Bang & Olufsenから、人気のポータブルBluetoothスピーカー「A1」の性能や機能を向上させた後継モデル「Beosound A1 第2世代」が登場。本日5月21日より、同ブランドの専門店やオンラインストアでの先行販売が始まった(一般販売は5月28日より)。価格は¥27,182(税別)だ。

画像1: 「Beosound A1 第2世代」

「Beosound A1 第2世代」

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 さて、既報の通り本Beosound A1 第2世代(以下、A1 2ndと表記)は、人気を博した先代A1のデザインや機能を継承し、それをブラッシュアップした製品。どら焼き型という表現がぴったりの楕円形の形状は、デザインにこだわるBang & Olufsenらしく、ミニマルでありながらもブランドとしての存在感も充分なもの。

画像2: 「Beosound A1 第2世代」

「Beosound A1 第2世代」

画像: 前モデル「A1」

前モデル「A1」

 天面にはアルマイト加工を施したアルミニウムを用いており、デザイン性だけでなく質感もよく、手にした時の金属特有の冷触感や剛性感は、所有の満足感を高めてくれる。一方の底面はポリマー素材でまとめられ、今回強化された防水・防塵性能(IP67)によって屋外や水回りでの使用シーンも増えると予想されるが、多少ラフに扱っても傷が付きにくくなっているため、安心して使えるだろう。ここでは、簡潔ではあるが音質のインプレッションをメインに紹介したい。

 操作ボタンはストラップの付け根あたりに集中して配置されており、視認性や操作性も良好だ。押した時の感触もカチッとしていて心地いい。電源ボタンを押すと起動も素早く、今回天面に移動された電源ランプが光ることで、「電源が入った」ことが分かりやすい。

画像: 天面に移動されたランプ。視認性もいい

天面に移動されたランプ。視認性もいい

 Bluetooth機器とのペアリング(接続)は、専用のボタンが用意されていて、これを2秒長押しすることで、ペアリングモードになる。ボタン類を削減しがちなポータブル機器では、電源ボタン兼用の製品も多くあるが、こうして独立していると分かりやすいし、なによりペアリングしています(先述のランプが点滅する)と認識しやすいのは便利だ。親機には「Beosound A1 2」と表示されるので、それをクリックすれば、ペアリング完了だ。

画像: 電源ボタン、Bluetoothボタン、マイクボタンは独立して搭載される

電源ボタン、Bluetoothボタン、マイクボタンは独立して搭載される

画像: ペアリング時には「Beosound A1 2」と表示される

ペアリング時には「Beosound A1 2」と表示される

 スピーカーユニットの構成は、新設計の15mmドーム型トゥイーターと、90mmコーン型ウーファーという2ウェイの仕様。トゥーイーター径は若干小さくなっているようだが、これは全体のバランスを考えてのことだろう。

 気になる音質については、いまだエージング中(使用は15時間ほど)ということもあり、若干低域がボリューミーな印象も受けるが、徐々に高域とのバランスも取れてきているので、このまま試聴を続けていけば、いい塩梅になるだろう。

 ポップスなどでは、ボーカルが伴奏に沈むことなく、浮かび上がるようにはっきりと聴こえてくる。声の表現も豊かだし、細かい音もクリアに聴ける。音がこもった感じもなく、このあたりは孔径や数などが最適化されている印象だ。社内に金属加工ラインを持っているだけあって(つまり専用の職人がいる)、デザイン性を高度に昇華した精度で、製造ができる強みを存分に活かした結果なのだろう。

 ちなみにポリマー製の下面は、音楽を流している時に触ると、ユニットからの振動が伝わっているので、置いて使う場合は、柔らかいところではなく、しっかりとした硬いところに置くようにするといいだろう。このあたりはオーディオ機器の作法と同じだ。試しにカーペットや座布団などの上に置いたところ、低域が膨張するようになり、ボーカルの明瞭度が下がるので、使用環境に合わせてベストなポジションを探してほしい。ストラップもついているので、壁掛け(吊下げ)してもいいだろう。

 現在は、テレワークなどによって自宅で仕事(オンライン会議など)をしている人も多いことと思う。そこで、オンライン会議やトークメインのネット配信番組などでも試してみた。

 筆者のメインパソコンは、少し前のノートパソコン。テレワークやオンライン会議対応、と喧伝する前の製品のため、内蔵スピーカーの音質はそれなりで、特に悪いということはないが、音楽再生ではやせ細った印象は強い。ただし、会議など声メインの場合は声の帯域はしっかりと聴こえるので、外付けスピーカーなどは組み合わせていなかった。

 それが、A1 2ndで再生してみると、特に低域部分がしっかりと出ていることで、どっしりとしたピラミッド的な音階構造となり、その中から声が浮かび上がってくるようで、バランスのいいサウンド(声)が楽しめた。オンライン会議にA1 2ndは必須かもしれない(残念ながら、売りでもあるマイク機能はテストしていない)。

 さて、最後は映像配信でのテストも行なってみた。コンテンツは、アニメ、映画、ドラマなどなど。全体的な印象としては、やはり低域がしっかりと出ることで、厚みを感じられるサウンドになっていること。残念ながらコーデックはSBCのため、高域部分の再現性は薄味になるが、SBCで起こりやすい遅延はほとんど発生しないので、実使用上の問題はないと思う。ただし、問題はA1 2ndの置き場所。パソコンの左右ではセリフの定位に違和感が起きてしまう。かといって、液晶画面の裏側に置くと音がこもってしまう。液晶上部にくるように吊り下げてもいいが、どうしても視野に入ってしまう。そこで試したのが、キーボード(もしくはタッチパネル)の上(笑)。ギリギリ視覚の邪魔にならず、音の定位感も得られるセッティングとなった(かなり厳しいが)。専用アプリを使えば、A1 2ndを2台組み合わせてのステレオ再生も可能なので、懐具合に余裕のある方は、ぜひ試してみてほしいと思う。

 第2世代機になって、宣伝文句の通り、音質や操作性がブラッシュされているのが分かった。北欧デザインで、インテリアとしても映える本機。これからBluetoothスピーカーの購入を検討しているユーザーには、いいお供になるだろう。

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