他社がテレビの大型化を液晶や有機ELの直視型で追求するのに対し、ハイセンスはレーザー光源の超短焦点プロジェクターを「レーザーテレビ」とブランディングして展開する。
レーザー光をDLPデバイスで変調し、3原色のカラーホイールにてフルカラーを得る。その光を超単焦点レンズにて、スクリーンの至近距離から上方に投映するという仕組だ。まず2012年に試作機を初めて展示。その後、2Kだった解像度を4Kに高め、対応スクリーンサイズも80、88、100インチとバリエーションを増やしている。大画面選好が強い中国市場では、人気という。
私は当初から、ハイセンスのレーザーテレビの画質を見てきているが、最新機では着実に向上している。以前は輝度も低く、コントラストが輪を掛けて低かったが、ここにきて相対的に画質は向上している。他メーカーと異なった、ワン・アンド・オンリーのユニークな技術にこだわる姿勢を評価したい。
画質向上の決め手が、レーザー数を増やしたこと。当初はB(青色)レーザーに蛍光体を塗布し、RGBを得ていた。次にBとR(赤色)のレーザーを加え、2019年からRGB三原色の3レーザーを搭載(TriChroma Laserと称する)して、格段に色再現帯域を拡大した。
2020年モデルは、75型と100型スクリーン対応で、Dolby Visionが加わった。色域もBT.2020比90%を実現したとしている。ここまで画質が向上するなら、日本にも導入する機会もありそうだ。