SACDプレーヤーやアンプ、AVセンターなどなど、StereoSound ONLINE読者が気になる多くの製品をリリースしているマランツ。同社は1953年の創業以来、様々な遍歴を経てその歴史を紡いできた。

 今回同社のご厚意でそれらの主立った時代の人気モデルを集めた展示を撮影することができたので、各時代のブランド背景と一緒にご紹介したい。当時の憧れのモデルや初のCDプレーヤーなど、マランツブランドの70年を超える名機の姿を楽しんでいただきたい。
※価格は発売当時の定価で、すべて税別です。

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1980〜2000年 フィリップス・マランツの時代

1982年 CDプレーヤー「CD-63」(¥189,000)

画像1: 1980〜2000年 フィリップス・マランツの時代

 オランダに本社を置く総合エレクトロニクスメーカー、フィリップスがスーパースコープからアメリカとカナダを除いたマランツの商標権、販売権を買い取り、フィリップス・マランツの時代がスタートする。

 1982年にフィリップスで設計・生産されたCDプレーヤー第1号機の「CD-63」はマランツブランドで発売され、以後マランツはフィリップスの技術を使ってデジタルオーディオの先頭を走っていくことになる。

1985年 CDプレーヤー「CD-34」(¥59,800)

画像2: 1980〜2000年 フィリップス・マランツの時代

 当時の最高級機と同じキーデバイスを使用しながら、戦略的価格で発売された製品で、爆発的なヒットを記録してCDの認知度を高めた。

1985年 プリメインアンプ「PM-94」(¥228,000)

画像3: 1980〜2000年 フィリップス・マランツの時代

 出力140W×2のAB級プリメインアンプ。4分の1パワーで自動的にA級動作に切り替わるクォーターA方式を搭載した。出力段はMOS-FET・3段パラレル構成を採用し、弊社ステレオサウンド誌の’85 Components of the Yearを受賞。

1997年 プリメインアンプ「PM-17」(¥100,000)

画像4: 1980〜2000年 フィリップス・マランツの時代

 出力60W×2(8Ω)、100W×2(4Ω)を備えたプリメインアンプ。可変HDAM採用アクティブ4連ボリュウム、HDAM内蔵電流帰還型パワーアンプを採用した。

 なおHDAM技術は1992年の「PM-99SE」「CD-15」で初採用、電流帰還型アンプは1995年の「PM-16」のパワーアンプ部に採用されたのが初めてだった。

1998年 CDプレーヤー「CD-7」(¥450,000)

画像5: 1980〜2000年 フィリップス・マランツの時代

 TDA1541A S2 DACを採用したモデル。’98 Components of the Yearを受賞。

1998年 CDプレーヤー「CD-17Da」(¥99,000)

画像6: 1980〜2000年 フィリップス・マランツの時代

 デジタルサーボICやTDA1547ビットストリームDACXを搭載。CD-RWやCDテキストのディスクも再生可能だった。

1999年 SACDプレーヤー「SA-1」(¥550,000)

画像7: 1980〜2000年 フィリップス・マランツの時代

 1999年5月に次世代オーディオフォーマットとしてSACDが発表された。その半年後にマランツ初のSACDプレーヤーとして発売されたのが「SA-1」となる。2ch専用機で、DAC7チップやデュアルHDAMといった技術も搭載されていた。

2002年〜 ディーアンドエム時代

2004年 プリメインアンプ「PM-11S1」(¥350,000)

画像1: 2002年〜 ディーアンドエム時代

 2001年5月に日本マランツはフィリップスからマランツの商標権・営業権、海外の販売会社およびその資産を買収、全世界共通コンセプトでマランツの事業展開が図れるようになった。翌2002年にはデノンとの経営統合がなされ、D&Mホールディングスが設立されている。

 その2002年にはセパレートアンプ「SC-7S1」「MA-9S1」を発売。2004年に登場したPM-11S1はこれらのテクノロジーを受け継いだプリメインアンプで、100W×2(8Ω)、200W×2(4Ω)の出力を備えていた。

2004年 SACDプレーヤー「SA-11S1」(¥350,000)

画像2: 2002年〜 ディーアンドエム時代

 PM-11S1とSA-11S1ではニュープレミアムデザインが採用され、以降の製品に踏襲されていく。SA-11S1はオリジナルのメカモジュールを搭載し、SACDに最適化したNPC社の「SM5866S」DACを2基搭載していた。

2006年 SACDプレーヤー「SA-7S1」(¥700,000)

画像3: 2002年〜 ディーアンドエム時代

 オリジナルメカモジュールのSACDM-1や、NPC社製DACをL/R独立で搭載したモデル。DAC以降のアナログステージやI/V変換、ローパスフィルター、最終出力段などに合計12の独自のHDAM R回路を搭載、優れたアナログオーディオ回路を実現している。

2018年 SACDプレーヤー「SA-12」(¥300,000)

画像4: 2002年〜 ディーアンドエム時代

 オリジナルのディスクリートDAC「MMM(Marantz Musical Mastering)」を搭載し、マランツ独自の音作りを徹底追及したSACDプレーヤー。メカエンジンから出力回路に至るすべてを自社開発したマランツ入魂のモデルでもある。

2018年 プリメインアンプ「PM-12」(¥300,000)

画像5: 2002年〜 ディーアンドエム時代

 フラッグシップモデル「PM-10」のノウハウやパーツを踏襲した、出力100W×2(8Ω)、200W×2(4Ω)のプリメインアンプ。パワーアンプにHYPEX製のモジュールNC500を採用することで、パワーアンプブロックをより小型化でき、空いた空間をプリアンプの音質向上に振り向けた。電源には従来の4倍の電源供給能力を持つ専用品(トランス)を搭載し、新開発のプリアンプ回路を配置するなど、音質を優先した設計を施している。

※弊社ではマランツの歴史をまとめた別冊『マランツのすべて』も準備しています。現在は電子版のみお求めいただけますので、興味のある方は以下のサイトからぜひ!

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