300Bのパラレルシングル出力で、1994年の創業以来22年間におよぶロングランを記録したVP300BDの後継機。ラインレベル入力4系統に加え、半導体増幅によるMM仕様のフォノイコライザーを内蔵してアナログディスク再生にも対応したインテグレーテッドアンプである。さらにMAIN IN端子を備え、パワーアンプとしてもつかえる。通常の入力選択とミュートおよび音量調整ができるリモコンも付属する。
センターにバイアスメーターを配し、その右にボリュウムと入力セレクターが並ぶ。出力管は自社銘中国製の300B。
入力端子はPHONO（MM）１系統、ライン４系統の他にメインインを備え、本機をパワーアンプとしても使用可能。スピーカー出力は１系統で４Ω〜８Ωに対応。
パワーアンプ部は12AX7のSRPP入力と12AU7パラレル接続のドライバー、そしてトライオード・オリジナル銘の300Bパラレル出力段からなる3段増幅で、軽くオーバーオールのNFBをかけてある。上位ヴァージョンとして、プスヴァンのWE300Bを搭載したモデルも用意されるようだ。いずれも出力段は固定バイアス方式。メーターを見ながらのアジャストが可能である。
底板を開けた内部。パートごとに基板を使い効率的な配線を行なう。
真空管保護用ボンネットを付けた状態。
付属のリモコン。ボリュウム調整、入力切り替え、ミュートが操作可能。
トロイダル電源トランスやシリコンカーバイド整流素子など、現代の高性能ディバイスを駆使したうえに、定格出力も20W×2（8?負荷）あってまずはじゅうぶん。もうすこしパワフルな300Bサウンドを、の願いがきっと叶うことだろう。
フォノ再生での質感を確認する高津氏。
直熱3極管シングルならではの清らかな温もりを浸透させながら、ベースやキックドラムのエネルギーと細かな空気の揺れを淀みなく押し出してくる素敵なアンプである。フォノ入力も含めて頼もしい完成度。心やすらぐ好製品だ。
Integrated Amplifier トライオード TRZ300W ¥480,000(税別)
●定格出力：20Ｗ＋20Ｗ（8?）
●入力端子：PHONO1系統、LINE４系統（RCAアンバランス）、MAIN IN１系統
●入力感度／インピーダンス：2.5mV／47kΩ（PHONO MM）、480mV／100 k?（LINE）、920mV／10kΩ（MAIN IN）
●スピーカー出力端子：１系統（4Ω〜8Ω）
●使用真空管：12AU7×2、12AX7×２、300B（中国製）×4
●寸法／重量：W440×H220×D370mm／34kg
●備考：PSVANE WE300B仕様のTRZ300W-WE300B（￥572,000）あり
●問合せ先：(株)トライオード TEL 048（940）3852
