オーディオやオーディオビジュアルの世界は日進月歩。次々に新しい技術やそれを搭載した新製品が登場し、入れ替わりも早い。だが同時にそれらは、常に時代の最先端を走っているモデル達でもあり、思い出に残る製品ともいえる。このシリーズでは、弊社出版物で紹介してきた名機や名作ソフトに関連した記事を振り返ってみたい。

画像: 以下の記事はHiVi2011年7月号に掲載されています https://www.stereosound-store.jp/fs/ssstore/bss_reg_hv/412

以下の記事はHiVi2011年7月号に掲載されています

この進化ぶりはもはや別モデル。
生々しい骨太サウンドに興奮した

<PROFILE>
 MKサウンドの主力として君臨し続けてきたTHX Ultra2対応モデル、S150がMkIIとして生れ変った。

 基本デザインは従来モデルを踏襲。外から分かる変化は、トゥイーターに鋳物成型によるリジッドなプレートに固定された「MK Sound Pro Tweeter」が投じられたことくらいだ。ただ、このトゥイーターには深い意味がある。スキャンスピークス製ユニットなのだが、汎用品ではなくMKサウンド側で基本設計した完全なカスタムメイド品だからだ。同時に、クロスオーバー・ネットワークの設計も含めて、綿密なサウンドチューニングが施されたという。

 なお、サラウンドスピーカーとして高い評価を得ているトライポール型のSS150についても、同等のトゥイーターが投入され、S150Tとしてリニューアル。S150 MkIIとの音色の違いからくる違和感を払拭している。

<IMPRESSION>
 まずS150MkIIにアクティブ型のサブウーファー、MX350MkIIを加えた2.1chのシステムで、ヴォーカル、ジャズ、クラシックと、聴き慣れたCDを何枚か試聴してみたが、従来モデルとはだいぶ違う印象。

 どっしりと落ちついた音調で、あくまでも量感豊かにゆったりと楽しませる従来型のS150に対して、MkIIは勢いのいい筋肉質のサウンドで、男性ヴォーカルの声の太さや、バスドラの重み、エネルギー感といった部分で、基本体力の違いを見せつける。芯が太く、押し出しの強いMKサウンド特有の音であることには違いないが、高域のスムーズな拡がりにしても、引き締った中低域にしても、だいぶ洗練されている。

 続いて、センターにS150MkII RCを、サラウンド側にS150Tをそれぞれ追加した5.1chのシステムでBD「アイ・アム・レジェンド」を再生。冒頭シーンの静まりかえった廃墟の街。かすかに風が吹き、鳥、虫の鳴き声が聴こえるが、この空間が高く、実に生々しい。 そこに鳴り響くV8のエンジンの音は力強く、引き締った地響きが腹を軽く揺さぶる。ボリュウム感を追求すると、どうしてもフットワークが重くなりがちだが、このスピーカーは軽やか。空間の広がりも癖っぽくない。

 トルクフルな図太いサウンドはまさにS150のものだが、総合的な表現力はまったくの別物。この音を聴く限り、MkIIというよりも完全なニューモデルの登場と言った方がしっくりとくる。そのくらいの変りようだ。

SPEAKER SYSTEM
MK Sound S150MkII RC/L
¥153,300(1本)※価格は当時のもの
●型式:2ウェイ5スピーカー・密閉型
●使用ユニット:133mmコーン型ウーファー×2、25mmドーム型トゥイーター×3
●再生周波数帯域:77Hz~20kHz(±3dB)
●寸法/質量:W268×H310×D318mm/3.5kg

S150T
¥199,500(ペア)※価格は当時のもの
●型式:トライポール方式3ウェイ4スピーカー・密閉型
●使用ユニット:133mmコーン型ウーファー、80mmコーン型ミッドレンジ×2、25mmドーム型トゥイーター
●再生周波数帯域:80Hz~20kHz(±3dB)
●寸法/質量:W203×H267×D170mm/4.3kg

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