルは、明日(3月24日)からソニーストアで展示予定とのことなので、興味のある方はぜひそのパフォーマスを体験していただきたい。
両モデルの主なスペック
SRS-RA5000
●型式:6.1ch、アンプ内蔵アクティブ型
●使用ユニット:46mmユニット×3、46mmミッドレンジ×3、70mmウーファー×1
●アンプ方式:S-Master HX
●特長:Bluetooth 4.2、NFC搭載、ライン入力1系統
●カラリング:ブラック
●寸法/質量:W235×H329×D225mm/約4.9kg
SRS-RA3000
●型式:アンプ内蔵アクティブ型
●使用ユニット:17mmトゥイーター×2、80mmフルレンジ、パッシブラジエーター×2
●アンプ方式:S-Master
●特長:Bluetooth 4.2、ライン入力1系統
●カラリング:ブラック、ライトグレー
●寸法/質量:W146×H247×D155mm/約2.5kg